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王子様とプールと私

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王子様とプールと私
王子様とプールと私 王子様とプールと私

リアクション

 辻永 理知(つじなが・りち)は、辻永 翔(つじなが・しょう)と一緒にプールに遊びにきている。夫婦でプールを楽しみに来たのだ。
 少し大人っぽいビキニ姿の理知は、翔と一緒に手をつないで流れるプールに入った。
「わっ、本当に流されるんだね」
 理知は自分の身体が浮いて流されて行く感覚を楽しむ。
「あんまり遠くに行くなよ」
「大丈夫だよっ」
 そうは言うものの、翔は理知の手を取った。理知と翔はぎゅっと手を繋いで、一緒にプールを流れて行く。
「翔くんは次、どのアトラクションに行きたい?」
「そうだな……ウォータースライダーにも行ってみたいかな。でも、理知と一緒に楽しめるものなら、何でもいいよ」

 理知と翔は存分に流れるプールを楽しんだ後、ウォータースライダーにやってきた。
「思ったより長いかも……?」
 ドキドキする理知の横で、翔はどこかわくわくしたような表情だ。
「滑り終わったら、下で待ってるからねっ」
 そう言って理知は、翔より一足早くウォータースライダーを滑り降り始めた。
「結構速いよ!?」
 足や手をどうにか使って速さを緩めようとしたが、そう上手く行かず。ぐるぐると回ったり、予想外の方向に曲がりくねったりして??ドボン、と終着地点のプールに行き着いた。
「楽しかった! ……ってあれっ、何で翔くんの方が先に出てきてるの?」
 理知は、既にプールの隅で待っている。
「最速で降りようと思って、頑張った。……それで、後でもう一回乗っていい?」
 翔は相当楽しんでいたようである。

「そろそろ休憩する?」
「結構たくさん遊んだしな」
 たっぷり遊んだ理知たちは、売店の方向に向かって歩き始めた。
「きゃっ」
 プールサイドで足を滑らせた理知は、咄嗟に翔に抱きついた。
「大丈夫か? 足元に気をつけて」
「うん、ありがとう」
 突然の事でもちゃんと理知を受け止めてくれる翔。理知はそんな翔のことを、改めて好きだなあ、と思い直す。

 売店でジュースを買った理知と翔は、ベンチに座って休憩する事にした。
「翔くんのジュースも一口頂戴っ」
「じゃあ、俺にも一口」
 理知たちはジュースを交換する。――こうして過ごしていると、幸せを実感できる。そう、思いながら理知たちはのんびりと時間を過ごした。
「休憩したら、もう一回ウォータースライダーに行こっ?」
「理知も気に入った?」
「翔くんと一緒なら、何でも楽しいよ」
 そう言う理知に、翔も微笑む。
「俺も」
 理知と翔は、もう一遊びするためにベンチから立ち上がった。
「いっぱい遊んだら、温泉に入って帰ろうね。混浴のところもあるんだって」
 二人は楽しそうに寄り添いながら、ウォータースライダーの方へと歩いて行った。