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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

リアクション

 
 “カノーネ”の操縦席で法二はトリガーを引き続けていた。
 モニター越しに見える風景の中では、インヴィンシブル・モードで出撃した艦竜が八面六臂の活躍を見せている。
 だから、こちらとしても負けていられない。
 
「誤差修正右十度」
「おゥよ」
 的確な亜美からのサポート。
 相変わらずの良質なサポートだ。
 
 だが、何かが違うと感じた法二はふと、魔鎧のパイロットスーツ状態にある亜美に問いかける。
「なァ、亜美。戦法、変えたか?」
 すると返ってきたのは意外な人物からの返事だった。
 
「Hi.これがカノーネの操縦席なのね。意外と手狭だわ」
「ローザ! テメェ! どうしてここに!」
「艦竜は他のパイロットが乗っていてね。なら、私の力を活かしきる機体はこれしかない」
 どうやらローザマリアは出撃前に光学迷彩とベルフラマントで姿と気配を完全に消し、カノーネ・アングリフの操縦席で法二達を待ち受けていたらしい。
 変装が得意な彼女は亜美の声を声帯模写し、先程からアドバイスしていたのだ。
 
「私の照準は、外さない。カノーネには、カノーネをもって当たるほかないわ。それは法二、貴方が一番よくわかっているのではないかしら?」
「決まってンだろ。どっちもなァ」
 犬歯を剥き出すいつもの笑みを浮かべ、法二は更に激しい攻めを見せる。
 
 負けじと蓮華の艦竜も全砲門の一斉発射を行う。
 当然、そのまま見ている法二ではない。
 “カノーネ・アングリフ”も一斉射撃を繰り出す。
 
 圧倒的火力による殲滅射撃。
 それにより、敵側の“カノーネ”があらかた片付いた頃。
 
 艦竜の四本の砲身を繋げ、マイルブレイカ―モード――その更に上のマキシマムを放つ準備に入る。
 それに合わせ、ローザは声を上げた。
 
「私達もいくわよ!」
「おゥよ!」
 
 漆黒の“カノーネ”は担いでいた巨大な砲をトライポッドで固定、そのまま構える。
 ――200mmボルトアクション・カノン。
 そのトリガーに法二は指をかけた。
 
「法二、今よ!ブチ抜きなさい!」
 
 ローザマリアの声と共に放たれた一撃。
 艦竜の放った一撃と重なるようにして、それはグリューヴルムヒェンへと直撃した。