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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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「いくぞ」
「ああ」
 
 真一郎と享。
 二人が交わした言葉はそれだけだ。
 
 後はただ互いの愛機――鍛竜と“シルト・ヴァヴァンドルン”を駆り、迫り来る銀色の“シルト”を迎え撃つのみ。
「……」
「……」

 戦いが激しさを増そうとも、二人は黙して語らない。
 ただ、操縦桿を倒し、ペダルを踏み込み、敵を倒し続け、前へと進み続けるのみだ。
 
 幾度かの激しい打ち合いの後。
 二機は腰を落とし、拳を握る。
 
 漆黒の“シルト”は装甲を脱ぎ捨て、身軽な姿に。
 そして、鍛竜は今まで溜め込んだすべての熱量を背部のブースターへと叩き込む。
 
 そして二機は同時に地面を蹴った。
 弾丸、もとい砲弾の如し勢いで敵機へと突っ込む二機。
 
「……!」
「……!」
 
 二機が拳を繰り出したのはまったくの同時。
 同時に繰り出されたの二つの拳は、やはり同時にグリューヴルムヒェンの胸板を強かに打ち据えたのだった。