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終点、さばいぶ

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終点、さばいぶ

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chapter.15 終点 


 それからは特に問題も起きず、クドと天音は電車の旅を楽しんだ。
 そして終点まで着いた時、鉄道会社の社員に拍手で迎えられたのだった。
「なんだか、疲れたね」
「ありがとうございます! ありがとうございます!!」
 対照的な態度のふたりだが、表情はふたりとも穏やかだ。
「まさか三名も生還するとは。驚いた」
 終点のホームで待っていたロイテホーンが、ふたりに景品を授与する。
 とここで、先程覚えた違和感が、再び蘇る。しかも今度は、はっきりと。
「……三名?」
 天音は辺りを見回した。どう見ても、自分とクドしかいない。しかしロイテホーンは、あっさり首を立てに振った。
「ああ、三名だ」
 一体、あと一名は誰なのか。その場にいた誰もが疑問符を浮かべる中、ロイテホーンがすっと電車の先頭車両を指差した。
「あ……」
 そこには、中盤で勢い良く車体の上からダイブし跳ねられたはずのプロレス少女、奈津がいた。いや、「いた」という表現は正しくない。
 彼女は、車両の先端部分にその体をめり込ませていたのだ。なるほど、これなら気づかないのも無理はないし、「終点まで電車で来た」と言っても間違いにはならない。
「ポイントはゼロだから脱落扱いといえば脱落扱いなのだが、彼女の勇気に免じ、今回は生還者とみなそう」
 まさかのロイテホーン大岡裁きに、拍手が巻き起こる。
 ただ、奈津が自分の偉業を知らされるのは、意識を取り戻してからであったが。



 イベントが無事終わった後、ロイテホーンは協力してくれたティフォンのところに出向いていた。
「なんでも今回のお仕置き、相当ヘビーなものだったと聞いたが」
「ヘビーというか、まあ、愛のお仕置きといったところですね」
「それは、どのようなものだったのだ?」
 興味本位でロイテホーンは尋ねた。するとティフォンは、にっこりと笑って答えた。
「……試してみますか?」
「え、いやそれは結構……」
「ではこちらへ」
「いや、あの、悪かった、もう聞かない。もう聞かないから」
 強引に抱きかかえられたロイテホーンは、そのままティフォンに連れ去られていった。行き先はもちろん、魔の四駅目駅長室である。
 ロイテホーンの悲鳴が室内に響く。そこで何が行われているかは、やはり誰にも分からないのだ。
 ただ、このヒラニプラ鉄道を利用する者たちの間で、時折流れる噂がある。
 四駅目の駅長室の横を通る時、「イくか?」というサディスティックな囁き声が聞こえる、と。


担当マスターより

▼担当マスター

萩栄一

▼マスターコメント

萩栄一です。初めましての方もリピーターの方も、今回のシナリオに参加して頂きありがとうございました。
リアクションの遅延公開、大変申し訳ございませんでした。

今までのさばいぶ同様、最後まで残った方の選び方はアクションの面白さや、
実際の執筆時の筆の乗り具合で決めています。
ただ出番の都合上面白くても終盤前に脱落してしまったケースなどもありますので、
序盤で脱落しているからアクションが面白くなかった、ということでもありません。
ご了承いただければ幸いです。
それと、アクションの中にいくつかあまりにも直接的すぎる単語が入っているケースがありましたが、
リアクションに出せないため没とさせていただきました。併せてご了承ください。

なおイクカのポイントは一応こちらで全員分きちんと計算して執筆させて頂きましたが、
もし計算間違い、ミスなどがあった場合、それはこの鉄道会社で使ってる機械のエラーだった、
という解釈をしていただければ幸いです。

今回の称号は、MCLC合わせて3名のキャラに送らせて頂きました。
ちなみに称号の付与がなくても、アクションに対する意見などを個別コメントでお送りしているパターンもございます。

次回のシナリオガイド公開日はまだ未定です。
詳しく決まりましたらマスターページでお知らせします。
長文に付き合って頂きありがとうございました。また次回のシナリオでお会いできることを楽しみにしております。