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リアクション
パラミタ内海の海賊騒動!?
パラミタ内海。
静寂だった海に轟音が響き、潮の香りに火薬の匂いが混ざる。
海賊船が砲撃を開始したのだ。
「俺様に逆らった奴は、どうなっても知らないぜ!」
英霊エドワード・ティーチ(えどわーど・てぃーち)は
愛船クイーン・アンズ・リベンジに乗って、商船への襲撃を開始したのだ。
砲撃のあと、海賊船は商戦に急接近。
ラム(衝角)で商船に激突した。
ゴウンッ!!
揺れる商船の中に、
エドワードをはじめとする海賊たちが商船に飛び乗る。
「海賊風情が、食らえ!」
と商船に乗っていた傭兵たちが応戦するが、
「アホがっ! 逆らいやがったな!」
「何!?」
エドワードの爆炎波によって、傭兵は火ダルマとなり海に落ちる。
そこに空飛ぶ箒と小型飛空艇が商船に接近してくる。
エドワードと共通のパートナーを持つ、
カノン・コート(かのん・こーと)と水神 誠(みなかみ・まこと)である。
「……またか」
誠は呆れ顔だった。
エドワードが海賊として暴れるのは良くあることだった。
この10年で何回あったかは既に分からなくなっている。
「一応言っておくけど。
樹に怒られる前に、戻ってこいよ」
「ああっ!? 樹が怖くて海賊やってられるかよっ!」
カノンは水神 樹(みなかみ・いつき)の名前を出して説得しようとするが、
エドワードは頑として譲らない。
(……諦めないのは感心するが)
誠はこの後に起こる事を想像していた。
実の所、カノンは説得など諦めていたのだ。
この10年間何度も説得したがそのたびに失敗しているのだ。
その代わりあらかじめ携帯で……。
「エドワードぉ、やめなさい!」
樹に連絡を取っていたのだ。
樹はペガサスであっという間にやってきた。
(エドワード、終わったな)
カノンはこの後の展開を悟った。
「聞けねえな、俺は海賊……」
「うるさい!
水神の怒りの鉄拳、食らいなさいっ!」
「ぐおっ!!!」
ペガサスから飛び降た樹の鉄拳は、エドワードにクリーンヒット!
エドワードはそのまま吹き飛び、海賊船ににメリ込んでしまった。
「さすが姉。今日もいい拳だな」
誠は一人納得する。
「エドワード、さっさと帰りますよ」
「……」
樹は気絶したエドワードをペガサスに積んでさっさと家に戻った。
久しぶりに帰還している愛する夫の手料理が待っているのだ。
「商船の人たちを治療して、海賊船を回収しよう」
「ああ」
カノンと誠も慣れたもので、
いつものように後始末を開始した。
やがて、パラミタ内海に日が沈み始める。
樹達の“平凡な一日”はこうして終わった。
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