リアクション
次の夜やってきたのは、見えるか見えないかぎりぎりのミニスカ制服を着た小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)だった。 『ふたりは魔法少女マジカルシスターズ』 美羽とホイップは、ごく普通の高校生! だけど、本当は悪い人からみんなの笑顔を守るためにマジカルパワーで戦う魔法少女!! さあ、今日も変身よ♪ ある放課後、美羽とホイップ(ホイップ・ノーン(ほいっぷ・のーん))はおしゃべりをしながら下校していたの。 「たくあん入りのキャンディーが出たんだって」 「えっと……それって美味しいの?」 「わかんない! でも、食べてみたくない?」 「た、確かに……興味はあるかも」 そんな会話をしていると、校門の方から黄色い声が聞こえてきた。 「あ、コハク先輩だよ!」 ホイップは女子生徒に黄色い声を掛けられているコハク(コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど))を見つけて、はしゃぐ。 「さすがみんなに人気だよね、コハク先輩」 「あれ? 美羽は興味ないの?」 「そ、そんなことはないけれど……」 (本当は気になって仕方ない! な〜んて言えないよね☆) そんな会話をしていたら突然、校門の向こうから叫び声が聞こえてきたわ! 「それは大事な生活費! 返して!」 美羽とホイップが駆けつけると、そこでは男子生徒(紫水 青太(しすい・せいた))が泣きながら悪の戦闘員(百日紅 火焔(さるすべり・かえん))に抗議しているのが見えたの。 なんと悪の戦闘員がカツアゲをして男子生徒からお金を巻き上げていたのよ。 「いけない! 助けなくちゃ!!」 美羽が言うと、ホイップが頷く。 2人は慌てて路地裏に入ったわ。 「マジカルパワーチェーンジ!!」 声をそろえて魔法の言葉を言った瞬間、美羽は水色、ホイップは白のレースとフリルたっぷりのミニスカドレス姿……魔法少女マジカルシスターズに大変身! 「そこまでよ!」 「でましたねマジカルシスターズ」 悪の戦闘員はにたにたと笑いながら、カツアゲしたお財布を懐にしまう。 「このお金は、この星を征服するための大事な資金になるのです。邪魔は許しませんよ」 「……あの、それうちの生活費しか入ってないよ? 星を征服するだけのお金って……ずいぶん大きい事言ってるのに、やってることがセコ――ぎゃふん!」 本当の事を言った男子生徒は首の後ろに手とうを受け、気絶してしまったの。 そのまま男子生徒を盾にする悪の戦闘員! 「なんて卑怯な……!」 ホイップがそう呟いた瞬間、白い羽が悪の戦闘員の手に刺さる。 「あ、あなたは……!」 美羽とホイップの視線の先にいたのは燕尾服にマント、羽をモチーフにした仮面をつけた燕尾服仮面! その手には悪の戦闘員が思わず手放した男子生徒と財布が。 「今だよ!」 「はいっ!」 燕尾服仮面の言葉に応えるように2人は戦闘態勢に入ったの。 「聞こえますか、マジカルシスターズ。2人にパワーをおくります……」 「この声は……魔法の国の王女様(ベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー))!」 魔法の国からパワーが送られてきた2人はまばゆい光に包まれる。 すると、ミニスカドレスのレースとフリルが一段と華やかになって、魔法の力もパワーアップ! 「これで、一気にたためるわね! 行くわよ、マジカルホイップ!」 「うん! マジカル美羽!!」 2人は頷き合うと、悪の戦闘員へと向かって行ったの。 「マジカルパワースラム!」 美羽がそう叫ぶと悪の戦闘員を上へ持ち上げ地面にたたきつけた。 「今度は私! マジカルパワーボム!」 「似たような技を使ってくるなんてーーーー!」 ホイップの技も決まり、悪の戦闘員はひぃひぃ言いながら帰って言ったわ。 「ありがとうございました、燕尾服仮面様」 「2人ともよくやったね」 にっこりほほ笑んだ燕尾服仮面は颯爽と去って行ったの。 「正体はわからないけれど、燕尾服仮面様は今日も素敵だったね、美羽」 「うん……」 (コハク先輩の方がカッコイイけどね♪) 美羽は心の中で舌をペロリと出したのでした。 そして、任務に失敗した悪の戦闘員はというと……。 「おーほっほっほ! お仕置きよ〜!」 「ばかばかばーか……ですの」 セクシー衣装を着た悪の女幹部2人(紫水 蝶子(しすい・ちょうこ)、陽炎 橙歌(かげろう・とうか))に回し車に乗せられお仕置きを受けていたという。 今日の平和もマジカルシスターズが守ったわ! 頑張れマジカルシスターズ! 負けるなマジカルシスターズ! 明日もどこかで君たちの活躍を待っている人たちがいる! ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ふぉ〜〜〜! 燕尾服仮面かっこいいのじゃーー!」 「でしょ〜? でもね、でもね、その正体はなんとコハク先輩なんだから!」 「そうなのかーー! って、気になる事が1つ」 「ん?」 「なぜそなたが着替える必要があったのだ?」 いつの間にか美羽はマジカルシスターズ(パワーアップバージョン)の衣装にチェンジしていた。 「もちろん、お話を盛り上げるためよ!」 「そうか! それも演出というやつなのだな!! 素晴らしいぞ!!」 「明らかに楽しんでいるようにしか見えませんが?」 セバスチャンの冷静なツッコミに美羽は瞳をそらしたのだった。 |
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