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リアクション

「……ごめんなさい」
 ユマ・ユウヅキは彼に頭を下げた。
「お気持ちはとても嬉しく思います。本当です。けれど今の私には……あなたのお気持ちに応えられる心の余裕がありません」

 ユマ・ユウヅキは、クローラ・テレスコピウムに頭を下げた。

 ユマ・ユウヅキは、柊真司に頭を下げた。

「………迷ったらさ、深呼吸して目を閉じてみて」
 琳鳳明の言葉だ。二度ともいずれも、ユマはそれを試し、そうして、謝罪することに決めた。

 クローラに対しても、真司に対しても、ユマは真摯に言葉を尽くしている。
 詳細は省こう。彼女の話の要点は、自身が現在、目的を見失っている状態で、誰かを好きになるのは難しいということだった。
「なぜって、今の私は……」
 睫毛を伏せて彼女は言ったのだ。
「自分を好きになれないからです。自分を好きになれない私が、どうしてあなたを好きになれるでしょう……? 好きに、なってほしいと言えるでしょうか……」
 そのときユマは涙すら見せた。
「また、逃げるようですみません。待って、などという言葉が卑怯であるのはわかっています。だから待たないで下さい。私は……」
 自分に自信が持てるようになったら、
「私は、私が本当に愛する人を自分から追います……」
 できないかもしれませんが、と弱々しく付け加え、ユマはクローラと別れ、真司と別れた。