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第十章 今回も駄目だったなあ!

――事件はあんな長々とやった挙句結局事故と確定され、推理や操作を行っていた面々は当初の目的であった遊ぶことに戻り、スパには平和な空気が戻っていた。デッドリストに入った者達はそのままだが。
 そんな中、なななとアゾートはプールサイドを歩いていた。

「しかしまぁ、よくもただの事故をここまで複雑にできたよね」
 今回の件を振り返り、アゾートが呟く。結果的にただの事故だったものが、被害者総勢20名という結果になっている。ひどくしてどうする。
「うん、リアクション一本なんとか持ったよ」
「……よくわからないんだけど、それを持たせるために頑張ったの?」
「それだけじゃないよ」
 そう言うと、なななは空を見上げた。その眼は何処か遠くを見ていた。
「――コメディばかり続けてきて最早ネタ切れだと一人でのたうちまわり、気分を入れ替えるつもりでミステリを考えてみたものの、登場人物の名前を考えるのも面倒だとNPCで固めてしまったが故にシステム上死人を出す事がパラレルでないと出来ず、殺人や自殺だと死人は出さなくても後々関係が面倒になってしまうから結局オチは事故でしたーなんて展開で妥協に至ったアイツが費やした約32時間。それが無駄になってしまうなんて……あまりにも哀しいじゃない」
「……だからアイツって誰――ああやっぱいいや」
 さーて、誰なんだろうねー。
「あ、なななさーん、アゾートさーん」
 そんなこんなしている二人に、ボニーが駆け寄ってくる。
「あ、ボニー。どうしたの?」
「ええ、実はですね、お客さん達が焼肉をするというのでお呼びしたんですよ」
 ボニーの話によると、小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)が飢えに飢えて最早『ころしてでもにくをくう』という状態になった為コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)が焼肉のセッティングをしたところ、九条 ジェライザ・ローズ(くじょう・じぇらいざろーず)冬月 学人(ふゆつき・がくと)が『疑ってごめんなさい』という粗品代わりの米俵を配っていた為それを使って焼肉しようぜ! という事になったのだという。
「行こう行こう! なななお腹空いちゃったよ!」
「うーん、そうだね。行こうか」
「はい、こっちですよ」
 ボニーに連れられ、行っている広場へと向かうなななとアゾート。
 広場に近づくと、既に始めているらしかった。皆がジュースやご飯を持ち、食材が焼けるのを待っている。
「あ、もう始まってるんだね。おーいみんなー!」
 そう言ってなななが駆け出した。
「ああもう、走ると危ないよー?」
 呆れた様にいうアゾートに、ボニーが笑う。が、
「「――え?」」
なななが、動きをピタリと止めた。なななだけではない。その広場にいたアゾートとボニーを除く者達全員が動きを止めていた。
「え、何、どうしたの?」
 アゾートとボニーが駆け寄るが、なななは笑顔のまま止まっていた。が、よく見るとプルプルと動いており、完全に停止しているわけではないようだ。
「ほ、他の人は!?」
 広場を駆け回るが、他の人物も同様だった。ただ、傾けていたジュースや焼肉のタレがドバドバこぼれていたり、食材がみるみる焦げていくので時間停止ではなく、皆が動きを止めているだけの様だ。無理な体勢を取っている者達は我慢できないのか、プルプル身体を震わせている。
「……え? なに? 何なのこの展開?」
 アゾートが問いかけるが、その答えは誰からも出なかった。

担当マスターより

▼担当マスター

高久 高久

▼マスターコメント

 へんじがない ただのしかばねのようだ

 というわけでここまでお付き合いありがとうございました。今回担当したしかばねこと高久高久でございます。
 この度御参加頂いた皆様ありがとうございました。皆様のおかげで自重しない予定が自重することになりました。
 そして本当毎度毎度遅くなり大変申し訳ありません。感想などはまた後程マスターページに掲載します。

 毎回アクションを読ませていただき、楽しく読ませていただいてます。
 毎回勉強させられる事も多く、自らの未熟さを痛感させられています。
 ちなみに今回学んだのは『自重しない』とか言わない方がいい、という事です。

 次回に関しては未定ですが、前々からの宣言通りの方向で行こうと思っています。
 
 それではまた次の機会、皆様と御一緒できる事を楽しみにしております。