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ゴチメイ隊が行く4 ひょっこり・ぷっかり

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ゴチメイ隊が行く4 ひょっこり・ぷっかり

リアクション

 
    ★    ★    ★
 
「だから、絶対何か出るって言っておいたでしょう」
「分かってるよ。だから、ディテクトエビルで警戒してたんだもん」
「ロボットに反応するわけないと言っておいたでしょう」
 複数のメイドロボに追いかけられながら、ナナ・ノルデンとズィーベン・ズューデンは逃げ回っていた。気づくのが遅かったために、すぐ近くまで接近されて反撃が間にあわなかったのだ。
「いったい、何に引っかかったの?」
「分かるわけないもん!」
 逃げていたつもりが、いつの間にか二人の正面にメイドロボが回り込んで立ち塞がった。
「やばっ」
 メイドロボの胸の装甲が開いてミサイルがのぞくのを見て、ナナ・ノルデンが叫んだ。やられると思ったときに、
突然メイドロボに亀裂が入り、ナナ・ノルデンたちの背後にいた別のメイドロボにむかってミサイルを発射した。
「早くこっちへ」
 両手にブライトグラディウスを持ったローザマリア・クライツァールのそばで、三笠のぞみがナナ・ノルデンたちを呼んだ。その横には、同じく両手に七枝刀を持ったグロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダーもいる。
「ありがとう。行くわよ、ズィーベン! ナナ・ノルデン、参ります!」(V)
 ナナ・ノルデンは態勢を立てなおすと、踵を返して、追いかけてきたメイドロボたちと対峙した。
 
    ★    ★    ★
 
「いいか。こういった島にはなあ、絶対に空賊がお宝を隠してるんだよ」
「本当なのであるか?」
 ずんずんと勝手に突き進む黒髭危機一髪の後をふよふよと光る箒に乗ってついて行きながら、マナ・ウィンスレットが期待に満ちた瞳をキラキラさせた。
「こら、髭、いいかげんなことをマナ様に吹き込むな!」
 さすがに、シャーミアン・ロウが黒髭危機一髪に突っ込みを入れる。
「ええっ、宝はないのか? 秘密基地も?」
 それを聞いたマナ・ウィンスレットが、ちょっと涙目になる。
「はっ、此度は宝と秘密基地を御所望ですか? それがしにお任せください! 必ずやマナ様に素敵な宝と秘密基地を献上して御覧にいれます!」
 すぐさま掌を返したシャーミアン・ロウが、マナ・ウィンスレットに確約した。
「今、必殺のトレジャーセンスで……」
 シャーミアン・ロウが、お宝の位置を探す。
「あそこです!」
 お宝の匂いを感じとったシャーミアン・ロウが、ビシッと前方を指さした。
「えっ、私がお宝ですか? ははははは、そうでしょう、そうでしょう」
 いつの間にそこにいたのか、シャーミアン・ロウが指さした大きな岩の上に立ったクロセル・ラインツァートが、腰に手をあてながら高らかに笑い声をあげた。
「ええい、似非ヒーローは、マナ様に近づくな! 馬鹿がマナ様に移ったらどうするのだ!」
「ははははは、岸壁の母、クロセル・ラインツァート、ここに来訪!」
 あらためて、クロセル・ラインツァートが名乗りをあげる。
「悔しかったら、この高みまでおいでなさい!」
 岩の上から、クロセル・ラインツァートがシャーミアン・ロウを挑発した。
「うーん、たかだかこの程度の高さで争いごとですか……」
 困ったものだという声が、クロセル・ラインツァートの上でした。見あげると、白河淋がレビテートでクロセル・ラインツァートの頭上に浮いている。
「がーん、この俺が、高い所に上りたがることで他人に負けるだなんて……」
 クロセル・ラインツァートが、がっくりと岩の上に両手をついた。
「やーい、ばーか、ばーか」
 馬鹿と煙は高い所に上ると、シャーミアン・ロウが囃したてた。
「ちょっと待ってください、私まで一緒にしないでください」
 白河淋があわてる。
「おーい、そんな所で何やってるんだ。上から見て何か見つかったのか?」
 そこへやってきた三船敬一が、白河淋にむかって叫んだ。なんだか近くで戦闘の音のようなものが聞こえたので、白河淋がレビテートで空中から探してみると言って先行していたのだ。
「まったく、遊んでいるようにしか見えぬのだが……」
 コンスタンティヌス・ドラガセスも呆れる。
 そんな彼らにはお構いなしで、クロセル・ラインツァートはドーンと落ち込んでいた。
「この俺が、高さで負けるなんて……。この俺が……」
 言いつつ、足下の岩を両手でドンドンと叩く。思わずドラゴンアーツで叩かれた岩が、がくんとゆれた。
「あれはなんなのだ?」
 マナ・ウィンスレットが、クロセル・ラインツァートが叩いた岩を指さした。見れば、不思議なことに岩の一部が消えて、いつの間にか穴というか洞窟の入り口のような物が現れている。
「光学迷彩か何かで隠されていたのか?」
 突如現れた地下への入り口を調べながら、三船敬一が言った。
「はははは、もちろん、俺はこれを知っていて叩いていたのです!」
 復活したクロセル・ラインツァートが自慢げに言った。
「嘘ばっかり」
 シャーミアン・ロウが、そうつぶやいた。
 
    ★    ★    ★
 
「このへんは島の真ん中へんだと思うんだけど、これはなんなのかしら」
 目の前に現れた鉄塔のような物を見あげて、小鳥遊美羽は困惑したように首をかしげた。
「あっ、なんか光った気が……」
 ますます困惑する、小鳥遊美羽であった。
 
    ★    ★    ★
 
「まったく、だから奴らを上陸させるなと言っておいたのに。役にたたない海賊たちだ」
 島のあちこちの様子をいくつもの監視カメラのモニタで確認しながら、オプシディアンは毒づいた。
 すでに、学生たちは島のほぼ全域に散らばって勝手なことをしている。特に、この地下のコントロール室への入り口を発見されたのは痛かった。メイドロボの防衛線を突破した他の者たちも、そちらへと近づいている。
「警備システムを総動員するとしても、もはや時間的余裕はなくなったか。いずれにしろ、そろそろ頃合いだったということだ」
 オプシディアンは通信機のスイッチを入れると、空京にいるジェイドたちと連絡をとった。
『了解しました。誘導用のマイクロ波とレーザーをそちらへ送ります。気流を乗り換えたら、後はオートパイロットにしてこちらへむかってください。こちらも、攪乱を開始します』
 状況を説明すると、ジェイドが作戦の開始を即断した。
「やれやれ、やっとだな」
 そう感慨深く言うと、オプシディアンはエンジンのスイッチを入れた。