リアクション
卍卍卍 扶桑の都は『扶桑』桜の木の周りを取り囲み、守るかのように発展している。 市街の路地裏は狭く、まるで迷路のように入り組んでいた。 瑞穂藩の天子強奪計画は、以前都に潜入していた者の手で、葦原明倫館分校や総奉行{SNM9998935#ハイナ・ウィルソン}にも伝わっていた。 この驚くほど大胆な手口にを阻止するべく、扶桑・天子守備隊が組織され、都へと向かっていた。 「さすが扶桑の都っていうだけあって、美しい街だな」 葦原明倫館棗 絃弥(なつめ・げんや)一足早く都入りしていた。 瑞穂藩に対してどう対抗するか、町並みと扶桑への道を調べている。 「瑞穂藩士を油断させるためにも、ある程度引き入れて罠を仕掛けるのが有効だと思います」 パートナーの精霊源 義経(みなもと・よしつね)は罠を仕掛けて同士討ちを誘い込むことを考えていた。 「彼らに勝ち戦と思わせることですわ。そこを狙うんですの」 剣の花嫁アナスタシア・ボールドウィン(あなすたしあ・ぼーるどうぃん)も、罠の仕掛けに余念がない。 『扶桑』の周辺とそこのに続く道を入念に調べていた。 『扶桑』は神聖なものとされ、巨大な桜の木は都の至る所からでもその姿を拝むことはできたが、容易に近づくことは禁じられている。 桜木を守るための御門と大神殿のさらに奥にあった。 「瑞穂が天子様をお連れしようというなら、この御門を押さえなきゃならないわけね。だったら、任せてよ。瑞穂藩士は盛大にぶっ殺してあげるから」 」 葦原明倫館霧雨 透乃(きりさめ・とうの)はふつふつとした怒りを胸に、指をならしていた。 「この間は、日数谷現示さんには酷い目に遭わされましたけど、とどめを刺さないなんて甘いですわ。生かしておけば、いずれ報復されるのは分かってらっしゃるはずですのに」 透乃の恋人である剣の花嫁緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)もユニコーンの背上に乗り、待機している。 「彼は一度、死者になってみたらいいのよ。私のような英霊に。生き返るためなら何でもやる……ね」 エリザベート・バートリーの英霊月美 芽美(つきみ・めいみ)が、ふと、人が騒がしく動くのに気付いた。 何やら望遠鏡を片手に、神職たちが扶桑を見ている。 「桜の開花……? 『噴花』が始まったの?!」 そのとき、太鼓の音とともに御門への侵入を試みる瑞穂藩士が現れた。 乾いた銃声が響き渡る。 「来たわね……瑞穂。日数谷現示は後回しよ。奴の配下から片付けていくわ!」 透乃たちは瑞穂藩士に狙い定めてユニコーンで突進した。 不意を突かれた敵は、隊列を崩していく。 透乃は頃合いを見てユニコーンから飛び降りると、拳を構えた。 彼女の激しい気性そのままのように、熱波がまとわりつき、爆炎を放つ。 炎熱が幾人かの瑞穂藩士に襲いかかり、炎に巻かれながら吹き飛んでいった。 「逃がさないわよ。もっと、もっと苦しめてあげる!」 芽美は爆炎から逃げる藩士を逃さず、なぶり殺しにするように轟雷を放つ。 まばゆい光とともに、電雷が瑞穂藩士を黒焦げにしていた。 「ふふ……焼いてしまうと血が見られないのが残念だわあ」 「透乃ちゃん、芽美ちゃん! うまく避けてくださいね!」 陽子が魔法を使い、二人に加勢する。 炎は柱となり、さらにその勢いは増していった。 |
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