First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
Next Last
リアクション
8
【846プロ】は、同プロダクションに所属する生徒の中のエリスとアスカ、朱野 芹香(あけの・せりか)三人組のユニットだ。
「それじゃーみんなー、いっくよー」
演奏が始まると三人で歌をうたいながら、ダンスを披露する。
三回のソロパートがあり、エリスは、リリカルソング♪で歌声を魅せる。
アスカは激しいセクシー系のダンスで観客たちを煽る。
そして芹香は得意のアニメーションダンスで観客を驚かせる。「キングタット」「フィンガータット」で人間離れした動きを見せて観客を魅せる。まるで20世紀のダンスを主体としたスーパーアイドルのような動き。
芹香のソロパートが終わると思わず会場から拍手があふれた。
そして曲は後半に入って三人で懸命に盛り上げる。
演奏終了。
そしてスタンディングオベーション。
「はい、ありがとうございました。素晴らしいプレイでした。ありがとうございます。それでは、次はあの歌曲の王フランツ・シューベルト(ふらんつ・しゅーべると)さんです。でも、演奏されるのはお師匠様ベートーヴェンのピアノソナタ、月光だそうです。それでは、どうぞ」
ステージ上にグランドピアノが運びだされ、バックバンドの【イラストリアス】のメンバーが袖に下がる。
そしてフランツは観客に向かって一礼するとピアノの前に座り演奏を始める。
(神に感謝しよう、このよく動く指、和音を紡ぐ指をたまわったことを。僕が示したいのは熱い想い。音楽そのものが目指し、体現する調和、ハーモニーの悦楽。さあ、聴け! このハーモニーを!)
英霊が奏でるそのピアノソナタはまさにCD以上の音源で、生音を聞いた観客の中には涙をながすものまでいる。
それほどまでに歌曲の王のピアノの技は素晴らしかった。
演奏終了。
またもやスタンディングオベーション。
割れんばかりの拍手と歓声。
フランツは立ち上がって客席に向かって一礼すると、ピアノソナタ月光4楽章すべてを弾き終えた疲労を残しつつも晴れた笑顔でステージ袖に下がっていった。
「さて、それでは次はアイドルユニット【PINKY☆UMA】によるプレイです。一転して打って変わった曲調となります。皆さん、楽しんでくださいね」
「みんなー、こんにちは、霧島 春美(きりしま・はるみ)です」
「ディオネア・マスキプラ(でぃおねあ・ますきぷら)だよ」
「カリギュラ・ネベンテス(かりぎゅら・ねぺんてす)や。バイオリンを弾かせてもらう」
「月美 あゆみ(つきみ・あゆみ)だよー」
ミディア・ミル(みでぃあ・みる)だもんね!」
「5人あわせて、【PINKY☆UMA】です」
再びイラストリアスがバックバンドとして出てきて、カリギュラのバイオリン独奏から始まって春美がマジカルステージ♪で観客を魅了する。
ひとかけらの愛に全てをかけるのは
未来の光を信じているから
ディオネアが名声、幸せの歌、震える魂、激励等を込めながら踊りまわる。
一粒の種を土を耕し大事に蒔くのは
花が美しいことを知っているから
コスチュームはピンクを基調としたディアストーカー、ミニスカート、インパネスコート、天眼鏡、チェックのリボン。ピンクとUMAによるステージにはぴったりだった。
神様が本当にいるのなら
いじわるしないで未来を教えてよ
なんて私はジュースのカンを蹴る
春美とあゆみが手をつなぎながら仲よさそうに歌う。
お互いのマイクをお互いの口元に近づけて。
あなたはそれ受け止めて
間奏
ミディアとディオネアが空飛ぶ魔法↑↑で宙に浮かび、客席の上空からかごに入ったお菓子をばらまく。
子供たちが喜んでいた。
「まま、ぬいぐるみさんかわいーね」
ぬいぐるみに勘違いされたようだが。
未来が分からないのは
それは人間(きみ)の力だけでたどりつける
場所に答えがあるからだよと笑ってみせた
あゆみはアイドル風のダンスで観客をわかせる。
根拠のないおとぎ話
けど、なんか好きだよそういうの
春美も負けじとそれに続く。
いいよ、今日は無垢な子供みたいに
あなたの話にのせられてあげる
UMAペアも楽しそうに仲良く踊りながら歌ってる。
今日だけ、今だけ、
あなた好みの素直な女でいてあげる
バイオリンは静かにその旋律を奏でる。
私達はきっと未来の人間なんだ
そしてラストスパート、全員で合唱。
そして未来は輝いている☆
終了。
拍手。
「ありがとー。みんなー愛してるよ☆彡」
春美が叫ぶ。
拍手。
そして退場。
「ありがとうございました。続きましては、今回バックバンドを担当してくださいました、イラストリアスの皆様によるプレイです。その前に、バンドメンバーを紹介いたしましょう。ギター、ローザマリア・クライツァールさん」
「今日は、晴れの舞台で演奏させて貰えて、感謝しているわ。これからも、みんな宜しくっ!」
ギターを爪弾く。
拍手。
「ベース、グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダーさん」
ベースを奏でながら叫ぶ。
「妾が英国女王エリザベス?世だ!」
「キーボード、上杉 菊!」
キーボードへ軽快に指を走らせ優美且つ穏やかに一礼。
「ドラム、エリシュカ・ルツィア・ニーナ・ハシェコヴァ」
ドラムが激しく鳴り響く。
「うにゅ〜。楽しいの!」
「はい、それではイラストリアスのヴォーカルに入場していただきましょう。正木 エステルさんとベルナディア・ナンバースリーさんです」
拍手。
そして入場する二人。
「こんにちは。イラストリアスとは「高名な」という意味です。まだまだ無名ですが、いつかこの名前に相応しいバンドになれるように頑張ります」
エステルの挨拶。
「それじゃあいきます。曲名『インドミタブル』」
エリシュカがドラムをたたき始めて、ベースとギター、キーボードが伴奏を始める。
戦争やテロなどに屈せず、強く立ち向かって欲しいという曲。
事前の練習通りにローザマリア達は最高のパフォーマンスを魅せる。
「戦いはまた起こるでしょう。けれどもいつかは終わる」
「あの日々を思い出として語れる日が、きっと来るから」
そんな歌詞が含まれていた。
そして演奏が終わる。
拍手。
「ありがとうございましたー。イラストリアスの皆さんでした。それでは、次に、【マジカル・フラベリー】です」
須藤 雷華とメトゥス・テルティウスが入場する。
雷華がエレキギターとメインヴォーカル、メトゥスがベースとコーラス。その他の楽器は打ち込みである。
「それじゃ、いくよ須藤 雷華プロデュース『Gentiana』
悲しみも静かに 溶けていく夜明け
風の中わずかに 伝い行く涙
雷華は思いっきりこの音楽に乗って楽しんでいた。
記憶の奥に浮かぶ 色褪せていく景色も
誰かの笑顔あるなら まだ立てるだろう
「みんな、手拍子お願い! ハイ! ハイ! ハイ!」
雷華が叫ぶと観客が合わせる。
駆け抜ける空へ 祈りは遥か
向かい風も裂いて行く
メトゥスがベースラインを際立たせる。そしてラストスパート。
あなたのその手に 未来届ける
今も果てを見続けてる
演奏終了。
拍手。
「ありがとうございました。マジカル・フラベリーでしたー」
リリアがそう言うと二人は退場する。そして……
First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
Next Last