空京

校長室

選択の絆 第三回

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選択の絆 第三回
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新たな女王を守護せよ 2

【西シャンバラ・ロイヤルガード】である、小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)は、
かつて、高根沢 理子(たかねざわ・りこ)から託された、
斬姫刀スレイブオブフォーチュンにより、
ネフェルティティにかけられていたダークヴァルキリー化の呪いを断ち切ったことを、
思い出していた。

「まさか、こんな日が来るなんて思わなかったよね。
今の私は、ロイヤルガードとして、ネフェルティティを守るのを、
全力を尽くすから、安心して!」

美羽はネフェルティティに笑みを浮かべると、
ブライトマシンガンを構え、死霊の群れに光の弾丸を連射する。

「リコも、ジークリンデも、私も、
あの日から変わっていないことがあるわ。
大切な仲間を、この世界を守りたい気持ちよ!」

美羽のパートナーである、
コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)は、
滅技・龍気砲を放つために、
パラ実校長の一人である、
アイリス・ブルーエアリアル(あいりす・ぶるーえありある)や、周りの仲間たちに協力を呼びかける。
「滅技・龍気砲の威力を限界まで溜めて撃ちたいんだ。
アイリス、皆、力を貸して!」
「わかった。僕たちも、
ネフェルティティ女王を守るため、全力で戦おう」
アイリスも剣を振るう。

一方、酒杜 陽一(さかもり・よういち)は、
前シャンバラ女王である、吸血鬼の少女 アイシャ(きゅうけつきのしょうじょ・あいしゃ)への祈りを捧げながら戦っていた。

(ふたつの世界の為に尽してきたアイシャ様には感謝の言葉もない。
その想いを無駄にしない為にネフェルティティ様をお守りせねば。
俺が今できる恩返しはそれぐらいだ)

ボロボロになるまで祈り続けてくれていたアイシャに報いるためにも、
そして、陽一の大切な人のためにも。

(ネフェルティティ様を御守りする事は、
理子さんやセレスティアーナ様を守る事でもある)
西シャンバラ代王の高根沢 理子(たかねざわ・りこ)と、
東シャンバラ代王のセレスティアーナ・アジュア(せれすてぃあーな・あじゅあ)は、
いずれも、今はネフェルティティとパートナー関係にある。
そのことは、陽一の決意を、より一層強くした。

「うおおおおおおおおおおおおおおっ!」

ウオオオオオオオオオオオオオオッ!

ラヴェイジャーの能力を駆使し、
死霊の群れにも負けぬ雄叫びをあげて、
陽一が、ソード・オブ・リコを振るう。
巨大な光剣により、死霊の群れが薙ぎ払われていく。

「建国から続く、いや、古王国やニルヴァーナの、
時を超えた多くの人々の想い……。
けして無駄にはしない!」
【新日章会名誉メンバー】でもある、フリーレ・ヴァイスリート(ふりーれ・ばいすりーと)が、
パートナーの陽一の死角を守って戦う。

一方、
祥子・リーブラ(さちこ・りーぶら)は。
(光条世界は効率だけで世界を救おうとしている。
でも効率だけじゃ何もかもが切り捨てられてしまうかもしれない。
いずれ消えて失われるなら、切り捨てられるなら、
全てを救おうとして滅んだほうがって思うのは日本人だからかしらね?)

エルキナの言葉に反感を覚えつつ、
光術や煙幕ファンデーションで敵の目くらましを行い、
着実に味方の支援を行っていた。

(それに、私にも大切な人が帰りを待って……いけないいけない。
これって死亡フラグだわ)
祥子は、なんとしても、ネフェルティティを守り、無事に帰還するつもりでいた。

祥子のパートナーのヴェロニカ・バルトリ(べろにか・ばるとり)は、
古王国時代の騎士である。
今、再び、女王の元、戦うことを決意していた。

「ネフェルティティ様の安全は全てに優先される。
……この身に代えても必ずお守りする!」
星辰の籠手の力を借り、
魔槍スカーレットディアブロを振るう。
あえて、死霊の集団の中に、ヴェロニカは身を投じる。
ドラグーンとしての全力を尽くし、
逆鱗に触れられ暴れ狂う龍のごとく、槍を繰り出す。

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!

死霊たちは、叫びをあげ、消滅していった。

「いいか、サビク。
後ろのことはオレたちに任せろ!」
シリウス・バイナリスタ(しりうす・ばいなりすた)が、
パートナーのサビク・オルタナティヴ(さびく・おるたなてぃぶ)を激励する。

(ネフェルティティ様に仕える誇り……。
こんなに勇気が奮い立たされるなんてな。
今のオレたちなら、絶対に、女王陛下を守りぬき、
世界のことを託すことができると信じる!)

シリウスの決意とともに、
サビクは、死霊たちの前に立ちふさがった。
「わざわざ死霊を主力に来てくれるとは……ありがたいね。
ネフェルティティ陛下、ここは我々が引き受けます。
御身はどうか、大義の為に」

「いっけええええええええええええええええ!」
契約者たちに護衛された、
コハクの滅技・龍気砲が放たれる。

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!

死霊たちが吹き飛ばされていくのと同時に、
サビクが、救済の聖域を放つ。
「ネフェルティティ陛下の歩む道を穢させはしない!
ナラカの闇に沈みゆくがいい、背徳者ども!」

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

周囲の死霊たちは、一気に倒され、消滅していった。

目の前には、
もう、ネフェルティティを傷つけようとする者はいなくなっていた。
一行は、ソウルアベレイターのリーダーの元へ急ぐことにする。
「どうもありがとうございます、皆さん。
必ず、パラミタ、ニルヴァーナ、地球……私たちの大切なものを、大切な人たちを守りましょう!」

ネフェルティティの、
全力で助力してくれる契約者たちへの感謝の言葉が、力強く響いていた。