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リアクション
8.昼・野原キャンパスにて
「さて、昼か。それにしても、今日は散々な目にあったな」
キャンパスが用意した弁当を【捜索隊】に配りながら、シイナは眉を潜める。
それはさておき、と席について。
「食べながらになるが、集めた情報を基に考察することにしよう」
だが我々はただの学生だからな、と続けて。
「【百合園女学院推理研究会蒼空支部】の面々に任せようと思う。専門家に任せた方がよい時もあるからな」
という訳で、舞、ブリジット、仙姫の【百合園女学院推理研究会蒼空支部】は、食事中にもかかわらず考察を行うこととなった。
「……以上から、11個の推論を得ることになるわ!」
ブリジットは、舞が黒板に書いた文字を指示棒で指し示す。
黒板には以下の推論が、綺麗な筆跡で書かれてあった。
・娘達を集めている理由は町長ではなく、「魔術師」が「ダークヴァルキリー」の生贄とするために集めていること。
・娘達をわざわざ蝋人形化するのは、その方が鮮度を保てるためだということ。
・蝋人形化を解くためには「解呪薬」が必要であること。
・「解呪薬」は「魔術師」が持っているらしいこと。
・町長と「魔術師」は関係があり、ひょっとしたら「魔術師」に脅され利用されている可能性が高いこと。
・町長がパートナーである町長夫人を「魔術師」に人質として捕られているかもしれないこと。
・その場所は古代の「鏖殺寺院砦跡」が怪しいこと。
・「迷いの森」のトレントは、魔術師の僕であること。
・トレントとは、「木の化け物」であること。
・ルミーナと「魔術師」は知り合いらしいこと。
・ルミーナとオルフェウスの蝋人形には「秘密」があるらしいこと。
「何やら面倒臭い推論じゃがのう」
仙姫が感想を述べる。
「とにかく、やることは多くてしかも鏖殺寺院がらみらしい、ということだけはわかったぞ!」
「言われて嬉しい結論でもないわね」
美羽は頬杖をつき、その肩にコハクが手を載せて労わる。
「1つだけ、言えることはね」
とブリジット。
「『迷いの森』は魔術師の手の内にあるのでしょう? 彼は鏖殺寺院の手下なのだから、7校のことは当然良く思ってないわ! という訳で、【青ひげ町長退治】組を即効撤退させるべきだと思うけど?」
「そうだな、トレント達の動きも気になるし……」
「弱点の分からない怪物なんじゃ、なおさらのことね。シイナ、手遅れにならないうちに……てどうしたの? 朔」
ブリジットの視線の先に、青ざめた朔の顔がある。
「紗月は森側だったか……」
シイナは携帯電話を素早く操作する。
「早めに撤退させよう! 彼らの帰還を待って対策を立てることにしよう」
だが、その頃「迷いの森」では既に事件が起こっていた。
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