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 第3章 伝統パビリオンのイベント

■□■1■□■ 魔法少女【変身!】ショーにて

そのころ、やはりまだ騒ぎを知らない、平和な伝統パビリオン会場。

ルカルカ・ルー(るかるか・るー)は、
友人のイベントへと、レブサたちを案内していた。

展示【古今東西☆魔法少女の伝統と歴史】で開催される、
「魔法少女【変身!】ショー」である。

暗いステージにスポットライトが当たり、
伝統コンパニオン姿の遠野 歌菜(とおの・かな)が、現れる。
「ようこそ!
魔法少女【変身!】ショーへ!
魔法少女の華麗な変身をどうか楽しんでいって下さいね♪」
小さな子どもたちと、大きなお友達から、歓声が上がる。

「【変身!】」

歌菜が、持っているマイクを空中に放り投げると、
光の粒子と白い羽が、その体を包み込む。
バックには、月崎 羽純(つきざき・はすみ)の流す音楽が流れている。
光精の指輪で、羽純が、光の演出をプラスする。

そして、歌菜が足元でステップを踏むと、
つま先から頭まで、衣装が魔法少女のものになった。

光と笑顔を会場中にふりまきながら、
回転して落ちてきたマイクをキャッチし、
ウィンクとともに決めポーズする。
「魔法少女アイドル マジカル☆カナ、見参!」

「歌ちゃん、すてき! 可愛い文化だと思いませんか?」
「おお、興味深いのう」
ルカルカが拍手し、
シャンバラの独自の魔法文化を見て、レブサが目を丸くする。

そうしていると。
「パンツ・オア・ダーイ!」
「きゃああああああああああああああああ」
国頭 武尊(くにがみ・たける)が、叫びながらイナンナを連れて通り過ぎていこうとした。

「ん? あれは、魔法少女のパンツ!
魔法少女はパンツはいてなくても恥ずかしくないんだよな?
ならば奪おう!
パンツ・オア・ダーイ!」
「な!?
魔法少女へのおさわりは禁止です!
それに、魔法少女にもさまざまな流派があり、
パンツに対しての考え方も異なるんですよ!
って、良い子の大勢いる会場で、パンツパンツって連呼して!
教育的によろしくありません!」
「歌菜も連呼してるぞ……」
羽純のツッコミを内線越しに聞いた歌菜は、
真っ赤になった。
「よ、よくもこんな恥ずかしいことを!
もう許しません!
軽〜くお仕置きしちゃいますよ!
さーちあんどですとろい!!」
「うぎゃああああああああああああああああ!?」
ピンク色の煙の、大爆発が巻き起こる。
貞操の危機から身を守るため、半分逆ギレしつつ、武尊を魔法でぶっ飛ばす歌菜だったが。

「あれ?」
次の瞬間、衣装の一部がなくなってることに気づく。
(ど、どうしよう!)
(歌菜、俺が光の演出でスカートの中が見えないようにする!
ショーに集中するんだ)
(う、うん!
今日来てるお客様たちは、今日しか私のショーが見られないんだものね。
プロの魔法少女アイドルとして!
どんな状況でも、ショーを成功させるよ!)
歌菜と羽純が、目と目で会話する。

こうして、あくまで「アトラクションの一部」として、
ハプニングを扱い、
歌菜たちはショーを進める。

しかし。

「そういえば、今、イナンナ様に似た方がいて、一緒にぶっ飛ばされていったような。
……気のせいよね」
そうつぶやき、ショーを続行する歌菜であった。