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オオカミさんにご用心

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オオカミさんにご用心
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リアクション

「良いお湯でしたね、シェイド。ふぅ……風が気持ちいいです……」
 温泉から上がり、部屋に入った神楽坂 紫翠(かぐらざか・しすい)はすぐに障子を開けた。
 冷たい空気が火照った体に当たる。
「おい、せっかくあったまったのに、そんな事してると風邪引くぞ」
 シェイド・ヴェルダ(しぇいど・るだ)は立って外を眺めている紫翠の腕を引いた。
「わっ」
 後ろから突然腕を引かれたので、バランスを崩す紫翠。
 そのまま後ろで胡坐をかいていたシェイドの足の間に座る形になってしまう。
「シェイド……もしかして酔ってます?」
 腰に腕を回され、ぎゅっと後ろから抱きしめられている紫翠はシェイドの方へと顔だけ動かす。
(か、顔が近いです……ね)
 紫翠はにやりと笑うシェイドの顔を見て顔を背けようとした。
 しかし、それをシェイドは許さず、左手を紫翠の顎に当て、逃がさないようにすると紫翠の唇に自分の唇を押し当てた。
 紫翠の口の中にさっきまで温泉でシェイドが飲んでいた白ワインの味がほのかに広がる。
 シェイドは唇を離すと、ゆっくりと畳の上に紫翠を押し倒した。
 シェイドは浴衣がはだけてあらわになった胸を見て、太ももまで視線をやってから、紫翠の顔を見る。
「ふ、覚悟しろよ? 本領発揮させてもらうぜ」
 息がかかるくらいまで耳に顔を近づけそう囁くと紫翠の胸に手を入れる。
「あの……その……」
 耳まで真っ赤になってしまった紫翠。
 シェイドは紫翠の耳たぶを甘噛みする。
「んぁ……」
「くく……ここが弱かったよな」
「あまり……しないで……ください……」
 もう息が上がっている紫翠にシェイドはいじわるそうに笑うと、耳たぶを舌先で舐めた。
「く……」
 そのあと、紫翠の顔を見ながら反応を楽しむようにシェイドは胸に入れた手を動かす。
 手のひらで胸全体をやさしくなで、紫翠が少し落ち着いてきたのを見ると、人差し指で体の真ん中――鎖骨から下腹部のあたりまでをなぞる。
「や、やめ……」
「やめてほしいのか? 本当に……?」
 シェイドはさっきとは反対側の耳に囁く。
 すると、紫翠は恥ずかしそうにうつむいてしまった。
「くく……」
 シェイドは楽しそうな声を漏らすと、顔を耳から首筋へと移動させ、そのまま首筋に吸血鬼の牙を立てた。
 限界ぎりぎりまで吸血すると、紫翠は気絶してしまう。
「まったく……寝顔は可愛いし普段も無防備すぎるんだ」
 シェイドは困ったように笑うと、さきほど吸血した場所とは反対の首筋にキスマークを付ける。
 愛おしそうに紫翠の頭を撫でるシェイド。
 次の日、限界まで吸血したため昨夜の記憶がほとんど残っておらず、さらにキスマークにも気づかない紫翠を見て、ため息をつくシェイドの姿があった。