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いけないご主人様・お嬢様をねじ伏せろ!

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おまけ 知られちゃいけない秘密喫茶

 ところで。

「フハハハ! よく来たな! 我こそは秘密喫茶オリュンポスの主、マスター・ハデス……」
「兄さん! そんなことやってないで厨房に戻ってください!!」

 あの閑古鳥が鳴いていた状況から約一週間後。
「秘密喫茶オリュンポス」は、文字通り目の回るような忙しさになっていた。

「あ、ご注文はお決まりですか? はい、『秘密結社風オムライス』に『世界征服コーヒー』ですね。こちらは、『改造人間パスタ・怪人バッタ男風味』と『戦闘員パフェ』ですね。かしこまりました」

 ……料理のネーミングだけ聞いていると一体何が出てくるのかと思うのだが、実は意外なことにハデスの料理の腕は確かであり、価格も結構良心的なので、独特のお店の雰囲気ともあいまって、妙な人気が出てしまったのである。

 では、なぜこの店の場所、というか存在自体が人に知られるようになったのか?

 最初の一人は、本当に偶然であった。
 近くの別の店に用があった客が、うっかり場所を間違って入り込み。
「我がテリトリーに足を踏み入れたからには、タダで帰れると思うなよ!」
 ……ということで、「飲食代的な意味で」タダでは済まなかったのだが、これを面白がった彼がこの「秘密喫茶」のレポートをブログにアップしてしまったのである。

 あとは、口コミで噂が広まるまでそんなに時間はかからなかった。
 やがて勇敢な客が一組、二組と来店し、彼らがさらにレポートをアップすることで噂の信憑性が増し……と、完全にいい流れに乗っていたのである。

「あ、お久しぶり。繁盛してるね」
「いらっしゃいませっ。どこかでお会いしましたか〜?」
「ええと、この頭部に見覚えは……」
「はわわっ、る、ルレーブさんっ!?」

 ……とか、こんなハプニング的な来客があったりもしたが、それはそれ。

「マスター、追加オーダー入りましたー!」
「何!? わかった、大至急調理する!!」

 想像を超えた忙しさに大わらわになりつつも、ハデスは確かな手応えを感じていたのだった。





 ……が、このわずか数日後、「秘密喫茶オリュンポス」は閉店を余儀なくされた。
「秘密喫茶」というコンセプトにこだわり過ぎ、必要な届出すら出さずに秘密で、というか無許可で営業していたことがバレてしまったからである。
 客が増えすぎて店の外に謎の行列ができたり、観光案内所で秘密喫茶の場所を聞くトンマが出てきたりしなければ、当局の知るところにはならなかったはずなのだが……全く、人間万事塞翁が馬とはよく言ったものである。

 とはいえ。
 こうしてお店自体が速攻で消滅したことが、この「秘密喫茶」の謎のカリスマ性をさらに高める結果となり、後々まで「ネオ秋葉原の最初の伝説」として語り継がれることになったのは……はたしてよかったんだろうか?

担当マスターより

▼担当マスター

三刀屋一馬

▼マスターコメント

 三刀屋一馬と申します。
 この度は私のシナリオにご参加くださいまして、誠にありがとうございました。

 さて、今回もテッポウウオを通り越してマーライオンになってしまいそうなアクションの数々、私もとても楽しませていただきました。
 オープニングの時にお約束していた通り、店員さんとして働いてくださったPCさんのほとんどには「それっぽい」称号が配布されていることと思いますが、ここでは各店舗のナンバーワンについてのみ発表させていただきます。

・メイド喫茶
 ナンバーワンメイドは「小鳥遊 美羽」様とさせていただきました。
 はっきりナンバーワンを目指す、という方が少なかったこともありますが、「どんなに困ったお客様にも最後には楽しんでもらいたい」というそのメイド魂が最大の理由となりました。

・執事喫茶
 ナンバーワン執事は「本郷 翔」様とさせていただきました。
 お嬢様にご満足いただこう、という趣旨のアクションは非常に多かったのですが、それを最優先としつつも「お店なんだからオーダーも取らないと」という部分まで踏み込んでいたことが最大の理由です。

・イコン喫茶
 最初に結論から申し上げますと、イコン喫茶に関してはナンバーワン称号は発行されておりません。
 ……と言いますのも、リアクションをお読みいただければわかる通り、もう比較のしようがないからです。
 その代わりといたしまして、ナンバーワンではないオンリーワン称号を多めに発行させていただきました。