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Let’s鍋パーティ!

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Let’s鍋パーティ!

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開催、(闇)鍋パーティー

 周りが森に囲まれた開けた場所で、一列に並んでいる参加者たち。
 列の先頭では葦原 房姫(あしはらの・ふさひめ)が箱に穴をあけた手作り感満載の箱を持っている。

「ふっふっふ。鍋奉行として君臨する者は、引きも強いのですよ!」

 威勢よくクジを引くクロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)
 手にしたクジ紙を房姫の隣にいるティファニー・ジーン(てぃふぁにー・じーん)真田 佐保(さなだ・さほ)に渡すと、麻袋を渡される。
 順々にクジを引いてはティファニーと佐保から麻袋を貰っていく参加者たち。

 参加者全員に麻袋が回ると、拡声器を手にしたティファニーがすぅっと息を吸い込んだ。

「みんな、準備はいいカナ!? それじゃ、Ready Go!!」

 それぞれ森へ入っていく参加者たち。
 ティファニーもそれに続いて森へ入ろうとしたが、佐保に止められる。

「どうしてヨ?」
「今回はみなさんの料理から、新しい料理を考えてみてはいかがでござりましょう」
「……そうネ。たまには他の人の料理を見て、インスピレーションを高めるのも手カモ」

 あからさまにほっとする佐保。
 ティファニーと房姫を連れて設置した簡易式の観客席に座った。
 三人の前には複数のモニターに参加者たちが映っている。
 お茶をそれぞれの前に佐保が置き、一息ついていると房姫が声を発した。

「あの……鍋パーティというのは、奪った食材を全て使って料理をする事なのですか?」
「そうヨ! 食べるまでどんな味がするのか分からない、ドキドキわくわくの、」
「なにをおっしゃいます! 嘘を房姫様に教えないで下さいませ!」

 房姫に力説するティファニーの話を遮り、正しい鍋の作り方を佐保が教えた。

「ティファニーの作るお鍋は闇鍋、というものなのですね」
「そうでござるよ」
「闇鍋じゃなくテ、オリジナル鍋ヨ!」

 ティファニーと佐保の口論に房姫はオロオロしていると、鬼龍 白羽(きりゅう・しらは)がやってくる。

「ねぇ、聞きたい事があるんだけど」

 白羽の登場に口論が収まった。

「どうしましたか?」
「大きな鍋とか借りる事は出来るかしら? あ、もちろんタダで借りる事はしないわ。貸してくれたら、こっちでキミたちの分の鍋も作るから」
「そんなこと気にしなくても良いネ。あそこにある段ボールから好きなのを選んでくれて構わないヨ」
「ありがとう。美味しいお鍋、作るから期待しててね」

 ティファニーたちにお礼を言って白羽は、段ボールの中から大きめの鍋やその他もろもろの道具を借りた。鍋を持って出ていく白羽。
 少し離れた所から、振り返って声をかけてくる。

「もう一個! 場所取りとかしてても大丈夫?」
「大丈夫! この場所でならどこでも好きな所を選んでイイヨ」
「火の下には十分気を付けるのでござるよ」
「わかったわ。ありがと!」

 今度こそ離れていく白羽。ティファニーたちから少し離れた場所で下準備を始めていく。