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渚の女王、雪女郎ちゃん

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渚の女王、雪女郎ちゃん
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 乾杯!

 店長他スタッフも勢ぞろいで、グラスを鳴らし、今年の海の家の大盛況を祝った。
 今年の売り上げがあまりにも多かったのでバイト代も少し弾んでくれるという話もでていたようだ。

「む、これはレグルスが作ったのか?」

 日中、散々作ったやきそばに綺雲が反応を示した。

「あ、それは俺が作ったやつだよ」
「ふむ。……私が作るのと味が少し違うな」

 ぱくりと一口食べて綺雲が口を開く。

「あはは、まだまだ料理は綺雲のレベルには届かないから精進しないと」
「いや、そうじゃなくて、美味いぞ。私が作るものとまた違ってとてもいい。本当に少しの違いだが何だかとても深い味わいを感じる。しっかり勉強したらいい料理家になれるかもしれないな」

 一日中厨房で料理の話ばかりしていたから何だか仲良くなれたような気がする。
 今まではずっと顔つきのせいで怖がられてばかりだったが普通に接してくれる綺雲たちと一緒に仕事が出来てレグルスはとても嬉しかった。


「母様、今、足ひっかけて……!」

 またもやメアリアの足に引っかかってすっ転び、持っていたジュースを砂浜へと飲ませたユーリ。

「そんなことないですぅ! ユーリちゃんがちょっぴりおっちょこちょいなだけですよぅ。あ、ユーリちゃんのパンチラ写真ゲットですぅ」

 ピピッという音とともにフラッシュがユーリを照らし出す。

「何してるんだよ母様!」

 ほほほと笑いながら楽しそうに逃げ回るメアリアを追っては、時折砂に足を取られてダイブしていた。


「いやぁしかしいい仕事したよな」

 エヴァルトが試合を思い出しながらうんうんと感慨深そうに頷く。

「自分もすぐ側で見てましたが、おじさん感動しちゃったなぁ」
「傍観側の俺にはとても出来ないことだ」

 今日の、いや浜辺を救ったヒーローの二人に刀村と和輝が賛同する。

「俺一人じゃどうしようもなかった。皆のおかげだよ」

 いろいろな気持ちをない交ぜにして、男四人で再びグラスを鳴らしあうのだった。