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トコナッツ島水着コンテスト【4】
『エントリーNo.1、最初の参加者は空大の誇る筋肉医学生、ラルク・アントゥルース!!』
ようやく会場も落ち着き、コンテストがスタート。司会のリナ(完全にジャックした)が高らかに呼び上げると、ステージの奥から、ラルク・アントゥルース(らるく・あんとぅるーす)が登場した。
ボディビルダーのような太く大きい筋肉ではなく、実戦で仕上げた密度のある強靭な筋肉を見せ付け、水着は赤の際どいハイレグ。自慢の身体を見せ付けるためだけに、シンプルに布面積を極度に絞った着こなしである。
(イケメンに対抗するにゃ、俺には筋肉しかねぇ……だから、それを最高の状態で魅せる!)
「うし! じゃあとりあえず演舞するぜ!」
一撃、一撃、型に気を付けながら、演舞を披露してみせる。躍動する筋肉、日差しに浮かぶその陰影は芸術的だ。
「フンフンッ! ハッ! ハッ! スゥ〜〜〜……ハァッ!!」
正拳突き二連からの、胴回し蹴り二連、そして空中に飛び上がり旋風脚。華麗に着地を決める。
「どうだ!!」
見事な演舞である。が、しかし、リナや審査員たちの目線は演舞よりも、彼の股間に行っていた。
ピチッとした水着だからこそわかる……その、アレの巨大さ。半紙ぐらいの大きさはある。
『す、凄い……。まさに“渚の○ンコバット”だわ……」
リナはじゅるりと舌舐めずり。道満もギラギラした目付きでラルクの○ンコバットを見つめる。
「すんごい○ンコ……100点」
「ちょっと待て、道満。それ水着の評価じゃないだろ。○ンコの評価だろ」
「だってシャウちゃん、凄くないあれ? あんなの初めて見たわ。大蛇よ、大蛇。きゃあー」
「水着! これ、水着のコンテスト!」
シャウラは机をバシバシ叩いた。
「落ち着きたまえ、シャウラ君」
「ドクターからもなんとか言って……」
ふと、ドクターがシャウラの手に自分の手を重ねている事に気付いた。
「……ドクター?」
「服とはそれ単体で成り立つものではない。それを着る者があって完成されるものだ。肉体的に優れた部分があり、それを引き立たせるための着こなし、そう言うのも決して間違いではないと思うんだ。医学的に考えて」
「あの、この手は一体……」
「とは言え、ラルク君のような暑苦しい身体はあまり好きじゃなくてね。どちらかと言えば、色白できめ細やかな肌のほうが好きなんだ。ちょうどシャウラ君、君のような感じがいい。少し日に焼けて赤味を帯びているのもそそる……」
「き、気持ちワルッ!」
『なによ、この審査員! ゲイばっかじゃないの!』
自分に矢印の向かない男など、リナにとっては何の価値もない。
『……まぁいいわ。とりあえず道満からの評価は激高みたいね。確かにあの○ンコは国宝ものだわねー』
「………………」
舞台袖から、ユーシスは怪訝な顔で審査員席を見ていた。
気になるのはドクター梅の不審な行動だ。まさかと思い、先ほど出したカレーパンの残りを調べる。
カレーにはおいしいキノコを使ったが、一種別のキノコが紛れ込んでいる事に気が付いた。それはハート型のピンクのキノコ、『どぎ☆マギノコ』だった。食べて初めに見た者にときめいてしまうと言う非常に厄介な一品である。
ドクター梅の様子から見るに、彼が食べ、そして最初に誰を見たのかは見当がつく。
「……ま、誰にでも間違いはありますし」
誰にも気付かれないよう残ったどぎ☆マギノコを砂に埋め、ユーシスは証拠隠滅を図るのだった。
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