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―アリスインゲート2―Re:

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―アリスインゲート2―Re:

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 ある【装輪装甲通信車】の荷台。通信機材を沢山詰め込んだ中に 源 鉄心(みなもと・てっしん)たちが入ってきた。
「どうだった?」
 荷台で待っていた佐野 和輝(さの・かずき)が尋ねる。
「αネットで伝えたとおりだ。こいつとさして変わらない子どもが戦略兵器だったってことだろう」
 鉄心はイコナ・ユア・クックブック(いこな・ゆあくっくぶっく)の頭に手を置く。イコナは子供扱いされたと顔をしかめた。
「レディに対して無礼ですわ! あんなおこちゃまと一緒にするなです!」
 差して変わらない見た目であるのだが。
 《サイコメトリー》で見たイメージは先にあらかた伝えておいた。ここで直接伝える事はもうない。スティレットが子どもだったということは共有されている。
「詳しい事は燕馬が開発局に聞きに行っているから、その情報次第でどう対処するかわかるだろう。それよりもいまだ戦略兵器の所在は掴めないのか?」
「商業都市で爆弾騒ぎがあったらしい。それと今回の事件が関連しているかはわからない。が、俺らの関係者が起こしたことじゃなければいいんだが……」
 和輝の危惧することは遅く、それは今述べたこと両方にはまっていた。
「ところで、アリサさんは?」
 ティー・ティー(てぃー・てぃー)が尋ねる。話ではこの車内で賢狼に抱きついてもふもふしていたと聞くが見当たらない。
「アリサならカーリーに呼ばれてジュノンに行ったよ」
 アニス・パラス(あにす・ぱらす)が賢狼の背中の上から答える。今はこのもふもふ感を独り占め。
 と、そこに空間を割ってアリサが帰ってきた。そして開口一番、
「あれ? 和輝さんナンデ女装しているのですか?」
 魔鎧化したスノー・クライム(すのー・くらいむ)を着ているため性転換した見た目になったのだが。その質問には無言で受け流すことにする和輝だった。
「これくらいのこと慣れたでしょう?」
 と服たるスノーが言う。
 和輝は「慣れたくはなかった」と心のなかで返すしかなかった。
「それで総統とは何があった?」
 聞くことはまずそのことだ。
「総統さんに作戦が失敗したら首を刎ねてやるって脅されました」
 アリサは冗談めかして言うのだった。
 アリサ本人は別段脅し関しては気にしていないが、他の契約者たちにとってアリサを失うことはこの世界からの帰還方法を失うことなので、困惑と焦燥を顕にしてことのあらましを聞くことになった。そして知ることに成る。

 すでに作戦の失敗が伝わっていた。

 その事がカーリーの短い癇に障ったのだろうと想われる。
 しかし、あまりにも情報が行くのが速すぎた。ジュノンの作戦組も佐野もカーリーには失敗の報告を上げていない。目下作戦中で通っているはずだった。だが、現段階での失敗が伝わっていなければ、「作戦の変更」と「アリサへの脅し」はなかっただろう。
 もしかしたら監視役がいるのかもしれないが、今のところそのような者がいた気配を感じたものはいない。同じようにレイラを追っていた工作員たちのことを思い浮かべるが、現状彼らとも協力関係にあって情報を交換しあっている。協力関係にある以上、彼らがレポートしたとは考えられなかった。
「どうするんです? このままじゃ私たちも首チョパですか?」
 ティーが恐れる。
 以前読んだ歴史のテキストデータからカーリーが軍事蹶起で国の主権を簒奪した血の気のおい人物だと記憶していた。名前から想像する性格も「血と殺戮を好む戦いの女神」が思い出されるばかりだ。刎ねた首を掲げて死体の腹の上で踊りそうと勝手に想像する。
 しかしながら、脅された本人はと言うと。
「あ……ノーンちゃんたちはパーティーか……」
 αネットで呼びかけられているパラミタ拠点竣工パーティーのお誘いに思いを馳せていた。
 思えばこいつは実態だけでなく、思考もなにかと迷子している気もしなくもない。
「呑気でござるな……」
 アリサとパーティーの両方に対してスープ・ストーン(すーぷ・すとーん)が呟く。
「パーティーか……」
 丁度、“ゲスト”をそこへ運ぶように指示したことを思い出し、和輝は言った。
「ちょうどいい。アリサ、そのパーティーに呼ばれてこい。序にアニスも連れてな」