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リアクション
九階・天殉血剣の間
冷たい棺のなか。横たわる天殉血剣が、両手を胸の前で交差させ、その双眸(そうぼう)を深く閉じていた。
「連れ出してやるよ、天殉血剣――。お前達がそのままで居られる場所に」
紫月 唯斗(しづき・ゆいと)がゆっくりと歩み寄る。
「説得……というよりも、自由になってほしいのです」
ハルミア・グラフトン(はるみあ・ぐらふとん)もまた、天殉血剣の元へ向かった。
互いにメイドとして生きてきたふたりだが、その心の内は大きく異なっていた。天殉血剣には初めから“零によって支配される”という生き方しかない。
これまで天殉血剣に新しい可能性を提示しつづけたハルミア。彼女にとって、ここまできてやるべきことは唯一つだった。
「……やりたいことをやってもいいんだって、気付いて欲しい」
そして、九階まで足を踏み入れた他の契約者たちにとっても、ここまできたらやるべきことは一つである。
八紘零を倒して、赫空の儀式を食い止める。
天殉血剣を唯斗とハルミアに託した契約者たちは、最上階へと向かった。
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