リアクション
10.さようなら、また会う日まで
「お姉ちゃーん!」
「玲亜!」
探し続けていた玲亜が走ってくるのを見て、詩亜は思わず駆け寄って抱きしめる。
「無事だったのね、良かった! 何か怖い目にあってるんじゃないかって心配だったのよ!」
「ううん、全然! 楽しかったよ。それに、こんな美味しいモノも……」
玲亜は闇鍋で食べていた餅チーズの残りの入ったお椀を差し出そうとして。
「……え、えっ!?」
明かりの元、その中身をはっきりと見て絶句する。
結和特製の餅チーズ鍋は、味は良いが見た目はその形状といい蛍光色といい、とても食べ物とはいえないシロモノで……
「ひっ、こ、これを、食べてたの……?」
「玲亜、どうしたの、玲亜!?」
「ひぃいいい……っ、闇鍋、怖い……」
それは玲亜にとってトラウマとなるのに十分な外見だった。
玲亜だけではなく、闇鍋に関わった人々も次々と洞窟から出てきた。
ある者は満足そうに、ある者は漸く体を引きずって。
通常の鍋をやっていた者は片付けを始め、川遊びをしていた者は水から上がる。
間もなく、鍋会の終わりが近づいていた。
「あ、そうだ!」
ルカルカがデジカメを取り出すと提案した。
「折角だから、皆で記念写真撮らない?」
「あ、わたしも……よろしければ、皆さんと写真を撮りたいと思っていたんです」
タヱ子もフィルムカメラを構える。
「ナイスアイディアね!」
「皆で写真、撮りましょう!」
サニーとミリアムも乗り気になって、それぞれ鍋会参加者を集める。
「シャッターは……クラウドとレイン、お願い」
「「何でだよ!」」
「だって同じ顔してるから片方が写ればいいかなって……」
「タイマー、タイマーしてあげるから!」
「そうなの? それじゃあ、いくわよー!」
「……3、2、1、はいチーズ!」
「えっ、早……」
パシャリ。
たくさんの笑顔が、楽しい時間が切り取られた。
またね。
また、いつか会おうねという約束と共に。
【蒼空・三千合同】鍋会にいらっしゃい! を担当させていただきました、こみか、と申します。
大変ご無沙汰しておりまして、申し訳ありません。
気が付けば結婚されている方までいて、すっかり浦島太郎状態に……
蒼空のフロンティア周年企画ということで、『三千界のアバター』とコラボしたシナリオをお送りさせていただきました。
こちらのリアクションは、一部、三千界のアバターのリアクションと同様の内容のものとなっております。
いつものイベントに、異世界の方々も遊びに来ていただきました。
といっても、やっているのは季節外れの鍋会と闇鍋なのですが……
皆様の素敵鍋、そして素敵闇鍋堪能させていただきました。
毎回、本当に美味しそうな料理でリアクションを執筆しつつ、食べたいなーと苦悶しています。
そして闇鍋も…… やはり、蒼空のフロンティアの方々は三千界から来た方々よりもこういったことは慣れているんだなぁと感じる食材チョイス、事後の用意だったと思いました。
闇鍋は、くじを作ってそれぞれの方に当たったものを食べていただいたのですが、その引きがそれぞれ神が勝っていたと思います。全部ランダムなのに驚異の結果になりました。
間もなく蒼空のフロンティアはラストスパート。
こみかの方も、なんとかあと2つ、1つはシナリオをご用意させていただきたいと考えております。
あと少し、お付き合いよろしくお願いします!
それから個人的な告知ですが……
以前にもご連絡しました、私が執筆した、電子書籍で出版中のボーイズラブ小説『ゼロコンマ』。
こちらの続編が、発売予定となっております。
『ゼロコンマ弐』(仮)。
電子書店パピレスで7月31日、電子貸本Renta!で8月5日に配信予定ですので、是非ともよろしくお願いします!
若干エロ多め、切な目多めの、和風ファンタジーボーイズラブです。
それでは……素敵な夏の日を堪能していただけたら、幸いです。