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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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『まさか現行機にここまでやられるとは思いませんでしたよ。おかげで“フリューゲル”への変型パターンを修理しなければなりません』
 とはいえ、言葉とは裏腹にスミスに焦りは感じられない。
 また次々に銀色の量産機――今度は“シュベールト”タイプを生み出しながら迅竜に相対する。
 
 その前に立ちはだかったのは、断竜と漆黒の“シュベールト”だ。
『いくぞ、賢志郎』
『ええ』
 
 大挙して押し寄せる銀色の“シュベールト”の大軍勢。
 それらを二機はバッタバッタと斬り倒していく。
 
 圧倒的な強さ。
 だが、それでも敵の数が多過ぎる。
 
『賢志郎、そろそろだな』
『ええ。相変わらず無茶をする人だ。だが、それがいい』
 
 何やら解り合っている二人の横で、サブパイロット達も言葉を交わしている。
『沙耶、聞こえておるか? しようのない男二人、妾達で支えてやらねばな。そして共に明日を往こうではないか』
『ええ。お供すると決めましたから。賢志郎さんに、そして、皆様に』
 
 愛刀のモードを零式にし、大上段に構える断竜。
 その隣で漆黒の“シュベールト”は魂剛から受け取った神斬刀・天羽々斬を構える。
 
 断竜の手にした刃。
 その先端から膨大なエネルギー刃が遥か彼方の空高くへと伸びていく。
「は、スミスの野郎。トンデモねぇモン隠してやがったな。が、弱肉強食ね。その理論、否定はしねぇよ。が、気に入らねぇ! そのやり方が! 思想が! 性根が! だから拒絶する! 俺は俺のエゴを持ってお前のエゴを叩き斬る!」
 そして断竜は天を衝くほどの刃を構える。
「賢志郎! 皆! あの馬鹿を止めて、俺達の望むより良き明日を掴もうじゃねぇか!」
 その隣では漆黒の“シュベールト”も長大な刃を振り上げる。
「ええ。いきますよ、紫月唯斗!」
「応ッ!」
「断竜――」
「シュバルツ・グリューヴルムヒェン“シュベールト・マイスターシュタック”――」
 そして二機は渾身の一太刀を振り抜いた。
「「――全霊一閃!」」
 
 長大な刃は数多くの敵を断ち切りながら、グリューヴルムヒェンをも斬る。
 エネルギーを出し切り、その場で動かなくなった二機の遥か先で、グリューヴルムヒェンもまた、深手により変型パターンの一つを喪失していた。