校長室
【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために
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『はは、ははは、ははははははははは!』 スミスは突如として笑い声を上げる。 『素晴らしい! 実に素晴らしいですよ! そうだ! それでこそ私が『作られた弱肉強食』の相手に選んだだけのことはあります!』 拍手する音までもが無線から聞こえてくる。 『ですが、勝負は私の勝ちのようです』 スミスの言葉に続き、“ユーバツィア”をパージするグリューヴルムヒェン。 脱ぎ捨てた外装の下は、無傷だ。 『見ての通り、私の機体は健在。一方、貴方がたにとって虎の子だった竜も蛍も、既にエネルギーを使い果たし動けない。さあ、これにて決着と――』 『まだだ! まだ、終わっちゃあいねぇ!』 スミスの言葉を遮り、声高に宣言したのはシリウスだ。 『迅竜機甲師団の強さは竜や蛍だけじゃねえ! 俺が……俺達がいる! ドラコ1より各機へ! 全員であの野郎をブッ倒すぞ!』 シリウスのノイエ13を先頭に、迅竜のイコン部隊が一斉に出撃する。 清泉 北都(いずみ・ほくと)、クナイ・アヤシ(くない・あやし)が乗るルデュテ。 鬼龍 貴仁(きりゅう・たかひと)、アレックス・マッケンジー(あれっくす・まっけんじー)のシュヴェルツェ シュヴェルト。 神条 和麻(しんじょう・かずま)、エリス・スカーレット(えりす・すかーれっと)が駆るアマテラス。 ネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)のミニュイ・プリマヴェール。 更にはジヴァ・アカーシ(じう゛ぁ・あかーし)もフィーニクス・NX/Fで戦場へと打って出る。 いずれも迅竜機甲師団の誇る歴戦のイコンだ。 『私達も参加させてくださいませ』 迅竜機甲師団を助けに現れたのは中願寺 綾瀬(ちゅうがんじ・あやせ)と彼女が纏う漆黒の ドレス(しっこくの・どれす)、そしてパートナーの魔王 ベリアル(まおう・べりある)が駆るイコンだ。 機体性能は歴然。 しかしながら、四機は次々に銀色のグリューヴルムヒェンを撃墜していく。 『なん……だと……!』 驚きを隠せないスミス。 そんな彼にシリウスが叩きつけるように言う。 『オレたちだってやられっぱなしじゃねえ! やられたらやられた分、ちゃんと進化するんだよ!』 パイロットである彼等の成長はもちろん、サポートにまわってくれた高崎 朋美(たかさき・ともみ)、ウルスラーディ・シマック(うるすらーでぃ・しまっく)の二人や、玖純 飛都(くすみ・ひさと)と矢代 月視(やしろ・つくみ)の二人といったようなクルーの尽力があったことも大きい。