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【裂空の弾丸】Dawn of Departure

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【裂空の弾丸】Dawn of Departure

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終章 浮遊島

 飛行生物たちの群れを振り切り、飛空艇はついに浮遊島へと近づいた。
 雲を突き抜け、見えてきたのは――空に浮かぶ未知の島だ。ベルネッサたちは一様に喜んだ。
「やったああぁぁ! ついに浮遊島にたどり着いたわよぉ!」
 だがそのときだった。突然、謎の衝撃で飛空艇がどぉんと揺さぶられた。
「な、なに!? 今度はなに!」
 いったい何度ハプニングが起きれば気が済むのか。
 急いで立ちあがったベルネッサは窓の外に視線を移した。そこで見たのは、驚くべきものだった。
「あれは……!」
 それは飛空艇に積んであった脱出用の小型飛空艇だった。
 だけど、それが問題なんじゃない。乗っているのは、ホーティ盗賊団の三人組。それに契約者の三道 六黒(みどう・むくろ)だったのだ。
 しかもブリッジの許可を待たずに無理やり発進したものだから、ハッチが力任せの爆破でこじ開けられている。さっきの衝撃は、そのときのものだった。
「あれは三道六黒……! あいつが脱出の手引きをしたのね!」
 祥子がベルネッサと一緒に窓の外を見ながら言った。
「やっぱり、盗賊団なんか信用するもんじゃなかった!」
 ベルネッサがなげくように言う。
 するとホーティが小型飛空艇の翼に足をかけて、にやりと笑いながらあるものをベルネッサに見せつけてきた。
「こいつはいただいていくよー!」
「あああああぁぁぁ! あたしの機晶石!」
 それは飛空艇の動力炉にあったはずの、ベルネッサの青い機晶石だった。
「泥棒おおぉぉ!」
 ベルネッサは窓に顔をへばりつかせてさけぶが、ホーティはむしろその声が心地よさそうだった。
「あはははは! あたしらは盗賊だよ! 何だと思ってたんだい! その言葉は、褒め言葉として受け取っておくよ!」
 そう言って、ホーティたちの小型飛空艇は遠ざかっていった。
 ベルネッサは祥子に止められながらも、「くそぉっ! 返せぇ! あたしの機晶石!」と暴れている。と、そこでセレンフィリティがなにか重要なことに気づいたよう言った。
「あの、ちょっと待って……。機晶石ってこの船の動力源よね。それがなくなったってことは……」
「……あ゛」
 ベルネッサと祥子が同時に情けない声を漏らす。
 通信士の舞花が諦めたような声で言った。
「艦内全エネルギーがぐんぐん減少。えーと…………落下します」
「うそおおおぉぉぉぉ!」
 飛空艇は重力に引っぱられるまま、浮遊島のほうへと落ちていった。

担当マスターより

▼担当マスター

夜光ヤナギ

▼マスターコメント

 シナリオにご参加くださった皆さま、お疲れ様でした。夜光ヤナギです。
 新たなマスターシナリオシリーズ『【裂空の弾丸】Dawn of Departure』はいかがだったでしょうか?

 これはまだ、【裂空の弾丸】シリーズの序章に過ぎません。
 ようやく浮遊島にたどり着いたベルネッサたち。しかし、飛空艇の青い機晶石を奪われて、前途多難です。
 これから、浮遊島を探索したり、飛空艇をどうにか動かすようにしたりと、冒険が待ち構えていることでしょう。
 ぜひ皆さまの力でそれを乗り切り、素晴らしい物語に仕上げてもらいたいと思います。
 私もGMとして、せいいっぱい頑張ります。

 それでは、またお会いできるときを楽しみにしております。
 ご参加ありがとうございました。