リアクション
エヴァルト・マルトリッツが、煙幕ファンデーションを全開で放出する。
「他にもいるだろっ!煙幕持ってる奴、みなで一斉に行くぞ」
エヴァルトの呼びかけで、一斉に煙幕ファンデーションが放出される。
葦原明倫館のユーナ・キャンベルとシンシア・ハーレックは、煙幕のなかハイナを抱えて、走る。葦原太郎左衛門が馬上でハイナを待っている。
「すまん、先に城に戻る!ユーナ、皆を頼むぞ」
ハイナは不服顔だ。
「わっちも残るでやんす、皆を置いて逃げるなど」
「総奉行!」
太郎左衛門のドスの聞いた声がする。
「既に房姫殿は城に戻られましたぞ、今は面子など捨て置きください。ユーナ!学生を死なせるな、頼むぞ」
馬は、城に向け一気に走る。
「城、懐かしい…」
何処からか声がする。
既に数百と増えたナラカ道人は、ハイナを追うように、一斉に城に向かう。
皆は、その列を避けて、小高い丘に登った。
「城が囲まれてしまう」
緋山 政敏とカチェア・ニムロッドは、避難する人々が駆ける往来にいる。
「ここだ」
路地奥の町家を見つけ立ち止まる。
「まだいるかしら、みんな避難しているようだけど」
カチェアは警戒を怠らず周囲を見ている。
引き戸の奥から声がする。
「ようやく来たか」
草履の摺る音と共に、扉が開き、老女が顔を出した。
「隠密から聞いておった。待ってたぞ」
二人を招きいれる老女。
続く
ご参加ありがとうございます。次回は増殖する魔女・ナラカ道人との戦いになります。
宜しくお願いいたします。