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第1章 小学生静香を護衛せよ!
■□■1■□■ 過去の新百合ヶ丘
過去の世界にやってきた、
静香と小ラズィーヤと学生たちだが、
降り立った新百合ヶ丘は、
財政難のために人通りも少なく、店の多くはシャッターが閉まっていた。
「桜井静香。
どうやら、アルバ・フレスカが、
お前のことを狙ってきているらしい。
奴は、宦官どもの中でも特に悪賢い奴だ。
注意した方がいいな」
「えっ、でも、アルバ・フレスカさんは……」
小ラズィーヤの言葉に静香は戸惑う。
静香とはさまざまなことがあったものの、
アルバ・フレスカは、現在は、シャンバラ王国に仕える宦官、十嬢侍のリーダーだ。
「アルバ・フレスカさんは悪い人じゃないと思うよ」
「お人よしだな。
まあ、お前を守るために大勢の人たちが協力してくれているんだ。
大丈夫だと信じよう」
「うん! みんながいるから大丈夫だよ!」
こうして、静香たちは、
小学生時代の静香を手分けして探し出し、護衛することにした。
★☆★
そのころ、新百合ヶ丘の百合園女学院の前では。
「ここが、百合園ですかー。
校舎もきれいだし、制服も可愛いですね」
過去のロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)が、
日本の百合園女学院の見学に来ていた。
実は、未来のロザリンドが、
過去の自分にあてて、家族分の旅行券を送っていたため、
こうなっているのだが、この時代のロザリンドは知る由もない。
「あの娘は……?」
百合園の校舎の近くを通り、通学する小学生がいた。
過去の静香だった。
(百合園女学院、すてきだなあ……。
でも、僕は入学できないよね……)
憧れの表情から、アンニュイな顔に。
「び、美少女!」
過去のロザリンドが口の中で呟いて、息を飲む。
去っていく過去・静香を見つめる、過去・ロザリンドだが。
金属の重たい音がして、
仮面をかぶった騎士が現れた。
「桜井校長、今のところは安全ですね」
……現在のロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)であった。
「君、なんだね、その恰好は!?」
警察官が、職務質問をする。
「(私と校長、愛と夢と希望の)
世界を守るために、
一生懸命なマスクドランサー! 頑張ってます」
鎧の音を立てながら、現在・ロザリンドは走って逃げていった。
「あれはいったい?」
自分の未来の姿とは思いもしない過去ロザリンドであった。
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