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契約者のススメ

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契約者のススメ

リアクション

 
終・絆を繋いで
 
 
「ヨシュアの契約、及び誘拐事件解決おめでとう!」
 後日改めて、ルカルカ・ルーは、ヨシュアの祝いの席を設けた。
「ありがとうございます。あの時は、お陰で助かりました」
 ヨシュアはそう礼を言う。

 水原 ゆかり(みずはら・ゆかり)と、パートナーのマリエッタ・シュヴァール(まりえった・しゅばーる)も、それに同席した。
 野次馬根性半分のマリエッタは、都合が合わずにナージャが来なかったことを残念がったが、ヨシュアに携帯で写真を見せて貰う。
「契約か……。五年前を思い出すわね」
「あたし達の時のこと? ぱっとしない出会いだったわよねー」
 携帯をヨシュアに返しながら、マリエッタは苦笑した。
「私は、将来の進路に悩んでいて、父親との関係もぎくしゃくしていて、失恋もして、何だかやりきれない毎日を過ごしていて」
「あたしは生意気なガキで、意気揚々と地球に来たら魔法は役に立たないし、っていうか不調で使えなくなっちゃうし、財布はすられるし」
 異郷の地で無一文、心細くトボトボと歩いていたところで、マリエッタは、ゆかりと出会った。
「お互いに、ひどい冴えない出会いだったわね」
 と、顔を見合わせて笑う。
 可愛いけど、気が強そうで、けれどどこか無理をしているような少女。
 それがゆかりの、
 美人だけど、何か沈んでる。
 それがマリエッタの、互いへの第一印象だった。
 精一杯強がるマリエッタは、けれど、ゆかりと接している内に心が解されて。
 気がつけば、契約していた。

「今は、今の自分に後悔していないわ。――悩みがないわけじゃないけれど」
 ゆかりは、軽く息を吐く。
「ヨシュアも、悔いの無い人生を送れるといいわね」
「ありがとうございます」
 激励に、ヨシュアはそう礼を言った。


「ルカ達も、思い出すなあ。
 ダリルの封印を、ルカが踏んで壊したんだよね」
 ルカルカが、ダリルににんまりと笑いかけてから、ヨシュアに言った。
「最初はね、ダリルは全然ルカを認めなくて、もう衝突ばっかりしてたのよ」
「封印、ですか」
 剣の花嫁には多い境遇だと、ヨシュアも知ってはいるが。
「どんな悪事で封印されたのやら」
「冤罪だ。知ってるだろうに」
「ダリルでもハメられること有ったんだよ」
 ルカルカは、くすくすとヨシュアに言う。
 むう、と言葉を失って、ダリルはヨシュアを見た。
 遠慮なく、ズケズケと言い合う二人の姿は、傍からはとても小気味良く見える。
 助け舟を求めるような視線に、ヨシュアも苦笑した。
「それは、いつ頃に?」
「そうだな、長いな……。古王国時代のことだ」
 あの頃の知人で生き残っているのはもう、メシエくらいしかいない。
 記憶も遠く、もう、よく思い出せなかった。
 ちらと視線を向けられたことを、エース・ラグランツ達と共に同席しているメシエ・ヒューヴェリアルは気付いたが、そ知らぬ顔で、何も言わなかった。
「もう、終わったことだ。
 それよりも、今はヨシュアのことだな」
 契約は、ある意味、配偶者より深い絆だと、ダリルは思う。
 その絆を得たヨシュアに祝福を。
 
 

担当マスターより

▼担当マスター

九道雷

▼マスターコメント

 
執筆終了直後に、リアクションファイルが丸ごと消滅し、暫く現実を直視できなかった九道です。
一から書き直しましたリアクション、何とか無事にお届けいたします。


改めまして、当シナリオにご参加ありがとうございました。
そして皆様、それぞれヨシュアに関わってくださり、また素敵なパートナーNPCを作ってくださってありがとうございます。
事件解決に動いてくださった方の多さに、非常に驚きました。
意外にもヨシュア愛されているのだとホロリと……。


ヨシュアのパートナーは、ナージャ・カリーニンとなりました。
素敵なナージャのイラストを描いてくださったのは、ZEXELさんです。

また、朝永真深を敵対NPCとして使用させていただくこととしました。

その他の皆様もありがとうございました。
皆様の回想アクション、とても楽しく拝見しました。

皆様にも、このリアクションが楽しんでいただけるものでありますよう。