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なし

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蒼空学園へ

少年探偵と蒼空の密室 Q編

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少年探偵と蒼空の密室 Q編

リアクション


Question編

Qの羅列(時系列順不同)

 1 婚姻の問題…橘舞

   

「ベルディータと蒼也は、斎藤ハツネたちを独自に追っているわ。ハツネが警部を襲った件は、推理研のメンバー以外、知られてない情報だから、協力の求めようもないけど」
「しかし、二人だけで大丈夫かのう」
「他のメンバーと連絡を取り合っているし、警部の仇をうつためにも、ムチャはしないでしょ」
「それにしても、こう事件が続くと気が休まらないわね。推理研のみんなも、他の捜査メンバーの方たちも、きっと疲れきっているでしょうに、かわいそう」
 ホテルの一室で、ブリジット・パウエル、金仙姫、橘舞の三人は、一睡もできない夜をすごしていた。
 百合園推理研究会のメンバーたちが、街で夜を徹して捜査活動している以上、外にはでないとはいえ、中央センター的役割の自分たちが、休むわけにはいかないと、事件についての推理をめぐらせ、メンバーからの連絡を待っているのだ。
「うさぎたちは、志穂と一緒にハホワイトチャペルをパトロール中。これは、お姫様とその従者の情報集めと、捜索ね。夜は、さすがに着ぐるみは脱いでるのかしら。荒縄オヤジは、ヤードの地下にいるはずよね」
「英霊といっても、あれではなかなか尊敬されぬと思うぞ」
「きっと、なにか事情があって、ああされているんですよ。ああいう方とでも話せばわかりあえると思うわ」
 三人は、丸城戸佐渡の姿を思い浮かべたのか、みな、顔を赤くし、ほぼ同時に苦笑した。
「春美たちは、街中の魔術クラブ、酒場、カフェをまわって、長寿の大魔術師、伝説の犯罪者の噂や情報を集めているところ。マジェスティックって、本当に十九世紀の英国なのね。怪しげな魔術を信仰、研究しているサークルや研究家がやまほどあるのだもの。この線からは、本物の悪魔がでてきてもおかしくない」
 トントン。
 ノックの音に三人は、びくんと身を震わせる。
 暴徒の襲撃かもしれない。
「舞お嬢さん、開けてよ。昼間、カフェであった俺たちだよ」
 少年の声がした。
 金が覗き窓で、外にいる人物をたしかめ、それから、ドアを開ける。
 カフェ“バリー・リンドン”でランチを共にした少年たちが入ってきた。昼間とは違い、三人とも貴族服で正装している。
「こんな時間にごめんなさい。でも、どうしても、お嬢さんに会わなくちゃならなかったんだ」
「いったい、どうしたんです。よく、ここがわかりましたね」
「あんたたち、少年強盗団ね。金持ちそうな私たちに目をつけて、独自の情報網で、ここを調べだしたんだわ!」
「ブリジット。失礼なことを言ってはいけないわ」
 舞は絨毯に膝をついて、少年たちに目線の高さをあわせた。
「舞お嬢さん。お願いがあるんだ」
「私にできることかしら」
「俺と結婚して欲しいんだ。今夜、いま、すぐに。マジェステイックの未来のために、お嬢さんに、俺の花嫁になって欲しい。婚礼の儀は、ロンドン塔で行われるんだ。いまから行けば、間に合うよ」
 真剣そのものの口調でプロポーズすると、少年は、舞の手の甲に口づけした。

   

A 当然、断る。
B 承諾して、婚礼の儀へ。
C A、B以外。

2 暗殺者の問題…斎藤ハツネ

   

「鍬次郎。今日は…だいぶ…壊したわ」
「そうだな。最初のやつ以外は、歯ごたえのある相手が多かったぜ」
 人を「壊す」ことのみしか興味のない少女斎藤ハツネと、かってはあの新撰組で剣を振るい、「人斬り鍬次郎」の異名を持つ、殺しの愛好者大石鍬次郎は、少女惨殺事件に便乗して、マイト・レストレドを襲ったのを手始めに、マジェティック内を逃走しながら、今日一日で、片手では足りない数の人間を葬ってきた。
 だが、それが公になっていないのは、彼らが相手にした人間が、レストレイド以外は、全員、メロン・ブラック博士の親衛隊員であるためで、偶然、その一人を殺してしまったために、いまやハツネたちはマジェティック最大の戦闘集団と、抗争状態になっているだ。
 仲間を殺した者に対する、包囲の網は、徐々にせばまり、ハツネたちに近づいてきている。
「うう。ハツネちゃん、鍬次郎さん。もうやめてあげて」
 二人と行動を共にしている、天神山葛葉は、二人の凶行をとめられない自分が情けなく思っていた。
 小柄で非力な少女の葛葉の力では、実際、どうしようもないのだが、それでも、どうにかしたいのだ。
「こんなこと、続けていたら、二人ともやられちゃうよ」
「…人は「壊す」もの…なの…」
「ハッ! 人斬るのに理由なんていらねぇンだよ。俺たちは、ここに「殺し」をしにきたんだ。文句があるなら、てめえを殺してやるぜ」
 人通りのない路地の暗がりの中で、つかの間の休息をとっていた三人は、人の気配に身構えた。
「きみらの気持ちはよくわかるが、少しお待ちいただけないかな。私は、きみらの仲間、協力者だ。いまの戦況が、数的にかなり不利なのは、わかっているだろう? 
 斉藤ハツネ。人斬り鍬次郎。きみらは、殺したいのであって、殺されたいわけではあるまい」
 スーツ姿の小奇麗な身なりの男の背後には、闇がうごめいていた。人ではなく、闇に属する生き物を従えているらしい。
「私の名前は、ジョン・ドー。犯罪研究家だ」
 男は、赤く光る目をハツネたちにむけた。

   

A ジョン・ドーと手を組む。
B ジョン・ドーに襲いかかる。
C A、B以外。

3 交通規制の問題…マイト・レストレイド

   

 ロンドン市民病院の個室の病室で、着替えていたマイト・レストレイドは、背後に人の気配を感じた。
「誰だ!」
「油断していたのかな。刑事とはしては隙がありすぎるぞ。レストレイドくん」
 振りむくとそこには、トレンチ・コートをはおった厳つい顔の中年男性が立っていた。
「フランス市警のジャン・ガニマールだ。きみの活躍は、ラウールからきいている。身を挺して犯罪に挑む、たしかに、きみは、誇り高きスコットランド・ヤードの警部だよ」
「ガニマール。あなたは、あの名警部の」
「ひ孫だ。そして、いまもあの怪盗紳士を追っている」
 互いに、名探偵と大泥棒の好敵手の名を持つレストレイドとガニマールは、堅く握手を交わす。
「きみは、負傷して療養中ではないのかね」
「事態は緊迫している。休んではいられない。俺は、刑事だ。現場にでます」
「きみは、素晴らしい。熱血刑事の顔をみに、ここにきたのは、間違いではなかったようだ。
私は、マジェスティックのヤードから、応援依頼を受け、特別捜査官として出張してきた。やつが、ここにきているらしい。だが、着いて早々、街は大混乱中だ。ついては、きみに相談がある。ヤードから、やつを逃さないために、街の緊急交通規制の権限を委任されたのだが、まだ、状況が把握できていない。暴動の輪が広がり、特に西地区はひどいらしい。私は、どうすればいいと思う。猶予はない。きみが指揮するつもりで意見をきかせてくれ」

   

A ロンドン橋を封鎖せよ!(西側の暴徒が雪崩れ込むの防ぐため)
B ビックベンを打ち鳴らせ!(全住民に非常事態を宣言し、外出禁止令をだす)
C A、B以外。

4 拉致の問題…南鮪

   

蒼空の絆空京大会で、優勝は果たせなかった織田信長だが、奮闘賞として、マジェステックのペア入園券を与えられた。
「ヒャッハア〜。あまねもそっちいるんだろ。さっそく、行ってみようぜ。今度こそ、さわり放題、おさわりタイム突入だぜ」
 鮪と信長は、そのまま、マジェスティックへむかう。
「信長のやつ、ここでもゲーセンで蒼空の絆かよ。あいつは、まるで、サルだな。とまんねぇぜ。俺様は、消して楽園満喫だぜ」
 ゲームセンター内のみならず、目についた女性を追いかけては、街を歩きまわっていた鮪は、いつしか、三人の女性を袋小路に追いつめていた。
「姿の見えないこいつは、もしや、メロン・ブラックの手下では」
「どこまでも、卑劣なやつ」
「God save the Qeen」
 鮪はそのうちの一人に狙いをさだめ、拉致を敢行しようとした。

   

A ピンクの髪の目つき悪い少女。
B 銀髪を後で結った凛々しい女性。
C 緑の髪、銀の瞳の少女。
D A、B、Cを拉致する以外の行動。

5 教育の問題…ケイラ・ジェシータ

   

 大会本戦に進んだものの、戦闘画面のリアルさに途中で気分の悪くなったケイラは、リタイアし、トイレに行こうとしたところを、少年に袖をつかまれた。
「自分になにか用かな。トイレに行きたいんだけど」
「お姉ちゃん。ボクにイコンの操縦を教えて」
「ごめん。自分は知らないよ。誰か他の人に、それに自分は、男なんだ」
「男でもお姉ちゃんは、死んだ、殺されたボクの姉さんにそっくりだよ」
 少年は、ケイラに写真をみせた、そこには、髪の色、髪型は違うが、ケイラそっくりの女性がいた。
「これが、きみのお姉さん」
「うん。マジェスティックで、切り裂き魔に、メロン・ブラックに殺されたんだ。ボクは、イコンで、メロン・ブラックのロンドン塔も、マジェスティックも壊してやる!」
「なにもしてあげられないかもしれないけど、くわしく話してみてよ」

   

A 少年に力を貸す。
B 情報だけをきき、少年には、なにもできないと言う。
C A、B以外。

6 トップチームの問題…清泉北都 レン・オズワルドフレデリカ・レヴィ 紫月唯斗 山田桃太郎 榊孝明 御空天泣

   

 蒼空の絆事件捜査チームは、結局、決勝でも圧勝し、大会で優勝してしまった。
 筐体からおりたメンバーに、パートナーたちが駆けよる。
「ソーマ。僕は逃げてただけだけど優勝しちゃったよ」
「大会のプレイ画面は、ずっと会場の大モニターに映ってたんだけど、ギャラリーの中に、あきらかに怪しいやつらがいたぜ。血のにおいのする、黒服の男たちだ」
「吸血鬼?」
「違うな。殺しのプロ。軍人かもな」
 北都とソーマが話している横では、レンとメティスが、
「ゲームというより、まさにシュミレーターだったな」
「ゲーム機について調査、解析してみました。このゲームの通信機能は、相互通信でデーターを交換しあう、通常の対戦ゲーム等で使われているものとは違います。通信といっても、主にこちら側が送信機になって、遠隔であちらをコントロールする、いわゆるラジオコントロールに近い機能です」
「俺たちの操縦で、どこかで、イコンが動いていると」
「その可能性はあります。また、チャンネルを替えることで、あちら側から、こちらをコントロールすることもできると思います。娯楽施設のゲーム機に、なぜ、このような機能が必要なのか、開発者のメロン・ブラック博士の考えが知りたいですね」
 フレデリカがビデオカメラで撮影した筐体内部の様子を桃太郎、孝明、天泣がモニター映像で確認している。
「うん。イコンの実機とほとんど変わらないよな。僕の超絶プレイに、ギャラリーは魅了されたと思うよ」
「操縦感覚も本物だ。精神的にも、肉体的にも、実戦並みのストレス、プレッシャーだ」
「パーツも実機と同じだと思います」
「フリッカたちの内部での様子も、外で中継されていたから、みていたけど、大会だし、今日のところは、おかしくな点はかったわね。でも、優秀なプレイヤーが狙われるのなら、みんなの身が危険になるのは、優勝したこれからだと思います」
 フレデリカのパートナー、ルイーザの予測に、みんなは頷く。
「孝明。お疲れ様。大会の参加者たちをほぼ全員、念写したけれど、行方不明者も、ケガ人もいないよ。
気になったのは、この人たち」
 孝明のパートナー益田椿が念写した写真には、ソーマが口にしていた黒スーツ、サングラスの不穏な雰囲気の男たちが写っていた。
「会場にレインがきていたって!」
「ああ。間違いない。わらわの姿をみて、逃げだしたのだよ。サングラスに黒スーツの一団の中に、同じ格好で混じっていたが、あれはレインじゃ」
「エクス姉さんに言われて追いかけたんだけど、他の黒服の人たちに邪魔されて、見失っちゃったんです」
「あたしも、レインらしきやつをみたよ。でも、近よる前に、消えちまった」
「レインは、いま、どういう状況なんだ。俺は、蒼空の絆で戦い続けていれば、また、レインにあえるのか」
 唯斗は、エクス、睡蓮、アンナから、探している仲間、レインの目撃情報をきき、自問自答している。
 優勝したチームへは、エッグマンーマジェスティックで行われる、全国大会への出場権が与えられた。

   

A 全国大会に出場する。
B 全国大会には出場せず、捜査に専念する。
C A、B以外。

7 魔術師の問題…樹月刀真

   

 蒼空の絆大会の会場、エッグマンー空京ミッドタウンで聞きこみを続けていた刀真のところへ、パートナーのパラミタのホームズこと、漆髪月夜がやってきた。
 月夜は、紺色のローブをまとった怪しげな人物を連れている。
「刀真ワトソンくん。聞きこみ捜査の成果はあったかね。私は、有力な情報提供者をみつけたわよ」
「はじめまして。私は、メロン・ブラックの下で、魔術研究に打ちこんでいた者です。しかし、最近の彼にはついていけず、こちらのお嬢さんに協力して、彼の悪事を暴こうと決意しました」
 ぼさぼさの黒髪、落ち窪んだ目、青白い肌、刀真には、彼は、薬物中毒者のようにもみえた。
「鉛筆を熱した鉄の棒として錯覚させて、火傷を負わせる実験。人間の思いこみの力の悪用。この方法を応用して、蒼空の絆のプレイヤーに傷を負わせられないかって、私は推理してたの。コクピットの様な密室で音声や映像を上手く利用すれば、自分が負傷したと思いこませるのも可能かな、って。
それで、ゲームの開発者のメロン・ブラック博士がその方面の研究をしていないか、調べていたら、彼が連絡してきたのよ」
 探偵気分を味わっているのか、月夜は、楽しそうだ。
「彼は、信頼に価する人物なのか」
「私には、仲間がいます。博士は、いま、彼女が言われたようなことは、もちろん、もっと邪悪な研究もしているのです。しかし、どこに博士の手の者がいるか、油断できません。私たちの隠れ家にきてください。これから、すぐに」

   

A とりあえず、男についてゆく。
B 男についてゆかない。
C A、B以外。

8 行方不明者の問題…湯島茜

   

 蒼空の絆大会終了後、すぐに通常営業モードに戻された蒼空の絆コーナーで、茜は再びゲームに挑戦しようとしていた。
(リアルすぎてこわくなって、途中でリタイアしたけど、あたしも優勝チームの一員、だったんだもんね。なんか、うれしいよ。今度は、一人で普通にプレイしてみよう)
 しかし、いざ、プレイしようと思うと、なかなか踏ん切りがつかない、結局、上手なプレイヤーのプレイ画面が外部モニターに映されているのを眺め、時間をつぶしてしまう。
 そうして、一時間もすぎた頃、茜は気づいた。
 さっき、入ったプレイヤーが中からでてきていないのに、プレイ中の表示が消えている筐体があるのに。
(あれ。ここ、たしか)
 扉をあけ、中をのぞいても誰もいない。

   

A この筐体でプレイする。
B 捜査メンバー、店員を呼びにいく。
C A、B以外。

9 秘密の道の問題…レキ・フォートアウフ

   

 マナー・モードにしていたレキの携帯に、着信があった。
「推理研の子から、ニコ・オルードワンドくんが模倣犯として、捕まったって。これで、少しでも被害が減るといいね。路地のピアノ線の罠とか、ああいう、人を無差別に傷つける行為は、許せないよ」
「しかしのう。模倣犯が地球人だと知れると、街の住民の態度は、ますます硬化するぞえ」
「それは、悲しいけど。しかたないよ。とにかく、ボクは、女の子ばかり襲う殺人犯なんて許せない。捕まえて、街のみんなとも仲良くしたいな」
「そうなるといいがのう」
 ワンピースに麦藁帽子のミアの横を光学迷彩で、姿を消したレキが歩いている。
 囮捜査は続行中だ。
「ミア。あの子、なにかおかしいよ」
「追われておるのか」
「助けよう!」
 レキは、状況を確認もせずに数十メートル先を走る少女を追いかけた。
 彼女は服装からして、街の住人だ。土地勘があるらしく、かなりのスピードで入り組んだ路地を駆けてゆく。
 スポーツ少女のレキが、それを全力疾走で追う。
 そして、少女は、レキの視界から消えた。
 レキには、壁に溶け込んでいったようにみえた。
「隠し通路? この先になにがあるんだろう」

   

A 少女の後を追い、壁の中へ。
B 追わなくてもいいか。
C A、B以外。
 
10 殺人者の問題…霧雨透乃

   

「芽美ちゃん。十九世紀の犯罪の模倣はひとまず、終止符が打たれたらしいよ。マジェスティック各所で暴動が起きたりしてるみたい。ようやく、このへんでも人を見かけるようになったから、そろそろだね」
「囮捜査の人間も多いみたいだから、気をつけないといけないわね。誰かきたら、すぐに惨殺して脱出するわ」
 惨殺目的でマジェスティックにきた月美芽美(つきみ・めいみ)は、パートナーの透乃のフォローを受けながら、その時を待っていた。
 マジェスティック内でも、人気のない、それこそ、住人も、来園客もこない立ち入り禁止区域で、獲物がくるのを待ち続ける。
ついに、その時がきたのか!
透乃は、芽美の携帯に連絡を入れる。
「いま、芽美ちゃんのところへ、三人、行ったよ。少し離れて三人」
「武器もないし、三人同時は、危険が高いわ。標的をしぼるわ。情報を教えて」
「うん。一人は、狼の着ぐるみ。これは、スタッフぽいね。一人は、制服の警官。これも、たぶん、ここの住人だよ。最後は、脇に本を抱えた女の子。学生かな。どうする」
「私は、迷ったり、考えたりしている余裕はないわ。透乃ちゃんの見た感じだと、どれがやりやすそう?」

   

A 狼の着ぐるみ。
B 制服警官。
C 本を抱えた女の子。
D A、B、C以外。

11 依頼人の問題…シャーロット・モリアーティ

   

ノックの音がした。
シャーロットは、ドアを開け、訪問者をホテルの部屋に招きいれる。
今夜は、三件もアポイントメントがあった。
一、二件めとの交渉は終り、これが最後の面談になる。
相手は、くたびれたスーツを着た初老の男だった。
「地球で高名な私立探偵、モリアーティさん。私があなたにご依頼したいのは、娘の捜索です。娘は、シャンバラ人で、先頃、ここで惨殺された地球人の少女のパートナーでした。少女が惨殺された日から、娘は、行方不明なのです。モリアーティさん。どうか、娘を見つけてください」
「御主人。娘さんを捜索した結果が、もしも、あなたにとって不幸な知らせになろうとも、かまわないのですか」
「かまいません。連続殺人事件やら、模倣犯やらでヤードは、動いてくれない。頼れるのは、あなたのような私立探偵だけだ」
「どうしましょうか。二十秒だけ考えさせてください」
肘掛椅子に座ったシャーロットは、ハッカパイプをくわえ、目を閉じた。

   

A ジョン・ドーの協力依頼を受ける。
B メロン・ブラックの協力依頼を受ける。
C 老人の依頼を受け、娘を捜索する。
D A、B、C以外。

12 被害者の問題…春夏秋冬真都里

   

 囮捜査の途中、もなかとウルスラが公衆トイレに入っいってしまうと、真都里は、路上に一人きりになった。
 さっそく、太い腕、首、厚い胸板の、荒くれ者風のマッチョな若者たちがどこからかあらわれ、真都里をかこんだ。
「お、お、あああ、あたしに、なん御用ざます。おほほほほ」
「便所の前にいるとは、この新入り、自分の立場がわかってるじゃねぇか」
「見かけねぇ顔だな。これから、街の女として、たっぷりかわいがってやるから、覚悟しな」
「グヒヒヒヒ」
「ま、ま、待て。おまえら。俺は、男なんだ。おまえら、間違ってるぞ!」
「別にどっちでもいいんだよ」
 男の手が真都里の胸をわしづかみにし、
 グシャ。
 服の中に入れていたトマトが潰れた。
「なんだ。こいつは」
「筋金入りの、へ、変態か」
 男たちがたじろいだ隙に、真都里は、逃げだした。
「待て。オカマ野郎」
 三人に追われながらも、必死で走る真都里に、
「こっちへきなさい。この馬車に乗るんだ!」
 真都里は、一瞬、迷ったが、声に従って、黒塗りの馬車に乗り込み、マジェスティックの街から姿を消した。
 馬車に乗る前の一瞬に、真都里が残したメッセージは、

   

A トマト果汁で、石畳に、「黒馬車」
B いかにも襲われたように、カツラ、服を脱ぎ捨てた。
C A、B以外。

13 招待の問題…藍澤黎

    

 夜半まで、マジェスティック内のカフェをめぐり歩いた藍澤黎の前に、メロン・ブラック博士が、あらわれた。
「悪魔の噂は、ずいぶんとききましたが、本人のおでましとは、しかし、我になんの用件が」
 親衛隊と呼ばれている、黒のローブの魔術師集団にかこまれたメロン・ブラックは、髪をたらし、化粧をし、自らもローブをまとって、魔法使いそのものだ。
「白のイェニチェリ藍澤黎くん。自分についてはすでに知っているだろう。今日は、情報収集ご苦労だった。きみに、自分の居城で働いていただきたい」
「我になにをしろと言われるのであろう」
「家庭教師だ」
「博士には、ご子息がいらっしゃられるのか。初耳だ」
「血を分けた自分の子ではないが、我が家には子供が多くてな、しっかりした教育係が必要だ。きみは、容姿、能力、ともにそれにふさわしい」
「それで、この話を受けるのならば、これから、そこへこいと」
「ああ。そして、そこで暮らし、あまり外にでるな、とも、お願いしなくてはならない。即答してくれたまえ」

   

A 話を引き受け、ロンドン塔へ。
B 話を断る。
C A、B以外。

14 儀式の問題…一ノ瀬月実

   

 すっかり、オーレリー姫とカン違いされた月実は、後に退けない状況になっていた。
 月実の前には、ピアノがある。
 これは、ただのピアノではない。この鍵盤の動きで、マジェスティックの全水門が操作できるのだ。
 本来なら、月実ではなく、本物のオーレリー姫が弾くべきものだ。
 だが、ここ、地下聖堂には姫はおらず、集まっている維新とリズリット以外の数百名のシャンバラ人は、ま月実が姫だと信じているのだ。
「ひけばいいんでしょ。ひくわよ」
 魔術によって歪んだ、マジュスティックの地下水流を正常にするための演奏がはじまる。

   

A 小銃でピアノを破壊する。
B 英国国歌を演奏する。
C 本当のことを話す。
D A、B、C以外。

15 モラルの問題…リリ・スノーウォーカー 影野陽太

   

 リリたちと陽太が通された広間では、まさに、乱交が繰りひろげられていた。
「俺は、ここでなにをすればいいんですか?」
「わかっておろう。男と女のすることじゃ」
「えええええええ。カンナ様ぁ!」
 たじぎまくる陽太を眺め、彼らを案内してきた仮面の男が、仮面の下で笑みをこぼす。
「それでは、存分に」
 男は、去ってゆき。
 室内のうごめき続ける男女たちの痴態をリリたちも陽太も眺めている。
「世界最大の魔術師。彼は、モラルの面でも世間から誹謗、中傷を受ける性魔術師の権威でもあったのだよ。リリは、忘れていたのだ。信用を得るためには、この輪に加わるしかないであろう。陽太」
「どういう意味ですか」
「見ず知らずの者と、リリたちと、どちらがよいか、女のリリがいちおう、きいてやっているのだよ」
「お、お、お、俺は」
 ララとロゼは、いたずらっぽい笑みを浮かべているが、一見、冷静に振まっているリリの体が、小さく震えているのに、陽太は気づいていなかった。

   

A 参加する。
B 脱出する。
C A、B以外。

16 傭兵の問題…クレア・シュミット セルマ・アリス

   

助手の説明が終わっても、食事会が長引いているのか、メロン・ブラック博士はこなかった。
 概論をメモした手帳を読んだりして、時間をつぶしていたクレアとセルマたちの前にあらわれたのは、天御柱学院の制服の少女だ。制服がぶかぶかで、年はひどくい幼そうだ。
「私たちは、メロン・ブラック博士がこられるのを待っているのだが、あなたは誰だ」
「軍人さん。博士の傭兵の方ですね。あたしの村を救ってください」
 少女は、教導団の軍服を着ているクレアに、いきなり、抱きついた。
「あなたの置かれている状況が、私には、わからないのだが」
「俺にも、さっぱりだ」
「ワタシもわかんなあい」
 クレア、セルマ、ミリィの三人から拒否されたように、感じたのか、少女は泣きだしてしまった。
「泣いていては、わからないだろう。相手に伝えたいことをしっかり話すのだ」
「はい。あたしは、パラミタの西にはずれのある部族のものです。最近、あたしたちのところのような小さな村が、イコンの襲撃によっていくつも滅んでいます。皆殺しです。これは、メロン・ブラック博士の実験だって、噂でききました。イコンの遠隔操作のテストだって。博士は、イコンを遠隔操作する傭兵部隊を持っていて、地球の紛争に部隊を派遣したりしてるそうです。隣の村もやられました。だから、傭兵さんにお願いして、あたしたうの味方になって、もらおうと思って」
「ここに忍びこんだんだね。よくがんばったね。ごほうびだよ」
 セルマは、博士にもらったぬいぐるみの一つを少女に渡した。

  

A 少女を連れて学院をでる。
B 少女を博士に引き渡す。
C A、B以外。

17 襲撃者の問題…須藤雷華 狭霧和眞 桐生景勝 榛原勇 

   

「蒼空の絆の新バージョンか。景勝ちゃんは、ここへきてよかったな。パートナーと乗ればいいんだろ」
「景勝さん。実験ですからね」
「こんなところでまた、最多出撃の記録を更新してしまったわ」
「雷華。実験という言葉の中には、事故が起きてもしかたがない、という意味が含まれているのを忘れるなよ」
「事件解決の為に、これに乗るればいいんスね。俺は、乗るッスよ!」
「油断しないでくださいね、和眞。なにが起きるか、わkりませんよ」
「僕は、一人乗りですよね。だ、大丈夫かな?」
 景勝とリンドセイ。雷華と啓。和眞とルーチェ。そして勇一人が乗った筐体が、通信プレイで同時にゲームスタートした。

 四機のイコンがある村を壊滅しに行く設定だ。
 メロン・ブラック博士は、外部の液晶モニターで、ゲームの様子を眺めている。
「事件について知りたいそうだから、一組くらい消しておくかい」
 隣に立つジョン・ドーの言葉に、博士は首を横に振った。
「お優しいことで」
「製作途中の筐体を血で汚したくないだけだよ」
 二人の会話の途中で、インターフォンが鳴る。
「博士。校長命令です。蒼空の絆の実験中止です。校長は、内外の噂を耳にしたらしく、博士との面談を求めています」
 助手からの連絡に、博士は、眉一つ動かさない。
 インターフォンを切った後も、実験は続いている。

   

A あまりにリアルな映像に、不信感をおぼえゲームをやめる。
B 村を壊滅させる。
C A、B以外。

18 探求の問題…黒崎天音

  

 天御柱学院の入学案内、学校紹介等の書類を手に入れた天音は、見学を許された一般教養の授業(専門科目は見学できなかった)を少しのぞいて、ブルーズと巨大エレベーターへ。
「ほら、ブルーズ、見てごらん。島がずいぶん小さく見えるよ。直下は、天御柱学院がある海京だね」
「ほう。随分と立派なものだな」
エレベーターをおりた天音の前には、メロン・ブラックがいた。
「早すぎたかもしれないが、再会を喜ぼう。黒のイェニチェリ。自分は、きみにみせたいものがあるんだ。探求心に富んだきみは、ロスト・テクノロジーに興味があるのだよね。きっと、満足してもらえると思うな」
「博士。食事会の後、端末で調べて気づいてしまったのだけど、蒼空の絆で行方不明になった人物には、天御柱学院の卒業生が、かなり含まれているよね。僕は、卒業者名簿のデーターを持っているので、確認したんだよ」
「それは、奇妙な話です。自分の居城で、きみの知的好奇心に乾杯しよう。ほら、そこはこんな様子さ」
 博士は、携帯型の小型モニターでロンドン塔内の様子を天音にみせた。
 ロスト・テクノロジーというよりも、魔術的な装飾品の数々、そして、ちらりと画面の端に映ったのは、両手を後で縛られ、目隠しをされた、ツインテールの緑の髪の少女。
「家族が多いので家の様子が気になってね。こうして、常に、いま、家の中がどんな状態か、見られるようにしているのです」

   

A ロンドン塔へ行く。
B 塔へは行かない。
C A、B以外。

19 身代わりの問題…ヴァーナー・ヴォネガット。

   

「お姫様のお友達は、早く自分からそれを教えてくれないかなあ」
 ロンドン塔の一室に、少女たちは監禁されて、拷問を受けていた。手錠足錠をかけられ、逃げだすことはできない。
 片目にアイパッチをはめた女の拷問使が、鞭や器具を使い様々な苦痛を与えるのだ。
「お、俺は、お姫様なんか知らないんだぜ。この子たちをひどいめにあわせるなら、かわりに、全部、俺が」
 他の子たちの身代わりに、自らすすんで拷問を受けていた春夏秋冬真都里が、ついに意識を失った。
「ちっちゃなナイトは、案外、がんばったけど、あんたらを残して、おやすみしちゃったわ。叩き起こしてもいいけど、この子の声は、聞きあきたわねえ。次は、どの子に泣いてもらおうかな」
 十数人の少女の中には、幼い子供もいる。
 どの少女も、姫の友達で、秘宝の秘密を知っているかもしれないと、たいした根拠もなく疑われ、ここへ連れてこられたのだ。
 少女たちのすすり泣きが響く。
 ホテルへ戻るはずの馬車に乗ったヴァーナーも、博士の手下の御者によって、ここに連れてこられた。
「こんな、ひどいこと、いつまでもさせておくわけには、いかないです」
 床に倒れていたヴァーナーは立ち上がり、拷問使をにらみつけた。

   

A ボクは姫の友達です。秘密を聞きたかったら、みんなをいじめるのをやめて、ボクをもっと偉い人のとこへ連れてくです。
B 暴力はダメです。みんながかわいそうです。話しあうです。
C A、B以外。

20 師弟の問題…ニコ・オールドワンド 茅野菫

   

「先生。お待ちしてました。僕にあいにきてくれたんですね」
「キシャシャシャシャ。ノーマン様。パートナー共々、お慕い申しております。今後とも、ぜひぜひ、ごひいきに」
 地下牢の壁が外側から打ち壊され、暴徒たちがなだれこんできた時、菫が、ニコとナインの拘束衣を脱がしてやったのである。
 自由を得た二人は、暴動で無人になった洋服店で衣服を盗み、第三、四、五の殺人で混乱しているホワイト・チャペルへむかっていた。そこへ、ふらりと赤い目の犯罪王があらわれた。
 背後の闇に、すでに人ではないものたちを従えている。
「ごきげんよう。きみの活躍は、ニュースでみせてもらったよ。ほほ笑ましいね」
「僕は悪いことは、してないですよね」
「悪いことは、良いことだろう。世間の主観に惑わされ、自分を失わぬことだな」
 ノーマンは、優しく、ニコの髪をなでた。
「どう生きようと後悔しなければ勝者だ」
「先生、僕は、弓月に負けてないですよね」
 チッ。チッ。
 舌打ち。
「墨死館から持ちだした蔵書と、先日、贈った本は読んだか」
「はい。どちらも、禁書で、禁忌とされている未知の知識が、勉強になりました」
「きみは、素晴らしい生徒だよ。私は、個性と個性をくらべたりはしない。血も臓物もそれぞれに素敵さ」
「ノーマン・ゲイン。茅野菫よ。シャルからきいてるでしょ。あんたに会えるかと思って、この子たちといてよかったわ。あたしは、あんたから犯罪の帝王学を学びたいの。どうせ、切り裂き魔事件もあんたの演出なんでしょ」
「フフ。口のききかたを知らぬ女は、大好きだ。ニコくん。菫。私は虚偽の古都で、戦わなければならないようだ。実際、面倒でしょうがない。しかし、私を殺したがる者がいる。血ぬられたこの夜に、私の窮地を救う騎士となってくれるかい」

   

A 断る。
B ノーマンに手を貸す。
C A、B以外。

21 PMRの問題…エル・ウィンド 比賀一 ミレイユ・グリシャム リネン・エルフト

   

「みんなで推理を確認しあったし、PMRで力を合わせて事件解決を目指そう。HAHAHA!」
「エルはなんの捜査をするつもりですか? 私の目が光ってますからね。はうっ。一つの目的にむかって、みんなで協力できるのは、うれしいです」
「敵は巨大だけど、この事件には、人類の滅亡がかかってるんだよ!」
「な、なんだってぇ!? って、俺しか言ってねぇだろ。だいたい、模倣犯の追跡がなんで人類滅亡なんだよ」
「お友達探しをしなくちゃいけないんだよね。ワタシも、姫様のお友達になれるかな」
「死体の解体方法に固執する犯人は、意外に見つけやすい人物の気がしますね」
「……みんな、言ってることがバラバラ…でも、それが、PMRね……私の推理は、誰もきいてないのかしら……それでも、きっと、事件は解決できるわ……!?」
 ガチャ。
「よう。まだ、みんな、捜査にでてないのかね。マジェスティックは、半分沈みかけているようだが、大丈夫かい」
「……な、なんだってぇ〜!!」

   

A 姫と被害者のつながりを知っている容疑者を探す。
B ノーマン・ゲインを探す。
C ノストラダムスについて捜査する。恐怖の大王の降臨を阻止する。
D 切り裂き魔のフォロワーを探す。
E 姫の友達を探す。
F 死体の解剖にこだわる犯罪者&人物を探す。
G 恋人のいない同性愛者の吸血鬼を探す。
H マジェスティックの沈没を阻止する。
I A〜H全部混ぜる。
J A〜H以外。

22 人形師の問題…橘カナ

   

「福ちゃん。ごめんね。私、さっき福ちゃんとお話できなかった」
「気ニシナイデ。カナコソダイジョブ? ビックリシタネ」
「自分もあんなカナさんは、はじめて見たッス」
 橘カナと福ちゃん、兎野ミミヨは、捜査と気分転換をかねて、マジェスティックを散歩していた。
「カナ」
「福ちゃん」
「どうしたッスか」
「カナノ足ガ勝手ニ動イテルノ」
「うん。でも、怖くないよ。呼ばれてる気がする」
「仲間ガ待ッテルワ」
「福ちゃん。どういう意味」
「モウスグワカル」
 そして、レンガ造りのある建物の前で、カナの足はとまった。カナは、なぜ、自分がここへきたのかよくわからない。
「ここは」
「殺サレタ子ノ住ンデタアパート。福チャンの友達ガタクサンイルワ」

   

A アパートに入る。
B アパートに入らない。
C A、B以外。

23 模倣者の問題…火村加夜 三船敬一

   

「これだけ警戒されていても、史実通りの殺人を再現するなんて、おかしいです。リスクが高すぎます」
「熱狂的な信者か。そうしなけばならないわけがあるんだろ」
「これまでの事件の解決も大事ですが、五件め死体に残されたメッセージも気になります」
「ここからは自由にやる、か。再現を完成させたので、過去の事件に縛られずに暴れるって意味かな」
「だとしたら、マジェスティック内の人気のない場所で、犯行を行うのでは、ないでしょうか」
 史実上の第五の殺人現場で、死体が発見された直後、加夜と敬一は、作戦の変更を決めた。

   

A 街外れの立ち入り禁止区域で囮捜査をする。

B 聞き込み主体の捜査に切り替える。

C A、B以外。

24 捜査方針の問題…赤羽美央

   

 スコットランドヤードでの記者会見の後も、美央は囮捜査を続ける気でいた。が、
「あの会見は、テレビでも放送されまシタ。同じ服装では、囮捜査だとバレてしまいマース。ここは、捜査方針をかえた方がいいデース」
「どうする気ですか。ジョセフが女装でもするつもりですか」
「そうではありまセーン。ミーは、この街を歩いて、たまに、普通の住宅街なのに、強烈な血ににおいを感じる場所がありマース。そこには、なにかあるはずデース」
「みお姉。僕は、街の中で、僕ぐらいの年の子にいっぱい話しかけられたんだ。友達になろうとか、秘密基地に遊びに行こうとか。もう、女の人の格好で歩かなくていいんでしょ。だったら、みんなで、あの子たちのところへ行こうよ。きっと、楽しいよ」
「むむむむむ。たしかに囮捜査は、顔が割れてしまっています。エルムも私もケガをしていますし、ここはどうしたら」

   

A 強烈な血ににおいのするスポットを調査する。
B 街の子供たちと仲良くする。
C ケガをしているので、ホテルで休養する。
D A、B、C以外。

25 追跡者の問題…七尾蒼也

   

 切り裂き魔事件の再現が完成し、暴動が起きた夜半のマジェスティック。
 それでも、蒼也は、これ以上の惨劇を防ぐため、パートナーのペルディータとパトロールを続けている。
「もうやめてえ!」
「子供の声だ。あれは、昼間の」
 蒼也たちが駆けつけるとのと、争いが終り、そこにいた者たちが、四方に消え去るのは、ほぼ同時だった。
 路地には、数滴の血が落ちている。
「いまのは、斎藤ハツネさんたちといた少女の声だったわ。それに、あの後姿は、ニコ・オールドワンドさん」
「ああ。さあ、どれを追う」

   

A 斎藤ハツネらしき人影。
B ニコ・オールドワンドらしき人影。
C ロンドン塔の方角へ消えた人影。
D A、B、C以外。

26 行きつけの場所の問題…騎沙良詩穂 佐木みらび

   

「お姫様は、もともとマジェスティックの人間なんだろう。だったら、塔から逃げても、知り合いの家とか、隠れる場所があるに決まってるじゃん」 
 煌星の意見に、セイは不服そうだ。
「俺なら、知り合いを頼らずに、人気のない場所とかに隠れるぜ。迷惑かけたくないからな」
「私は、お友達を頼るかもしれませんね。お姫様は、マジェスティックの人気者ですから、力を貸してくれる人も多いと思います」
「うさぎは、教会なんかを探したほうがいいかなって思いますっ。誰か個人のお家より、街のみんなの所有物のような場所の方が、守りやすいし、お姫様も好意に甘えられやすいと思いますっ。秘密の集会場とかあれば、そこに匿われていそうですっ」
 詩穂とうさぎの意見もわかれている。
 姫を見つけるために、彼女らが調査するのは。

   

A 姫の知り合い、友達のところ。
B 人気のない場所。
C 教会、(秘密の)集会場等の住民のための施設。
D A、B、C以外。

27 生者の問題…霧島春美

   

「春美。ルパンは、本当にいるのかな」
「そうねえ。うまく、のせられてる気がしないでもないけど、あのメッセージがまるっきりのウソとは思えないわ」
 マジカルホームズこと春美も、今後の捜査方針に頭を悩ませていた。
「魔術結社をしらみつぶしにあたれば、地球からきた著名な魔術師なら、すぐに所在がわかるわよ」
「犯罪者関係は、パブ、貧民窟、売春宿なんかをまわればええんちゃうんか。どこもグルービーやないし、女の子むきでもないけどな。ボクが行くしかないんちゃう」
「ボクは、春美と一緒でいいよ。ず、ずるじゃないって。どこでも春美一人じゃ心配だからさ」
 カリギュラ、ピクシコラ、ディオ、パートナーたちの意見に耳を傾け、春美はさらに一つの案を加える。
「ルパンを、あのカードを置いた人を見つけだす。第一容疑者は、決まっているけどね。彼は、なにかを、もしかしたら、すべてを知っているでしょ」

   

A 魔術結社を捜査する。
B 犯罪者情報を収集する。
C ルパン? を見つけだす。
D A、B、C以外。

28 女友達の問題…ファタ・オルガナ

   

「ファタちゃん。僕だよ。ベタすぎるけど、拉致されちゃった」
「んふ。なんじゃ、維新か。待ちくたびれたぞ。しかし、その憔悴しきった感じは悪くないぞ。ゾクゾクするのう」
 やっとかかってきた維新からの電話に、ファタは内心のうれしさを隠して、いつものように応対した。
「はじめはいい人たちに拉致られてて、いまは、真っ黒の悪者のとこにいる。世界の終りが目前だよ」
「わしも多忙の身じゃ、迎えにゆくか、わからぬが、一応、どこにいるかは、言っておいた方が、おぬしも気が楽じゃろう……おい。おい。戯言を言わぬか。おい。維新。どうしたのじゃ」
 電話は切れた。リコールはつながらない。
 維新を探し、一人、マジェスティックを散策しているところだったファタは、秘めた想いを強め、月をにらんだ。

   

A ロンドン塔へむかう。
B ヤードへ戻り、応援を要請する。
C A、B以外。

29 避難の問題…クリストファー・モーガン

   

 熱気と刺激臭で、クリストファーは目を覚ました。
 部屋は黒煙に満ちている。
 火事?
「クリスティーは、まだ、自分の力では、逃げられそうもないよね。俺の体でもあるんだから、大事にしないと」
 クリストファーは、眠ったままのクリスティーを背負って、廊下にでた。非常口の表示を探すが、あちこちが炎に包まれていて見つからない。
「逃げ遅れたか」
 クリストファーはあきらめず、記憶を頼りに出入り口にむかった。が、進行方向に煙がひどく、どうなっているのか目視できない。
「他の人は、みんな、逃げたの?」
 周囲に目をやったクリストファーは、大部屋の床に地下への入り口があるのをみつけた。
 床板の下にある階段。おそらく、隠し通路だろう。

   

A 煙を突っきり、出入り口へ。
B 地下への入り口へ。
C A、B以外。

30 封印の問題…ヴェッセル・ハーミットフィールド

   

「どうすればいいかわかんねぇや」
 魔術の力で、人工的に魔力を集めているパワースポット。マジェスティック内のその拠点の一つをあっさり見つけたヴェッセルだったが、破壊のしかたがわからない。
「道端になにげに置かれた、このオブジェがクセモノでな。ヘタに壊そうとすると、いや、調べるだけで、さっきの俺みたいに、罠に引っかかって、ヘタすりゃ死亡だ。これがアンテナ兼栓だから、壊せば、たまった魔力が拡散して、この拠点は、無力化するんだけどな」
「子供が笑っている愛らしい石造ではないか」
「見た目はな。クロ子、さわってみろよ」
「それはムチャすぎるであろう。魔術でなんとかできぬのか」
「平和的に機能停止させるには、これを創ったやつらと同じ種類の魔術を使って、アクセスするのがいいんだが、まずはログインしないとな。手伝え」
「なにをする気じゃ、刃物を人にむけるな。それでは、錯乱状態なのだよ」

   

A 性魔術だ。クロ子の血を使う。
B 六芒星の印を切ってアクセスだ。中央のシンボルは、なんだっけ。
C クロ子のミサイルポッド全弾発射だ。物理的にブッ壊す。
D A、B、C以外。

31 部品の問題…咲夜由宇 アキラ・セイルーン

   

 由宇とアキラは、アレン、ルシェイメアと四人で史実上の第五の殺人現場を訪れた。
 被害者は、自室のベットで解体されていた。
「死者だけが増えていくですぅ」
「どうやった。短時間で、捜査陣に囲まれていて」
「もう、まともな相手だとは、頭から考えないことだね。殺害方法もなにもかも異常すぎる。これで犯人が普通な方がおかしいぞ」
「これをみると、囮捜査をする気も失せるな。顔をメッタ切りにされたい女子はおらぬぞ」
 四者四様の感想をもらし、ため息をつく、四人の耳に検死官の声が響いた。
「足らない部分が多すぎるぞ。持ち去ったにしても、かなりかさばるはずだ」
「なんでお持ち帰りするんでしょうか」
「ちょっと、待てよ。お持ち帰りじゃなくて、持ってこなかったんじゃないのか」
由宇とアキラは、顔を見合わせた。

   

A 殺人現場は別にあると想定して捜査する。
B 死体発見現場付近の大きな荷物の出入りを捜査する。
C A、B以外。

32 狙撃手の問題…戦部小次郎

   

 くると、あまねをスコッランドヤードに送った数十分後、小次郎は運命の引き金を引こうとしていた。
(少女連続惨殺事件の捜査にきて、一日、足を棒にして情報を集めた締めくくりがこれですか)
 置かれた状況の奇妙さんに。我がことながら苦笑してしまう。
ロンドンブリッジのむこう側、マジェスティックの西側の住人たちが、一斉に蜂起し、主要な都市機能が集中したこちら、東側に押しよせてくる可能性がある。
 そうなれば、上に大のつく暴動事件だ。
 ヤードは暴動発生前に、橋の封鎖も考えているが、作戦責任者から、まだ指示はない。
「事態は、予断を許さない。教導団の歩兵科少尉であり、狙撃手であるきみに、特殊任務を依頼したい。緊急時で人手が足らぬのだ。すまないとは思うが、マジェスティックを助けてくれ」」
 任務は、ロンドンブリッジを見下ろす展望台で、待機し、命令があった場合、橋にいる人間を狙撃する。
基本は威嚇だが、最悪、相手の命を奪うのもやむをえない、という内容だ。
 結局、断りきれずに、相手の熱意の負けて引き受けてしまったが、小次郎はすでに、何度も後悔している。
 トランシーバーに指示が届いた。
 ライフルを構えて、スコープを覗く。

   

A 命令の従い、橋にいる西側の暴徒を狙撃する。
B 命令を無視し、事態を静観する。
C A、B以外。



それぞれの選択によって、世界は創られ、変化してゆく。
事件に揺れるマジェスティックの明日の姿は…。

次回「少年探偵と蒼空の密室 A編」 にて捜査継続!

担当マスターより

▼担当マスター

かわい家

▼マスターコメント

 まず、参加者の皆様、このたびは、リアクション公開を遅延していましまして、まことに申しわけありませんでした。
 遅延の理由は、私、かわい家のスケジュール管理能力の甘さです。
 今後、このようなことは、ないようにしていきますので、どうぞ、これからも、よろしくお願いいたします。

 あらためまして、かわい家です。
 みなさん、ご参加ありがとうございました。
 捜査、冒険お疲れ様です。

 今回は、前後編なので、物語が続きものだというのを意識して、前編の参加PCのアクション(選択)で、後編の物語が創られる形にしてみました。
 みなさんのPCのそれぞれのANSWERがつながり、影響しあって、この物語はいかようにも変化します。
 かってのアドベンチャーブックを意識したつもりの趣向です。
 よし、やってやろうと思ってくださった方は、QへのANSWERを携えて、後編にもご参加してくださるとうれしいです。
 後編のシナリオガイドは、9月の中頃には公開したいと思っています。
 
 いつも、みなさんのPCたちとミステリできて楽しいです。遅れてしまって、本当にすいませんでした。
 それでは、またお会いできる日を、一時停止中のマジェスティックにいる少年探偵とともに楽しみにしています。失礼します。