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砂漠のイコン輸送防衛前線

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砂漠のイコン輸送防衛前線

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 叶 白竜(よう・ぱいろん) 世 羅儀(せい・らぎ)の両名が作成した、本作戦の参加イコンと各自の行動リストだ。
 そこに、ズラリと並ぶイコンの種類と搭乗者、及び、各人の行動が記載されている。
「本作戦を成功させるために、このリストにある人物と担当は最低限覚えてほしい。また、各々因縁深き事があるとは思いますが、他学校生徒との共同作戦である本作戦内では、互いに協力して頂きたい」
 まとめ役を買った白竜がリストを手にする生徒たちに向かって進言する。
 この作戦に置いて、仲間割れや裏切りは最も危険な失敗要因であり、それらを予め排除するために白竜はリストを作成した。これにより、リストにない行動をとる者を可視化させて、内部分裂を目論む者を浮き上がらせる事ができる。
 勿論、これは各自の連携を計るためにもある。
「今回部隊の輸送ルートの誘導を私、叶 白竜が、部隊の指揮をルカルカ、ダリルの両名に任せて頂きます」
「よろしくね」
「よろしくだ……」
 ルカルカ・ルー(るかるか・るー)ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が挨拶する。二人の後ろで、連れの夏侯 淵(かこう・えん)がその様子を閑静に眺めていた。
「二人に加え、私と、ジーナ・ユキノシタ(じーな・ゆきのした)ガイアス・ミスファーン(がいあす・みすふぁーん)ユイリ・ウインドリィ(ゆいり・ういんどりぃ)が先行偵察として飛行します」
「あ、私は連絡役としてトレーラーに残ります。いいですか?」
 ユイリが白竜の言葉を訂正する。
 ユイリはジーナたち先行偵察部隊とトレーラー部隊の連絡を中継させる役目を担う事になっている。彼女がそれを果たす事で、滞りない情報の伝達が可能となるだろう。
「他に、リストの変更がある方は居ますか?」
 白竜の問に、夢野 久(ゆめの・ひさし)が手を上げる。
「悪いが俺はサポートから外れさせてもらう。俺は戦闘護衛へ回るが、サポートはルルールが代わりに務める」
 勝手にサポートへと任命されたルルール・ルルルルル(るるーる・るるるるる)が久の耳へと文句を叩きつける。
「えー! 私がなんでそんな事しなくちゃなの?」
「まあいいじゃない、ルルールは回復魔法使えるんだしさ」
 頬を膨らせる、ルルールを佐野 豊実(さの・とよみ)が宥める。
「ところで、このGA:宅急便ってなんです? 宅急便屋さんなんて呼んでないよね?」
 ミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)がリストにあった不可解な、箇所を質問する。護送に宅急便とは如何にと思ったからだ。
「それはボクらの事だよ」
 黒乃 音子(くろの・ねこ)が皆の前に出て、教導団式の敬礼をする。
「教導団より輸送護衛業務を遂行しに参りました、黒豹(パンテール・ノワール)小隊の黒乃音子少尉と以下3名であります」
 小隊は音子を隊長として、フランソワ・ド・グラス(ふらんそわ・どぐらす)、副隊長
ジャンヌ・ド・ヴァロア(じゃんぬ・どばろあ)ルノー ビーワンビス(るのー・びーわんびす)も前に並び敬礼した。
「音子たちには地上からの偵察、囮として輸送車列(コンボイ)の先頭を走ってもらうわ」
 と、ルカルカが補足を入れる。
「それでは各自、出発の準備に取り掛かってください。30分後、ここを出発し、護送を開始します」
 白竜の指示のもと、ブリーフィングは終了し生徒たちは出発の最終準備へと取り掛かった。