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乙女の聖域 ―ラナロック・サンクチュアリ―

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乙女の聖域 ―ラナロック・サンクチュアリ―

リアクション

     ◆

 それはもう、どうしようもない程に晴れ渡った夕焼けだ。
本当にどうしようもない程に虚しさの、そしてどうしようも無さ過ぎて笑ってしまう程の空模様だった。
一行は、すべてを解決し歩いている。
「それにしても――あの形相は凄かったな。ラナロックとやら」
 レノアは語る。
「いきなり入ってきたかと思った矢先、ウォウル様の足を”ズドンっ”ですものね」
 くすくすと笑う綾瀬も、やはり何処か苦笑が混じっている笑顔。
「それにしても、まさか此処まで早く見つかるともは思っても見なかったねぇ」
 痛みの為に顔を歪めながら、黒幕の男――『ドゥング』と呼ばれていた男に肩を借りる、本当の黒幕、ウォウル。

 あの後一行は、ドゥングに連れられてウォウルがいる部屋に通された。そこではひそかに綾瀬とレノア、ウォウルがラナロックを驚かせようとして部屋を装飾していたわけだが、しかし思った以上に到着の早い一行が部屋に入ってしまったのだ。そして逆上したラナロックがウォウルの太腿を打ち抜き、今に至る。
「ウォウル様。次はラナロック様を悲しませない様な誕生日を企画くださいませね?」
 可憐がため息をつきながらウォウルへと呟いた。
「これはこれは、面目ない」
 どうやら彼――本当に反省したのか、肩をすくめて呟いた。
「あら珍し。ウォウルさんが素直に謝ってるし」
 セルファが驚きの表情を見せると、一同はそれを気にどっと笑った。
「まぁ、色々あったけど、最後はめでたし、ハッピーエンドって事で、いいんだよね?」
 薫は適当に、本当に何処までも適当にそう締めくくる。何せ彼女をはじめ、此処にいる全員が巻き込まれたのだから、呆れられても仕方のない話だ。と、エッツェルがふと気づく。
「そういえば、私たちは今回敵として皆様と知り合いましたが、ご一緒してもいいので?」
「何言ってるのさ、水臭い。元はといえば、ヘラ男が元凶なんだ。何もあんたら責任感じたりする事はねぇさ」
「こた、みんにゃでいっしょに、にゃかよしがいいろ…」
 どうやらコタローも疲れたらしく、がっくり肩を落としながらもそう呟いた。

「あ、来ましたねぇ」
「お疲れ様だったな。みんな」
 そこで、一行を出迎えていたのはレンとレティシアたちである。
「中に和輝たちと進一たちが待ってるぞ、早く来い」
「って、あれ? ウォウルさんて、その人ですよねぇ…無事じゃ無かったんですかぁ」
「これはね、ラナロックさんが撃っちゃった傷だよ」
「「……」」
 託の説明を聞いた二人は、思わず言葉を失った。と、そこで、淳二がふと気づく。
「そういえば二人とも、この人たち見て何も驚かないんですか?」
「あぁ、それなら先に知ってしまった。あそこで寝ている少女から事情は聞いたよ」
「お、何だ。あいつ見ねぇと思ったらあんなところで寝てやがったのか」
 先ほど彼等の偵察にきた少女は、あの後事情をレティシアたちに話した後、疲れて眠ってしまったらしい。
「ま、とんだ災難だったな。みんな。ただし、これからはただの誕生パーティだ。楽しくやろうじゃないか」
 レンはにやりと笑うと、ウォウルだけに言った。 小さな小さな一言を――。

「ひとつ、貸しだぞ」
「ありがとうございます」

 笑い声があり、怒りの咆哮があり、そしてやっぱり笑い声で溢れながら、彼等の災難だった一日は、ドンちゃん騒ぎで幕を閉じるのだ――。



担当マスターより

▼担当マスター

藤乃 葉名

▼マスターコメント

  頑張って早めにアップしようと思っていたのに……申し訳ありません。 お疲れ様でした、藤乃です。

 まずは、ご参加いただき、真に、真に、大変真にありがとうございました。(日本語変ですね)
 そして、本当にすみません!!
 自分としてはずいぶんとのびのび書いてしまった箇所が多く、皆様のアクションとは違った動きになってしまった方もいると思います。
 極力皆様のアクションをメインに考えたのですが……そして頑張って採用したかったのですが……無理な箇所がいくつかあったのでも、申し訳ありませんが…。
 本当にすみません。

 どうでしたか…?(恐る恐る) 少しでも楽しんでいただけたら幸いですが、そこが唯一の不安材料となっております。
 少し戦闘描写を増やしてもいいかなぁ、と思ったのですが、これ以上やるとかなり長くなってしまうので、今回はこのあたりにしてみました。
 出来ればもう少し万全な体制でリベンジを狙っておりますので、また藤乃の書くバトルものに参加しても良いよっと言う方、お待ちしております。
 
 また、ガイドでは「少し長くなるよー」といったテイストのコメントをさせていただきましたが、これでも結構削った方なのです。
 削った結果、こうなりました。次はもっと、妥協せずに出来るようににスケジュール管理等しっかりしていきたいと思っております。
 皆様のご参加、真にありがとうございます。
 またお待ちしておりますので、ぜひ次の機会もお会い出来たらなぁ、などと願って。

 重ね重ねですが、ご参加いただき。本当に有難うございました。 またどこかでお会いしましょう。