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至高のカキ氷が食べたい!

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至高のカキ氷が食べたい!
至高のカキ氷が食べたい! 至高のカキ氷が食べたい! 至高のカキ氷が食べたい!

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●エピローグ

 どんっ、どんっ、どんっとカキ氷屋の店主の前に詰まれる5つのクーラーボックス。
「……本当にこんなに手に入れてきてくれたのかい?」
 呆然と店主はラズィーヤを見た。
「そうですわ! わたくしたちにかかればこれ位容易いものですわ!」
 胸を張り自信満々に言い放つラズィーヤだった。
「どれくらい持つかはわからんが、これだけあれば大分……」
 感動に涙を浮かべる店主。
 氷をこんなに手に入れることが出来て相当嬉しいようだった。
「何も泣かなくともよいのではありませんの?」
 ラズィーヤは呆れてそういった。
「いや、こんな俺のためにここまでしてくれたあんたたちに感謝してるんだよ!」
 男泣きにくれる店主だった。
「よし、あんたらにこの氷精の氷を使ったカキ氷ご馳走しよう!」
 その一言で、暑さに耐え、寒さに耐えながらも、氷を死守、獲得した皆は一斉に活気を取り戻したのだった。

    †――†

「シロップは自分で用意してるんで、氷だけ削ってもらっていいですか?」
 ぽわぽわとした様子でいちるはそういった。
「何人分だ?」
 店主がいちるに聞いた。
「6人分くださーい」
「はいよ、本当に何もかけなくて大丈夫か?」
「はい!」
 いちるはそういって、店主にいちご、ぶどう、みぞれ、ブルーハワイ、それぞれのシロップを見せびらかした。
「はは、これは参った。分かった6人前だな」
 そういって、店主は氷を削り始める。
 ガリガリガリと古きよき製造機が回る音が響き、器に盛られていく、白雪のような氷。
「ほれ」
 一つずつ渡しているが、さすがに1人で6つ
「持つよ、いちる」
 後ろからついて来ていたアイリが声をかけた。
「私も持ちます」
 今にも食べたいといった様子を必死に我慢しているネイジャスも一緒に居たようだった。
「よし、それじゃあ皆待ってるから行こう」
「ええ、行きましょう」
 待たせているいちるのパートナーたちのために急いで氷を持っていくのだった。

    †――†

「……ドリルはやめてくれ!」
 後ろからギュインギュインと音がしたことに恐怖した店主は、モモに注意を促した。
「流石に油が氷に作るのは簡便してくれ、ほんとに。そっちのアイスピックか、包丁つかってくれ……」
「はい……すいません」
 モモはしょんぼりと肩を落として、アイスピックを振りかぶり、
「くっきゃー! くらえ! ムーンサルトアイスクラッシュゥ!!」
 いきなり大声をあげモモは氷を砕き始めた。
「はは、もう好きにしてくれ……」
 店主は諦めモモの好きなようにさせるのだった。
 そんな時店主に声がかけられた。
「カキ氷とは、このように作られるのですか」
 リオンが興味深げに店主の手元を見ている。
「ああ、カキ氷作ってるところ見るのは初めてか?」
 店主は後ろを気にしながら
「ええ、食べるのも初めてですね」
「そうなのか」
 店主が驚いたようにリオンを見た。そして納得した。
 どこかの貴族かと思わせるほどな優美な振る舞いだったからだ。
「あ、おじさん、僕ブルーハワイで。リオンはどうする?」
 北都がそう言って注文した。
「え? この液体みたいなの自由にかけていいんじゃないんですか?」
「リオン、そんなことしたら味分からなくなっちゃうよ? やりたいなら止めないけれど」
 店主から北都はブルーハワイのシロップがかかったカキ氷を受け取りながら言った。
「ちょっと待ってなー。子供用の器に少し盛るからシロップは別にして食べてみるといい」
 リオンの世間知らずぶりに面白くなったのか店主はリオンにサービスをした。

    †――†

「は〜、冷たくておいし〜……」
 ミルディアがカキ氷を一口食べ感想を漏らした。
「口の中で液体になって水を飲んでるみたいだけど、たまに小さな氷の欠片があって本当に美味しいわね」
 セレアナも同じように感想を漏らしている。
「あー、こんな暑い日にこんな冷たいカキ氷が食べられる幸せ……あー……美味い……」
 セレンフィリティはそうそうに一杯目を食べ終わり二杯目へと差し掛かっていた。
「お腹壊すわよ」
「大丈夫よ!」
 セレンフィリティは何の根拠があって大丈夫というのか謎だったがそれでも、カキ氷を食べる手を止めることはしないようだった。
「お腹ごろごろーってなってもあたしは知らないよー!」
 ミルディアがくすくすと笑いながらセレンフィリティに言う。
「この日差しと氷の冷たさでお腹くらい何とか……!」
 水着姿で言う台詞ではないと思うということはこの際黙っておこう。
 お腹を出している時点で冷やしてしまってもいいと言っているようなものだ。
「いやー、ホント美味しいねー」
 レキがブルーハワイのカキ氷を頬張りながら、素直な感想を漏らしている。
 あの頭痛がこないのは、少し物足りない部分をあるだろう。
 だが、一気食いをしているセレンフィリティを見ていると別にこなくてもいいな、と思ってしまう。
「保冷車の中に比べたらマシアルね」
 保冷車の冷気に当てられ暫く日差しの下でぐったりしていたチムチムがそういった。