天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

実録! 空京万博!

リアクション公開中!

実録! 空京万博!
実録! 空京万博! 実録! 空京万博! 実録! 空京万博!

リアクション

■□■3■□■ レブサと騎凛セイカ

そのころ、元・コンロン8軍閥の一人レブサと、
前シャンバラ女王で、フリーターのジークリンデ・ウェルザング(じーくりんで・うぇるざんぐ)
アゾート・ワルプルギス(あぞーと・わるぷるぎす)の父、スイス医師会会長とともに、
ルカルカ・ルー(るかるか・るー)
ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)と、
イランダ・テューダー(いらんだ・てゅーだー)が、案内を行っていた。

ルカルカとダリルは、
伝統パビリオンで開催されたパラミタフードフェスティバルのお土産として、
「笹かま」をレブサとジークリンデ、スイス医師会長に渡す。

「友人が作ったんです」
「味は保証します」
にこやかな笑顔で言うルカルカと、客人への礼節をわきまえたダリルの立ち居振る舞いに、
レブサとジークリンデ、スイス医師会会長も、微笑を浮かべた。
「ありがたい。ご友人にもよろしく伝えられよ」
「どうもありがとうございます。リコたちと、大切にいただきますね」
「どうもありがとう。
日本の食べ物にはいろいろおいしいものがあると聞いていたから楽しみだよ」

「スイス医師会会長、現在パビリオンには、
ご親戚のエリザベートさんが招待されているイベントがあるんです。
ご一緒なさいませんか?」
エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)の名を挙げて、イランダが提案する。

「じゃあ、私たちは、レブサ様たちをコンロンのイベントにご案内するわ。
またあとでね」
ルカルカは言い、二組はわかれて案内をすることとなった。

★☆★

そのころ、未来パビリオンのイベント
「コンロンを知ろう!」では。

朝霧 垂(あさぎり・しづり)が、
騎凛 セイカ(きりん・せいか)を招待していた。

シャンバラ教導団第四師団団長にして、
コンロン地域での活動を任されている騎凛セイカは
垂の大切な伴侶でもある。

「セイカ!」
「垂!」
2人は、久々の再会を喜んで抱擁を交わす。

「今回のイベントで、少しでも多くの人にコンロンのことを知ってほしいと思ってるんだ。
セイカにも、皆にいろんなことを話してほしい」
「うん、私にわかることだったら、なんでも話させてください」
笑顔でうなずくセイカに、
ティーカップパンダを引き連れた、
ライゼ・エンブ(らいぜ・えんぶ)がお茶を運んでくる。
「麒麟先生、ひさしぶり!」
出されたのは、コンロン名物の「黄茶」だった。
「のどが渇いただろう?
ここは、万博会場を歩き回って疲れた人たちの安らぎの空間でもあるんだ。
ゆっくりしてくれよな」
「どうもありがとう」
垂に言われ、セイカは幸せそうにうなずく。
こうして、平和なひと時を、大切な人と過ごせることが、とてもうれしいのだった。

「失礼する、黄茶を一杯いただけるかな?」
レーゼマン・グリーンフィール(れーぜまん・ぐりーんふぃーる)が、
友人の垂を訪ねてやってくる。

「自分たちが関わっていたコンロンについて
知ろうとする者たちがいるというのはなかなか面白いものだな」
「ああ、この万博で、コンロンを少しでも身近に感じてくれる人が増えたらうれしいよ」
レーゼマンと垂が、微笑をかわす。

ライゼが、イベント会場の真ん中にある
「鈴なりティーカップパンダの樹」から、
お客にティーカップパンダを選んでもらっている様子など、
店内のほのぼのした様子を、
レーゼマンはゆったりと見守った。

「こんにちは、たれちゃん」
「お招きに預かり、感謝する。
実に立派なイベントであるな」
そこへ、レブサを伴った、ルカルカとダリルがやってきた。

「よく来てくれた!
コンロンの代表者に、
コンロンに関する歴史や派閥、
他のいろんな状況を話してもらいたいと考えてたんだ。
よかったら、協力してくれないか?」
「うむ。承知した。

では、まずは、コンロンについての近況がまとめられた資料がここに。
これをご覧あれ

垂の提案に、レブサは承諾して、
資料を配布し、話し始める。

「現在、8軍閥は解体し、帝を中心として復興が進められている最中である。
首都はじめ荒れ果てた各都市の復興作業、かつて栄えた飛空艇貿易の再開などが、
行われているところだ。

しかしながら、今なお、
高くそびえし、コンロン山から噴出す黒煙と、
西の空域より流れ来る厚い雲のため、
コンロンは深い闇に沈んだ常夜の世界のままである。

ひとたび、都市部を離れれば、
依然、様々なアンデッドが徘徊し、空には雲海から流れてくる魔物も飛び交っておる。

こうした、アンデッドや魔物の討伐、
敵勢力の残党狩りも盛んに行われ、
国は討伐隊や傭兵志願者を募っている、というのが現状である」

資料を読み上げつつ、レブサが説明する。

レーゼマンも、その話を聞き、
改めてコンロンの現状へ想いを馳せた。
隣では、ジークリンデも興味深そうに聞いている。

その後は、セイカも、
シャンバラ国軍の少将としての立場から、
コンロンについての話をわかりやすく伝えてくれたのであった。