リアクション
ゲストコーナー 「少し待っていてくださいね。準備がありますので」 会場では長いCMが流れ、シャレード・ムーンも机をステージ袖に移動させていきました。 代わりに、中央にマイクスタンドが立てられ、背後のスピーカーが調整されます。 「何か始まるのですかぁ?」 神代 明日香(かみしろ・あすか)がわくわくしていると、ホールの照明がスーッと暗くなりました。 『よし、それじゃ行くよ!せーの!インパクトメロディ!』 CMあけにジングルが流れると、会場の照明が落ち、シャレードムーンをぽっとスポットライトが照らしだしました。 「それでは、ゲストコーナーです。秋葉原四十八星華の騎沙良詩穂さんをお招きしました。さあ、ミニコンサートをお楽しみください!」 シャレード・ムーンが紹介すると、彼女を照らしていたスポットライトが消え、代わりにステージ中央をいくつものスポットライトが明るく照らし出しました。その光の中に、騎沙良詩穂が立っています。 「みんなー、空京大学音楽ホールへようこそー。そして、ミッドナイトシャンバラ公開録音へようこそー。楽しんでるー?」 騎沙良詩穂が会場の方へとマイクをむけました。 ちらほらと野太い声が返ってきます。 「じゃあ、いっくよー。最初の曲は、『Comet☆Day』!」 バンと音楽が鳴り響くと共に、ステージが明るく照らし出されました。バックバンドの演奏と共に、騎沙良詩穂が歌い出します。 「ずっとそのままの輝きで 僕らに希望を残すComet☆Day 光放て運命のその日まで 僕らに希望をください いつ出会えるか分からない運命の歯車が回りだす 刻一刻と迫る希望の光が動き出す 守るべき大切な人と手をつなぎ微笑みかける ずっとそのままの輝きで僕らに希望を残すComet☆Day 光放て運命の日まで僕らに希望をください 夜空で出会う美しきComet 世界を変えるミラクル 時間の中で芽生えるハート 僕と君とをつなぐイベント この広い宇宙の中でCometにめぐり合えた偶然 愛してると誓いながら君と二人で帰ろう 一生に一回のComet☆Day 君と一緒に見れたダブル・ミラクル 僕は絶対に忘れはしない この瞬間を… どんなに辛い出来事が僕らを引き裂いても あの瞬間がつなげてくれる!ありがとう希望のComet ずっとそのままの輝きで 僕らに希望を残すComet☆Day 光放て運命の日まで 僕らに希望をください」 「わーい、これは嬉しいサプライズなんだもん♪」 首を左右に振ってリズムを取りながら、松本恵が言いました。 「ずるい、私も歌いたかったのに……」 多比良幽那が、ちょっと悔しそうに言います。同じアイドルとしては、ちょっと出し抜かれてしまったかのようです。 『へへえ』 「ほう」 キャロル著・不思議の国のアリスとネロ・オクタヴィア・カエサル・アウグスタはというと、あまり興味がなさそうです。 「それじゃあ、続いての曲は……」 ステージ上では、騎沙良詩穂が次の曲を歌い出しました。 ★ ★ ★ 「騎沙良詩穂さんでしたー。ありがとうございましたー」 三曲ほど歌って、騎沙良詩穂のミニコンサートが終了しました。 「さて、まだゲストはいますよー」 CMを使って、またレイアウトが変更されました。 今度は、ステージ中央に長テーブルがおかれました。 「週刊少年シャンバラの売れっ子漫画家、土方歳三先生です」 シャレード・ムーンが、次のゲストを紹介しました。 「ここで、ミニサイン会を行います。フアンの方がいらっしゃいましたらステージへどうぞ」 「なんですとー!!」 ガタンと音をたてて、悠久ノカナタが立ちあがりました。 「まだフアンだったのか……」 そのままステージへ全速で駆けあがっていく悠久ノカナタを見て、緋桜ケイが小さくつぶやきました。 「うおおおおお、生原稿があ! 直筆の色紙があっという間にできあがっていくう!! なんと、なんと凄いのだ」 ステージ上からは、悠久ノカナタの歓喜の叫びが聞こえてきます。緋桜ケイはあえてそれを無視しました。 「うふっ、うふっ、うふふふふふふ……」 戻ってきた悠久ノカナタは、この上もなく御満悦でした。描いてもらった色紙をしっかりとだきしめています。 「なお、先生は、アシスタントの募集もして……」 「なんですとー!!」 シャレード・ムーンの言葉を最後まで聞かないうちに、再び悠久ノカナタが立ちあがりました。 「カナタ、落ち着いて……」 とにかく座れと、緋桜ケイが悠久ノカナタの肩をつかんで座らせようとしました。 「いいや、さっそく応募を……」 すぐさま、また悠久ノカナタが立ちあがります。 「落ち着けー!!」 「いったい、どこがいいんだろうな。たかが漫画だろ」 ほとんど興味のない源鉄心が、ちょっと呆れたように言いました。 「いいじゃないですか。フアンの人がいるんですから」 「そうですわ。鉄心は、本とか読まなすぎですわ。たまには私のことも読んでほしいものですわ」 だからだめなんだと言いたげな、ティー・ティーとイコナ・ユア・クックブックの二人です。 |
||