リアクション
『事件の結末……の前に、新たな事件の始まり』
(どうしよう……ルイ姉の所にも戻りにくいし、フィル君にはとても会えないし……)
照明の光も差し込まない暗い路地で、フレデリカが一人、膝を抱えてしゃがみ込んでいた。
「あぁ、よかった。まだ帰ってなかった」
聞こえてきた声、それだけで誰か分かったフレデリカが、でも顔を上げられない。
なんて顔をしていいか、分からない。
「えっと……ありがとうございます。僕のことを心配してくれたんですよね」
降ってきた声に、フレデリカは改めて思い知る。フィル君は優しくて、格好良くて、そして……こんなにも私の心を揺り動かす。
「フィル君……」
顔を上げたフレデリカへ、フィリップの手が伸びる。伸ばしたフレデリカの手が、ようやくのことでフィリップの手に触れようとした瞬間――。
『――――――――』
それは決して、好ましくない感覚。胸の中をかき回されるような気持ちの悪い感覚を覚え、二人が警戒感を露わにする。
「一体何が――」
呟くフィリップ、答えは『イナテミス精魔塔』から全体放送で呼びかけられた声が教えてくれた。
『イルミンスール上空に、浮遊都市と思しき物体が出現! 同時に大量の魔族が、イルミンスールを包囲している!!』
『就寝名誉魔法少女豊美ちゃん! 3』完
猫宮です。
『終身名誉魔法少女豊美ちゃん! 3』、いかがでしたでしょうか。
結構、1回で書き切れなくて「次に続く!」的な描写が多くなりました(汗
それだけ皆さんのアクションが魅力的だったからだと思います。
さて、『終身名誉魔法少女豊美ちゃん!』シリーズも、次でラスト。
最大のピンチに、豊美ちゃんと魔法少女は街の平和を守るため、飛び立つ――。
……な、展開になると思います(ぉ
それでは、次の機会にまた、どうぞよろしくお願いいたします(ぺこり