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【神劇の旋律・間奏曲】空賊の矜持

リアクション公開中!

【神劇の旋律・間奏曲】空賊の矜持
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リアクション

 
 
それぞれの部隊班が与えられた作戦を繰り広げる中
各所に合図を送った強襲突破部隊
ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)を指揮官とするルカルカ・ルー(るかるか・るー)の教導団も
大型ドックを前に戦闘を開始していた

 「狼煙は上がったんだ、遠慮なく燃やすぜ!」

カルキノス・シュトロエンデ(かるきのす・しゅとろえんで)が叫びと共に【天の炎】でドック内の船に火をつけていく
混乱するドック内の空賊達を射撃で鎮圧しながら
ダリルは後方に控える九十九 昴(つくも・すばる)に叫んだ

 「ここでの役目は、あの巨大な搬入扉を破壊する事だ!
  突破口を開いて後続につなげる、道を頼む!!」
 「心得た!いくわよ白夜!天地!」

舞い上がる火柱の間に抜け道を見つけ出し昴は【光竜『白夜』】に乗ってドックの奥に突入する
巧みに炎を掻い潜りながら船舶整備用の重機を潜り抜ける様は見事という他無かった
だが流石に最大級の入り口だけあり、控えていた護衛の数も多く
扉の前には停泊している飛行船のマストから、そして足場から銃撃が繰り広げられている
白夜をマストの方に飛行させながら昴は後方の九十九 天地(つくも・あまつち)に叫ぶ

 「私は上を何とかします!天地は下の迎撃を!」

マストを目前にギリギリまで飛翔速度を高め、一気に昴は白夜の背から跳躍する
思っても無い行動に男達が面食らう中、大きな弧を描いてマストギリギリをすれ違う
刹那……【アルティマレガース】の補助でかかった不規則な回転と共に
マストもろとも高速の連撃が男たちを襲い、銃撃は鎮圧される
そのまま舞う様な落下と共に、飛翔していた百夜の背に着地した

 「空を舞い、戦う……昔は考えもしなかったわね」

全ては共にいるこの愛しの竜と出会った故……その想いに答えるように白夜が誇らしく鳴き声をあげた


一方の天地も【クリムゾンブレードドラゴン】の紅蓮を駆り、下方の足場に飛翔する

 「邪魔で御座いますよ」

こちらは一転して【ファイルナルレジェンド】をすれ違い様に発動させた
大きな爆発と共に足場ごと男達が吹っ飛ばされる
容姿と反した自分以上に過激な攻撃にカルキノスすら呆気に取られるが
それこそダリルが求めていた事だった

 「一気に扉を爆破する!天地、援護を頼む!タイミングを合わせろ!」

【機晶爆弾】を投擲する準備をしながらダリルが天地に呼びかける

 「カウント行くぞ!3・2・1!」

タイミングをあわせて投げられたいくつかの【機晶爆弾】が弧を描いて扉の方へ飛んでいく
爆弾が扉に到達する直前に天地の跨る紅蓮から【弾幕援護】を兼ねたブレスが吐き出され
命中した爆弾が轟音を立てて次々と誘爆し……イコンすら容易に通さぬ巨大な扉が破壊された
その様子にガッツポーズを決めながら、ルカルカはダリルと共に【ダークバルキリーの羽】を展開させる

 「道は開いた!
  淵!最後の投入班に連絡して!これよりルカ達は首魁の討伐にミッションを移行します!
  ダリル!エースから情報は!?」
 「確認している!今からそちらにデーターを送る!いくぞ!」

【銃型HC弐式】に映し出されたガイナスの所在を確認しながら
ルカルカとダリルは扉の中へ飛翔する
【強化翼】を広げたカルキノスや淵に続き、昴と天地の竜も後を追って扉の奥に消えた
 
 
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 「ルカさん達から通信!道は作ったって!そっちは大丈夫!?」
 『ああ、むしろ待ちくたびれた位だな。ここまで来たら正面からの戦争も同じだ
  焦らされた分派手に暴れてやるさ!!』

通信機の向うで意気揚々と答えるレン・オズワルド(れん・おずわるど)の声を聞き
茅野瀬 衿栖(ちのせ・えりす)は傍の木の影に待機させている【ジェットドラゴン】に跨った
すでに騎乗しているレオン・カシミール(れおん・かしみーる)が心配げに彼女に声をかける

 「これから先は乱戦だ、レン達が正面から敵を引き付けてくれるとはいえ
  全方位が空賊と思ってもいい……それでも大丈夫か?」
 「大丈夫っ!今日の私は山猫……悪い空賊を成敗する赤い山猫…よし!」

目をつぶり、頬をぺちぺちと叩いて気合を入れた彼女の顔にはもう迷いは無かった
それを確認し、レオンも決意を新たにする

 「これも乗りかかった船、というやつか……
  衿栖、【銃型HC】をこっちに、ナビゲートは私がする。言ってくれ!」
 「オッケー!さぁ、スニーキングミッションスタートよっ!」

【隠れ身】のスキルに包まれ、衿栖の【ジェットドラゴン】がアジトを目指して天高く飛翔した