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リアクション
★ ★ ★
「あ、あのー、よ、よろしくお願いします!」
「おう、よろしくお願いされるぜ」
ぺこりと花柄のAライン水着にパーカーを羽織ったアルテミス・カリスト(あるてみす・かりすと)さんにお辞儀されて、丹羽 匡壱(にわ・きょういち)くんがドンと胸を叩きました。
「あの、あのー、私、お化けって、にが、苦手なんです……」
「ああ、いいって、いいって、俺が退治してやらあ」
「でも、本物じゃないはずですから……」
「手加減はする……つもりなんだけどなあ。まあ、とにかく行こうぜ」
そう言うと、丹羽匡壱くんが、先に立って歩き始めました。
「どんどんと、飛ばしますよぉ〜。避けられますかぁ〜。えーい」
神代明日香さんがまたコンニャクを投げつけます。
すぱーっ。
丹羽匡壱くんが、一刀両断にコンニャクを切り捨てました。
「なんで、ばれるんですぅ」
神代明日香さんが悔しがりますが、さっきから迎撃されたコンニャクが地面に落ちていますから、ここでコンニャクが飛んでくるのはバレバレなのでした。
意気揚々と進んで行く丹羽匡壱くんと、それに静かについていくアルテミス・カリストさんでしたが……。
「地面に、地面に謎のくねくねぷるぷるがあ!!」
またもや、またたび明日風(木曾義仲)くんです。
「きゃああぁぁ!!」
撥ね飛ばされそうになって、きゃあとアルテミス・カリストさんが丹羽匡壱くんにひっつきました。おかげで、ぎりぎりまたたび明日風(木曾義仲)くんが切り捨てられずにすみます。運がいいです。
海岸に出ると、まだ瀬山裕輝くんのドッペルゴーストが待ち構えていました。
「うらやましいぞぉ〜。くっつ……!」
ずんばらりん。
丹羽匡壱くん、容赦なく切り捨てます。
「なあ、怖くないだろ」
「ええ、まあ……」
切っちゃったけど、いいのだろうかとちょっと思うアルテミス・カリストさんでした。でも、今のはどうみても使い魔でしたから、いいのでしょう。
少し進むと、またドッペルゴーストがいました。
「これをやっつけるんですか?」
「もちろん」
きっぱりと丹羽匡壱くんが答えます。
「うらやましいぞぉ〜。もっと……!」
ずんばらりん。
「あ、あいつらー! 恨むぞぉ、妬むぞぉ」
これ以上手下を殺られてはたまらないと、瀬山裕輝くんがあわててマリオネットを回収しました。
「さて、先に進むか」
「はい」
そう言うと、二人は無事に洞窟を通って祠に貝殻を収めました。