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カオス・フリューネ・オンライン

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カオス・フリューネ・オンライン
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〜 Last phase 〜
 
 「……で、これだけ頑張ったけど、案の定カオス達のデーターは取れなかったってわけね」
 「無理もないさ、ああやって目の前で消滅させたんだ……ログとしての痕跡はあっても、あとは欠片も残ってないさ」
 
全ての戦闘が終わり、卜部 泪(うらべ・るい)から報告を聞きながら
コントロールルームでルカルカ・ルー(るかるか・るー)ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)は軽い溜息とともに会話をしていた
フリューネ・ロスヴァイセ(ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ)をコアとした【カオスフリューネ】に全てのデーターのメイン部が集積され
救出条件が撃破となった展開上、リアル残留組の多くが目的とした【彼女達のデーター救出】は不可能となった

それでもローグ・キャスト(ろーぐ・きゃすと)茅野 菫(ちの・すみれ)シャーロット・モリアーティ(しゃーろっと・もりあーてぃ)が頑張ったようで
救出された(というより、撃破したカオスの座標に出現した)フリューネのデーターに僅かに残ったそれを確保は出来たらしい
……もっとも、それは完全にアバターのコスチュームデーターでしかなかったが菫あたりはそれでも満足だったらしい
 
そんなわけで、中央コントロールルームの大型モニターには
盛大にそのアバターデーターで着替えをさせられているフリューネの姿が写っていた
ドレス姿というのも貴重であったが、改めてチャイナや着物姿というバラエティ溢れる姿のオンパレードに激戦の苦労も癒されるのか
それともそれ位見ないと割に合わないのか……多くのプレイヤーはまんざらでもない様子で
特に師王 アスカ(しおう・あすか)シルフィスティ・ロスヴァイセ(しるふぃすてぃ・ろすう゛ぁいせ)は満足そうだ

 「こうやって見ると手の込んだ作りよね〜参考になるわぁ」
 「あの……そんなに見られると恥ずかしいんですけど」
 「ふふふふ、散々皆さんに迷惑をかけたんだからそれ位するべきでしょう?フリューネ
  さぁ覚悟なさい、貴重な写真をバンバン撮って……ふぎゅ!?」
 「取ったものは全てシステム側に提出でしょう?
  あまり図に乗ると強制ログアウト執行になりますよ、姉さん」
 
呆れ顔でリカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)がシルフィスティの耳を引っ張る様子に、モニター越しで全員が笑う
予想通り、フリューネには囚われた直後の記憶しか残っていなかったらしい
まぁそれゆえ、どれ程の激戦だったかがわからなかった分責任を感じて、こうした余興に付き合うことを承諾したとも言える
今回は完全な囚われ役だったと考えると、不憫でならない……これが彼女の新しい属性にならぬようダリルは祈るのみである

カオスとの激戦を潜り抜けた者達は、先にログアウトを提案したのだが、顛末は見たいというので至急回復治療を行っている
とりあえず、先行して泪だけがログアウトし、こうして共にモニターで様子を見つめる中、口を開いた

 「それで、黒幕の痕跡は辿れたんですか?」
 「ううん、ダミーというかね〜……見事利用された人……いや、猫ならそこにいるんだけど」
 
そう言ってルカルカが部屋の隅で【反省】の札を首にかけさせられているマネキ・ング(まねき・んぐ)を見ながら会話を続ける
 
 「こっちがコンピュータールームで遭遇したのと、フリューネに化けていたのは同じ存在みたいね
  ウィルスとか第三者のハッキング……というより、独立したネットワークに生息するAIみたいな存在みたい
  まぁアダム君達【チルドレンAI】みたいなものね」
 「成程……っていうか、何ですかその名前?」
 「【我が子】とか【ナビAI】って言うのもなんかアレでしょ?
  混乱したとはいえ、ゲームそのものは存在してるし、もう一度整備した後に日を改めて再会する事になったから
  ついでに正式名称つけちゃえって事になったの」
 「せっかくだから本人達にまかせたら、こんな味気ない名前になったんですけどね」
 
ルカルカの説明に続き、シャーロットが苦笑しながら会話に加わる
その内容に泪も安堵しながら、モニターを見つめる

 「でも、何より皆がこのまま存在できるのがいいですから
  はやくこの世界が整えられて、ちゃんと仲良く出来ると良いですね」
 
言葉と共にモニターの一角を見ると、そこには肩を並べて座るパフューム・ディオニウス(ぱふゅーむ・でぃおにうす)とアダムの姿があった
 
 
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 「ありがとね、色々協力してくれて……助かったし、楽しかった」
 「うん、僕もだよ……パフュームお姉ちゃん」
 
賑やかな面々を背に、塔のテラスに座って目の前の風景を眺めながらパフュームは傍らの少年に礼を述べる
アダムも埃で汚れた顔をこすりながら照れくさそうに返事をした
そんなあどけない仕草でありながら、どこか遠くを見つめるような眼差しの彼に、パフュームはそっと言葉を続ける
 
 「やっぱり……ゲームとはいえ、同じ存在が消えるのは辛い?」
 「まぁ……いい気持ちじゃないのは確かだけど……でも僕達とカオスは違うから」

言葉を続けながら、目線を部屋の一角にアダムは向ける
そこには騎沙良 詩穂(きさら・しほ)と会話をする【詩音・シュヴァーラ】の姿があった
その周囲にも月美 あゆみ(つきみ・あゆみ)と抱擁を交わす【月美 愛】
冬蔦 日奈々(ふゆつた・ひなな)冬蔦 千百合(ふゆつた・ちゆり)に囲まれる【冬蔦 奈千】の姿
きっと彼の中では全ての仲間と繋がっているので、見えないところでの仲間の親との逢瀬をみているに違いない
 
 「さっき戦ってる中でも話したけど
  僕達は親にちゃんと望まれてこの世界に生まれたんだ、ちゃんとこの世界で生きていくために
  そうじゃなく、一つの目的を成し遂げる為に生まれたのがカオス達……その目的に殉じるのが彼女の望みだとしても
  僕達はそれを望まない、ちゃんと生きようという意志がある……自分達で考える心を貰ってる……だから大丈夫だよ」
 「そっか……うん、そうだよね」
 
頷くパフュームの隣で立ち上がり、アダムは手を差し伸べる
 
 「この世界がある限り、僕もみんなも居るし……また会える
  また会おうよ……こんどはちゃんと冒険しよう!どこまでも広がるこの世界で」
 「うん、また会えるのを待ってる……その時はフリューネさんもちゃんと参加してもらおう」
 
アダムの手を握り、パフュームも立ち上がる
そのぬくもりは仮想の存在だとしても、どのリアルよりも暖かい体温
二人はそれを確かめるようにしっかり握ると、未だサービスの犠牲になっているフリューネの傍に向かうのだった



どこまでも可能性の広がる仮想世界 
その時間は今、はじまったばかりである



担当マスターより

▼担当マスター

OGA-SAN

▼マスターコメント

今回当シナリオを担当させて頂きました、OGA―SANと申します。

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。
今回で8回目のマスタリングになりました

とにかく、大遅延でのご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした
完全に過労で倒れ、点滴生活の中……ギリギリの生活だったので色々連絡も不備になりご迷惑をおかけしました
やっぱり健康第一を身にしみて痛感した次第です、本当にすみません

マスタリングですが、久しぶりの最大数の参加でありがたいやら何やら
なんか楽しくぶっ飛んだゲーム……の予定だったのですが
みんなカオスとの【融和&対話】というGN粒子全開なアクションばかりとなり……いいヒトばかりに驚くやら何やら
こちらがゴールとして用意したステージとは結構展開が離れてしまったので
少々ご都合っぽい展開にもなってしまいましたが、それでも皆さんの望んだ結末に近い風にはなれたかなと(滝汗)
 
皆さん緻密な連携のアクションをされた中、敵(ボス)の数が限られているので、効果的なアタックが成立する事を第一に
結構アクションを整理させて頂いてるので、あまり希望のアクションを拾えてない方も居るかもしれません
それでも、皆さんのアクション無しにはクリアできないゲーム、それだけは確かです

とっぱじめから黒幕っぽいのが出ましたが、まぁ後々また出てきたら相手願います
とにかくフリューネ姫の多くの方の愛に敗北です……みんな愛に溢れてますわ、キラキラ眩しい
それでも、やっぱりその想いで物語が動くのは楽しいので、また彼女のシナリオが出たらお付き合い下さい

称号ですが、今回はアクションを大幅に変更する事になった方へのお礼
あと何よりあの不条理メカ軍団の相手に徹して下さった方々に称号を送らせて頂きます(数が多いのでマスター限定で(平謝))
今後ですが、上記のような体調なので少し静養と体調整理を頂きつつ、万全の中でまたガイドを出させて頂こうと思います

まぁこまめにマスターページは更新しようと思いますので、暇な折お付き合い下さい

この度は本当に…本当にありがとうございました