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【ぷりかる】みんなの力で祖国を救え!

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【ぷりかる】みんなの力で祖国を救え!

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 フレンディス達を見送った後。
「ノーン様」
 舞花はエレキギターを準備し終えてからノーンに合図を出した。周りには五人囃子もいる。演奏準備は整った。あとは心のこもった歌を響かせるだけ。
「うん。歌おう、グィネヴィアちゃん!」
「はい」
 笑顔のノーンにグィネヴィアはうなずいた。
「僕も歌うまふ」
 グィネヴィアに頼んで抱っこして貰っているリイムも参加。
「……周りは、心配せず……歌に、集中して」
 日奈々がグィネヴィアが気掛かり無く歌えるようにと声をかけた。
「……はい」
 グィネヴィアはこくりとうなずき、感謝した。
「近くには俺達もいる」
 近くで見回りをしていた陽一が会話に割って入った。
「はい。では、舞花様」
 グィネヴィアはゆっくりと舞花を促した。その表情は友人を助けたいという思いで真剣だった。
「はい。演奏を始めます」
 舞花と五人囃子の演奏の下、三人の歌が響く。
 ノーンの『クリスマスキャロル』の透き通った賛美歌が心を癒し、リイムの『幸せの歌』で仲間達を幸福に包み恐れを緩和する。グィネヴィアの美しい声が二人の歌声と重なる。
「……(本当に色々ありましたけど、いつも人を気遣ってばっかりで今回は特に……私も頑張らなければ)」
 舞花は演奏しながら仲間のために必死に歌い続けるグィネヴィアの横顔を見ていた。そして、関わった三つの事件の事や人を気に掛ける優しい彼女の事を回想し、応援したいと思っていた。その気持ちは自然と舞花の演奏を向上させた。

 歌い始めてしばらく、
「……(グィネヴィアちゃん、心配そう。元気づけなきゃ)」
 ノーンはソフィア達の様子を心配し、顔が曇り始めているグィネヴィアに気付いて元気づけようと『激励』で心を奮い立たせ『震える魂』で自分がここにいるから大丈夫だと励ました。
「……(ノーン様)」
 ノーンの気遣いを知ったグィネヴィアはノーンの方に振り向き、笑みを浮かべた。
 歌は続く。

「あの娘が宵一の好きな人……結構、可愛い娘ね。ただ、私とのフラグが気になるところだけども。まぁ、グィネヴィアさんには私にはない優しさがあるものね」
 グィネヴィアと会った後、ヨルディアは一人相当がっかりしていた。
「……お兄ちゃん、リイムちゃんがいるから大丈夫よ☆」
 コアトーが明るく宵一を励ます。
「何が大丈夫なんだ?」
 宵一は理由の分からない励ましにため息。リイムの調査は完了するまで宵一には内緒にしているのだ。
「……敵の様子を見に行くのか?」
 宵一は、空飛ぶ箒スパロウにまたがっているリース・エンデルフィア(りーす・えんでるふぃあ)に気付いた。
「は、はい。布陣とか伏兵とか少しでも分かればと……でも、あまり分からないかもしれません。気付かれない程度までですから」
 リースはおどおどと答えた。
「それでも頼りになるよ☆」
 コアトーは笑顔で励ました。
「あ、ありがとうございます。えと、行ってきます」
 リースは『ディテクトエビル』を使用し、後方支援組を狙う敵がいないかを空や森を遠目や木や岩の影に隠れながらざっくり捜索した後、静かに本拠地に戻って来た。

「……敵はいた?」
 コアトーが戻って来たリースに訊ねた。
「えと、はい。空に……もう少ししたらこちらに来るかもしれません。後方支援を潰されてしまったら、前線の人達が困ってしまいます」
 リースがどもりながら宵一達に状況を説明した。
「……そうか。ヨルディア、コアトー、行くぞ」
 リースの結果を聞くなり宵一は動き始めた。後方支援の仲間のため、何よりグィネヴィアのために。
「頑張るよ☆」
「えぇ」
 コアトーとヨルディアも続いた。
「……えと、ナディムさんにも援護を頼みますし、地上は私達が頑張りますから……お願いします」
 リースは宵一の後ろ姿にナディム・ガーランド(なでぃむ・がーらんど)の事も伝えた。今頃、高台で準備をしているはず。

 空中での支援組の護衛。
 宵一はスレイプニル、ヨルディアは聖邪龍ケイオスブレードドラゴン、コアトーは背中の翼で空中での護衛に当たる。
「コアトー、頼む」
 グィネヴィア達を守るために『プロボーク』を使い、攻撃の矛先を自分に向けてからコアトーに指示を出す。
「任せて☆」
 コアトーは『フォースフィールド』で魔法攻撃半減の力場を作り、宵一を守る。
 それから宵一は神狩りの剣で相手の言葉を奪い、次々と打ち倒していく。
 ヨルディアもまた『群青の覆い手』を使い敵を波に飲ませる。
 その時々に
「……ナディムさん」
 リースは上空を見上げてナディムの援護に安心していた。

 高台。

「……援護を始めるか」
 ナディムはマーガレット・アップルリング(まーがれっと・あっぷるりんぐ)が『風の便り』で教えてくれた敵に見付かり難い高台に猫天我弓を構えて立っていた。空から従龍騎士接近の知らせをリースから伝えられたのだ。
「……少しは手助けになりゃいいけど。しかし頑張ってるなぁ。まぁ、好きな子は守りたいよな」
 猫天我弓で『ブラインドナイブス』を使い、射落としていく。その最中、戦闘中の宵一が目に付くナディム。老魔女事件で行動を共にしたので宵一のグィネヴィアへの気持ちは知っていたりする。

「……この調子なら」
 ヨルディアはナディムの援護により射落とされていく従龍騎士を見やりながら自分達の戦いが順調ですぐに終わるだろうと考えていた。
「……気を抜くなよ。敵は次々と来る」
 宵一はうなずくも油断はしない。向かって来る従龍騎士を打ち倒し、地上へ落としていく。

 地上。

「……(リーダー頑張るまふ)」
 グィネヴィアに抱っこされているリイムは歌いながら心の中で仲間を応援していた。
「……」
 そして、グィネヴィアも歌いながらも心配となぜだか不安の色が浮かんだ瞳を宵一に向けていた。その不安の瞳はこの騒ぎの心配とは少し違うようにリイムには見えた。

 リイムはこの事件後、宵一にグィネヴィアについて報告をした。その内容は、登場の際に宵一にかけた言葉や戦闘中心配そうに見ていた事、嫌われていないのは確かである事など。最後に騒ぎへの心配とは違う不安が瞳に浮かんでいた事も付け加えられた。
 その事に対してヨルディアがもしかしたら宵一が好意を抱く相手が人に迷惑を掛けてばかりの自分で相応しいのか考えているのではと宵一に提言してコアトーは頑張ってと宵一を励ましたという。ちなみにグィネヴィアと宵一はこの事件の間中まともな会話は出来ずじまいだった。