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【第五話】森の中の防衛戦

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【第五話】森の中の防衛戦

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 同時刻 迅竜 通路
 
「被弾……ッ!?」
 廊下を歩いていた大熊 丈二(おおぐま・じょうじ)は咄嗟に対ショック姿勢を取った。
 そのおかげで転倒を免れた丈二。
 艦内警備の最中で気を引き締めていたのが幸いした形だ。
 
「でも、これだけの衝撃だと……直撃クラスってことになるよ」
 同じく対ショック姿勢を取って大事を回避したヒルダ・ノーライフ(ひるだ・のーらいふ)が深刻な顔で言う。
 彼女は丈二の相棒だ。
 丈二と同じく艦内警備に従事していたおかげで、彼女も咄嗟の対応ができたのだろう。
 
 ――迅竜の乗艦条件を緩和した事で、反乱分子が迅竜に堂々と乗り込むことが考えられる。
 そう懸念した丈二とヒルダは、今回も艦内警備を担っていた。
 
「衝撃のあった方向を考えれば……被弾個所は格納庫か」
 冷静に事態を分析する丈二。
 教導団員として模範的な行動だ。
(それにしても……甲板には盾竜。加えて護衛艦としてArcemも随伴している状況で被弾を許すだろうか……?)
 僅かに疑問が頭を過るも、すぐに丈二は頭を優先事項に切り替えた。
 
「消火設備が起動しているとは思うが、念の為に人員を急行させるわね」
 同じくヒルダも冷静に事態へと対処する。
 無線機で連絡を取っていたヒルダだったが、驚きの余り思わず口を噤んだ。
 
「どうした?」
 相棒の異変を感じ取った丈二はすかさず問いかける。
「整備班からの報告によれば……さっきの衝撃は外部からの被弾じゃなくて、内部からの攻撃によるものだそうよ……」
「なんだと……!」
「庭坂機が格納庫内にて発砲。艦体壁を破壊した後、現在も破壊活動を継続中。已むを得ず整備班は格納庫外に避難したらしいわ」
 
 顔を見合わせる丈二とヒルダ。
 無言で頷き合うと、二人は格納庫へと駆けだして行った。