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【創世の絆】銀行強盗ゲルバッキー

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【創世の絆】銀行強盗ゲルバッキー

リアクション

一方そのころ。

ポータラカ人の椿 更紗(つばき・さらさ)は、
ナノマシン拡散状態で銀行の内部に潜入した。

パートナーの
及川 翠(おいかわ・みどり)
ミリア・アンドレッティ(みりあ・あんどれってぃ)
スノゥ・ホワイトノート(すのぅ・ほわいとのーと)たちは、
外で隠れて待機する。
人質の居場所がわかったら突入する手はずである。

「それにしても……
みんなこんなことばっかりするから、ポータラカ人達の印象が悪くなるのです!
本当に、ポータラカ人はろくな事しないのです……」
ゲルバッキーの行動に対し、更紗はぼやく。
ポータラカ人の名誉を回復するためにも、
人質のためにも、
事件を解決しようと、更紗は思った。


他方、【シャンバラ教導団少尉】ハインリヒ・ヴェーゼル(はいんりひ・う゛ぇーぜる)は、
パートナーの川原 亜衣(かわはら・あい)とともに、
銀行に潜入していた。
もう一人のパートナーの鶴 陽子(つる・ようこ)は、
アンズーのフルンズベルクに乗り、
銀行の地下を、エレベーターの下を目指し、掘り進んでいる。
「……銀行の地下までトンネルを掘り進めるなんて、
まるでギャング映画ね。
これじゃあ、どっちが銀行強盗なんだか、
わからなくなっちゃう……」
陽子は、一人でイコンを動かしているため、
動力は二人乗りの際にははるかに劣っているが、
戦闘が目的ではないので、特に問題はない。

掘削用ドリルとハンマーで慎重に掘り進み、
地下エレベーターの下までトンネルが開通すると。

「よし、みんな、こっちだ!」
ハインリヒが、他の像賊に気づかれないよう制圧した地下フロアを通って、
人質たちを誘導する。
「お年寄りや小さい子はあたしと一緒に!」
亜衣が、トンネルに降りる作業を手伝う。
天女の羽衣の力で飛行し、穴に一緒に降りていく。

自力で降りられる者たちは、命綱をつけ、
ゆっくりとトンネルに降りてもらっていた。
「よし、慌てずに、ゆっくりとな」
ハインリヒが人質にされていた人たちに声をかける。
契約者が助けに来てくれたことに安心したのか、
特に大きな混乱はなく、
順調に人質の解放を行うことができていた。

内部でも戦闘を他の契約者たちが行ってくれているおかげで、
人質の監視が手薄になっていたのもある。



【シャンバラ教導団中尉】ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)は、
パートナーの
グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー(ぐろりあーならいざ・ぶーりんてゅーだー)により、
銀行内部の情報を得て、
変装を行い、銀行へと潜入していた。

「吉井真理子に話を聞ければと思っていたが、
すでにゴアドー島にゲルバッキーを追って行ってしまったのか。
銀行の中に詳しいと考えていたのだが……。
まあ、しかたない。
空京警察からの情報だけでも、
充分な内部情報を得ることができたからな。
頼んだぞ」
グロリアーナに見送られて、
ローザマリアは、スパイマスクαを装着し、別人の姿になる。
さらに、その下には、イナンナなりきりセットも装着しているため、
二重に覆面を施していることになる。

派手に割られた窓ガラスから侵入するのは簡単であった。
光学迷彩とベルフラマントで姿と気配を消した状態で、
ローザマリアは、
人質が集められた場所を探し出す。

そして、女性銀行員の一人に近づき、耳元にそっと話しかける。
「助けに来たわ」
「あ、あなたは!?」
「しっ、静かに。私の言うとおりにして」
こうして、ローザマリアは、
女性銀行員に、見張りの像賊にトイレに行きたいと言わせる。
「ああ!? めんどくせえな……」
像賊はイラつきながらも特に疑う様子はなかった。
狂血の黒影爪で、ローザマリアは銀行員の陰に潜み、
廊下の監視カメラの死角で、
見張りの像賊をあっというまに倒し、ヒプノシスで眠らせる。

「じゃあ、あとは私に任せて」
銀行員の女性にはロッカー室に隠れてもらい、
服を貸してもらうと、
ローザマリアは、見張りの像賊を1人ずつ倒していく。

「楽勝ね」
ローザマリアの力もあり、
内部の像賊たちは、少しずつ倒されていった。


(理子さんの想いを否定し、地球の人達との絆を引き裂こうとするなんて……)
酒杜 陽一(さかもり・よういち)は、
想い人である高根沢 理子(たかねざわ・りこ)の番組である、
『コントラクターズ&イコンズ』で築いた、
地球の人たちとの絆を壊されそうになったことに怒りを感じていた。
もちろん、何の罪もない人質を巻き込んだことにも強い憤りを感じている。

光学迷彩とブラックコートで侵入した陽一は、
像賊を一人ずつ無力化して、
縛って適当な部屋に閉じ込めていった。

「もう、大丈夫だ、みんな。
まずは、安全な場所に避難しよう。
像賊がいて戦闘の行われている外にこのまま出るのは危険すぎる」
「じゃあ、どこに逃げればいいんですか?」
「銀行の中で一番頑丈なのは、金庫だ。
空京の銀行の金庫室なら、
契約者の犯行を想定した地球以上のセキュリティで守られているはずだ。
それに、外への通信装置もあるはずだ」

陽一は、人質にされていた人たちを、
幸せの歌で落ち着かせながら、
金庫まで誘導して、
扉を閉め、自分は入り口を見張る。
密室で人質にされていた人々の精神的負担が増さないように、
連れてきていた、わたげうさぎと
ももいろわたげうさぎになぐさめてもらうという配慮も忘れない。


かくして、人質が安全に避難できたのを、
椿 更紗(つばき・さらさ)が、
パートナー達に知らせる。

「よーし、じゃあ、犬さんに捕まってた人質さんたちが無事になったの!
こうなったら、銀行強盗さんたちをやっつけるの!」
及川 翠(おいかわ・みどり)は、
ミリア・アンドレッティ(みりあ・あんどれってぃ)
スノゥ・ホワイトノート(すのぅ・ほわいとのーと)ともに、
銀行の内部へと潜入する。

「行くわよ!
観念しなさい!」
ミリアが、裁きの光で、銀行内に残っていた像賊を吹き飛ばす。
「ぐわあああああっ!」
さらに、ミリアは、インビジブルトラップをしかけ、
像賊を警戒する。

「人質さんが安全な状況ですからぁ〜、
建物は多少、どうなっても大丈夫ですよねぇ〜」
スノゥが、物騒なことを言いつつ、
迫りくる像賊に召喚獣:サンダーバードやフェニックスで応戦する。
「うわあああああああああああ!?」
「ぎゃあああああああああああ!?」

「ちょ、やりすぎなのーっ!?」
「銀行がめちゃくちゃになっちゃうわよ!?」
翠とミリアがツッコミを入れるが、
スノゥは気にしていない。
「大丈夫、大丈夫ですぅ〜」

かくして、銀行内の像賊も、次々に制圧されていくのであった。