リアクション
決勝戦 フリングホルニ・スイカ VS ウィスタリア 「さあ、ついに決勝戦となりました。いったい、誰がここまで登り詰めると思っていたでしょう。イコナ・ユア・クックブック指令官が指揮するラブリー・キュートな機動戦艦、フリングホルニ・スイカ! 対するは、実績は充分、H部隊最後の生き残り、美しき機動要塞ウィスタリア! さあ、この戦い、どう見ますか?」 「白いイコンが勝つわ……」 なんだか意味ありげに、ラブ・リトルが答えた。 「いえ、そういうのはいませんから。コア・ハーティオンさん、お願いします」 「了解した」 「ああっ、ちょっと、あたしはまだ言いたいことが……もがふが……」 暴れるラブ・リトルを、問答無用でコア・ハーティオンが連れ出していく。 「そうですね、戦闘経験から言うと、圧倒的にウィスタリアが有利ですが、イコナ・ユア・クックブックさんのビギナーズラックだけでここまでのし上がってきた強運も、戦いには必要な物です。特に、味方の命をなんとも思わない非情な攻撃方法、あれは侮れません」 なんとか、高天原鈿女がまともな解説をする。 「そうですね、それでは、いよいよ試合開始です。皆さん、よろしいですか。最強軌道要塞戦、決勝戦、レディー、ゴー!!」 ★ ★ ★ 『相手は、ベテランだ。注意して、敵の出方を見るんだぞ』 源鉄心が、ブリッジのイコナ・ユア・クックブックにアドバイスした。 「そんなこと、言われなくても分かっていますわ。それより、イコンデッキのティー・ティー。今回もレガートさんが勝利の鍵ですから、ちゃんとお世話しておくのですよ。ティー・ティー? もう、こんな大事なときに、あのうさうさったら、どこにいっちまいやがってますかあ」 いくら呼びかけても返事のないティー・ティーに、イコナ・ユア・クックブックが軽く悪態をついた。 そのころ、ティー・ティーは第二艦橋で、手下のうさティーたちを集めていた。 「もう、これ以上、イコナちゃんの横暴を許してはおけないうさー」 『うさー』 『うさー』 ティー・ティーの一言一言に、ちびっちゃいうさティーたちが、シュプレヒコールをあげる。 「レガートさんたちのことをなんだと思っているんだうさー」 『うさー』 『うさー』 「私たちの方の描写量を多くしてもらうために、イコナちゃんには退任してもらううさー」 『うさー』 『うさー』 「敵はブリッジにあり、うさー」 『うさー』 『うさー』 「いざ、全軍突撃うさー」 『うさー』 『うさー』 強力なU.T.フィールドを構えたうさティーたちを率いて、ティー・ティーはブリッジへとなだれ込んでいった。 ★ ★ ★ 「まったく、スイカ柄なんてもろに色物なのに、ここまで登り詰めてくるとは。意外となめてかかるとまずいのかもしれないな。ここは、慎重に行こう」 「ええ。今までの対戦相手のやられ方も、なんとなく不明瞭ですし」 ジャマー・カウンター・バリアを展開しつつ、敵フリングホルニ・スイカのイコン配置を確認しながらアルマ・ライラックが言った。 それにしても、静かだ。敵には、攻撃する気があるのだろうか。 「買いかぶりすぎもよくないか」 「そうですね。ここはセオリー通りに攻撃していきましょう」 柚木桂輔と相談しあうと、アルマ・ライラックは攻撃を開始した。 ★ ★ ★ 「撃ってきたあ、撃ってきたあ、撃ってきたあ! よおし、ここは、また、レガートさんで逝きますわ!」 そう言うと、イコナ・ユア・クックブックが、今度は自らの手でレガートさん発射ボタンを押した。 「そうは、させないうさ! ああっ、遅かったうさー!!」 それを止めに来たはずが、間にあわなかったことを知って、ティー・ティーが叫んだ。 「何ごとですの」 「司令官の解任を要求するうさー!」 「ちょっ、それって反乱ですわ」 「問答無用うさー。正義は我にありうさー。やっておしまいうさー!」 『うさー』 『うさー』 ティー・ティーの命令で、うさティーたちが一斉にイコナ・ユア・クックブックたちに襲いかかっていった。 「獅子身中のうさぎめ……。負けてはなりませんわ。ブリッジはわたくしたちの物です。行くのです、ミニいこにゃたち!」 『うにゃー』 『うにゃー』 イコナ・ユア・クックブックも、負けじとミニいこにゃを繰り出す。 ブリッジは、うさティーとミニいこにゃたちで収拾がつかなくなっていった。 |
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