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パラくる!!

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パラくる!!
パラくる!! パラくる!! パラくる!! パラくる!!

リアクション


空京と、まなびやと、たくさんの場所

騎沙良 詩穂(きさら・しほ)は、吸血鬼の少女 アイシャ(きゅうけつきのしょうじょ・あいしゃ)の手を引いて、
たくさんの思い出の地を巡っていく。

最初に訪れたのは。

どこまでも広がる蒼い海。
ここは、かつてのサマフェス会場。

海水浴の季節は過ぎて、今は、静かな波の音が響いている。

「ここは、詩穂のアイドル活動でも思い出の場所だよ」
「そうなんですね。当時の映像、残っていますか? 後で見せてくださいね」
「もちろん!」
アイシャに詩穂がうなずくと、
隠されていたスクリーンに映像が映し出される。

「アイシャちゃんにも視聴者の皆にも観てほしかったんだ!」
「わあ……」
詩穂と仲間たちのロックバンドの演奏。
最高に盛り上がった夏の思い出であった。

「皆さん、本当に楽しそう……。
素敵なサプライズ、どうもありがとう」
「ううん、これからは、アイシャちゃんとの楽しい思い出つくりは
まだ始まったばかりだし、
それは皆も同じだよ。
だから、次の夏が来たら、
きっと、海水浴や海の家や、サマフェスや、いろんなことしようね!」
「はい、楽しみにしていますね!」
詩穂の言葉に、アイシャは笑顔でうなずいた。

映像を懐かしみつつ、シーンは次へと移っていく。



アトラス火山にて。

「皆、アイシャちゃんのために頑張ったね」
「ええ。とても感謝しています。
こうして、今、私がここにいられるのはすごく夢のようです」

先日、アイシャを救うため、契約者たちが、アトラス火山に集まり、力を尽くした。

その結果、今、アイシャはここにこうしていることができる。

「これから、いただいた命をせいいっぱい生きようと思います。
パラミタは本当に素敵な場所だって、皆さんに伝えたいです」
「うん、そうだね!」
アイシャの手をそっと取り、詩穂は力強くうなずいた。

理子とジークリンデも口々に言う。
「あたしも、アイシャとパートナーになったことがあったけど、
そうではなくなっても、
これからもずっと大事な友達よ」
「私も、アイシャさんにはとても感謝しています。
記憶はないけど、とても暖かい感情が湧いてくるんです。
どうもありがとう。
これからは、女王から一般人になった者同士、仲良くしてくださいね」
「はいっ」
アイシャも笑顔で返事をした。

「うん、その笑顔が、詩穂も皆も、大好きなんだよ」
アイシャのこぼれるような笑みを見守りつつ、
詩穂も、目を細めるのだった。