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リアクション
2-06 ナナの想い
もう、戦いは始まっているのでしょうか……
解放後、今度は反撃とばかりに進攻軍が出撃したハルモニアの奥地、ヴァシャの地で皆のことを思う、ナナ・マキャフリー(なな・まきゃふりー)。
ナナも、皆と共に戦ってきたが、終始戦に明け暮れた者らとは途中から離れ随分不思議な体験をしてきたことになる。
とりわけ、前回の出来事を思い返す。
(これで、ヴァシャの地へと消えていく方々は止められたでしょうか……
少しでもナナの歌が……想いが届いてよかったのです。)
今もまだ、不思議な心地である。
この景色のせいかもしれない。
ナナは、ヴァシャ姫と一緒に彼女の城に来ていた。そこから見えるのは、やはり雪の景色だ。
とても安らかな気分だった。心地のよい休息と、食事と、眠りがあり……でも、明日には、ハルモニアまで戻るつもりでいた。まだ怪我の直っていない人たちもいるかもしれないし、それに、前線では戦のまっただなかだろう。
ヴァシャ姫様を無事、留めることができ、送り届けることもできた。自分は自分のやるべきことをできたとも思う。あとはまた、皆を慰労しそして戦いが終わって皆が帰ってきたら……そのときのための場所をちゃんと作っておきたい。
ふと思い出した、枕投げのこと。そういえば、以前、会った当初は姫やぶちぬこ、隊のみなさまではしゃいだものですねえ。つい、振り返る。そして再びその喜びを。と。
それに……ぶちぬこ。
「ぶちぬこ、さん?」
「くーくー」「ねむねむにゃ」
「ふふふ。眠っていますね。よく眠るなあ。やっぱり、そういう土地なのでしょうか。
……」ナナは、ぶちぬこにそっと触れてみる。もふもふ。ふふ……やわらかい。何気にこのまま起きないのでは、なんて思ってしまう。「……。あまり寝てばっかいられても困りますね。眠りぐせでもついてしまっては。この戦いが終わったら、ぶちぬこさんにはきちんと就職してもらわないといけません、ね」
ナナは、ぶちぬこの就職口も開けるかもしれない、と考えていた。
「ふ……ぁぁ。私もなんだか……眠たい、な……もふ、もふ、……明日には、ハルモニアへ帰らなきゃ。皆に、会いたい。
それに、あの人のところにも……この戦いが終わったら、……うん……ふふふ。もふもふ」
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