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砂漠のイコン輸送防衛前線

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砂漠のイコン輸送防衛前線

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 一方、部隊から外れてしまった黒豹小隊の面々は、六黒と対峙する。
「始まったな、ならわしは一足先に、ブツを頂くとしよう……」
 六黒の手が荷台の屋根に触れる。《召喚》で何かを呼びだそうとしている。
「そうはいかないであります!」
 ジャンヌが六黒目がけて、《シャープシューター》を放つが、避けられてしまう。しかし、《召喚》の妨害は出来たようだ。
「莫迦め、それでわしを止められたと思ったか。荷台の内側への《召喚》は成功した」
 六黒の狙いはあくまで、改良型イコンの奪取、そして戦い。奪取のため、味方を荷台内部へと召喚させることにより、両方の目的を同時にこなそうとした。
しかし、それに音子は笑った。
「莫迦はお前にゃ」

 荷台内部に召喚された帽子屋 尾瀬(ぼうしや・おせ)が首を傾げる。
「おかしいですね。ここに新商品の玩具がある筈なのですが」
 尾瀬の疑問に荷台の中で3匹の戦友と待機していたフランソワが答えてやる。
「残念ながら品切れでござる。まあもとより新発売でもないし、おたくに渡す気もござらんよ」
「それは困ります。あなた様を倒して私は別の売り場へと行かなくては」
 【必殺の薔薇】を取り出し、花びらに妖艶な口づけをする尾瀬。《召喚》により悪魔が呼び出される。
「いくよ。ヴィクトワール、フィルママン!」
 2匹の獣を使役し、フランソワが尾瀬に攻撃を仕掛けた。

「なるほど、おぬしらは囮だったか……まあいい、略奪は向こうに任せて、わしはおぬしらを愉しむとしよう」
 下で尾瀬が戦っているのを感じ、黒い笑みを浮かべ、六黒が【龍骨の剣】を構える。
「さあ、ぬしらも力をふるうがよい。護衛と名ばかる力を。何も恥じることは無い。力があるから振るう。敵を求めて振るう。わざわざ他国にまできて、な。ぬしらもそうであろう?」
 六黒は音子たちに、「そうではない」と言わせたいかのように語りかける。護衛とは守る物があるからこそ成り立つ行為。その行動理念を否定し、自らの振るう力の在り方と対立させることで、相手の脆弱さを知らしめるために語りかけた。
 しかし、力の在り方は戦場を経験している音子にとって心底どうでもいい事だ。
「ボクはお腹いっぱいごはんが食べられるなら、任務の内容なんてどうでもいいもんね。だからさぁ、殺し合うなら楽しく殺し合おうよ♪」
 音子、ルノー、ジャンヌが銃口を六黒に向ける。
「そうか。全力でこい。ここが、ぬしらの歩む道の終着点よ!!」
「まるっと成敗しちゃうぞ!!」

「いきなさい! アンデットたち」
 エッツェルがアンデットを使役し、サンドモービルで攻めてくる敵を振り落とさせる。加えて、輝夜とレッドも【ツェアライセン(嵐のフラワシ)】と【30mmレーザーガトリング砲(レーザーガトリング)】で敵の足を狙い、自由を奪う。
 そこへ、ミストが瘴気の獣を襲わせる。
「お客様ですか……ククク……たっぷりと、おもてなし……してあげないといけませんね 
……ククク」
 サンドモービルから落ちた敵をミストの獣たちが喰らった。