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砂漠のイコン輸送防衛前線

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砂漠のイコン輸送防衛前線

リアクション

「わたしも歌でいっぱいいっぱい応援するよ!」
 【ワイルドペガサス】の上からノーンが《幸せの歌》を歌う。味方のSPを回復させ、万全の戦闘態勢にさせる。
《《闇術》つかいます》
 可憐はアリスと協力して、広範囲に闇術を展開し、敵機の視界を奪う。
《いまです皆さん!》
 敵の視界不良を利用して、その隙に生身の部隊を突撃させる。
「通信役だけでなく、なかなかやるな!」
 エヴァルトは二人を褒め、単身近場のイコンへと《神速》で近づく。狙うは近くのイーグリット・アサルト。
(援護するよ。ヴィク!)
 エヴァルトへ、レオがヴィクウェキオーの《テレパシー》を使い呼びかける。
 エヴァルトの周りにヴィクウェキオールの《ミラージュ》が創りだしたエヴァルトの幻影が現れる。
(今のうちに近づくといい)
「これはありがてぇ!」
 エヴァルトは礼を言うと、《軽身功》で更に加速する。アサルトライフルの銃撃を避け、イコンの背後を捕る。敵は彼を見失った。
「おまえの機体情報は知り尽くしてんだよ!」
 イーグリト・アサルトの背中より登った彼は【塗装用スプレー】でカメラの視界を塗りつぶす。バルカンが発射されるが彼を捉えること出来なかった。《轟雷閃》で叩き壊したのだ。
《レオ! 今のうちにやれ!》
 お返しとばかりに、エヴァルトがレオに呼びかける。視界を完全に奪われた敵機は格好の的だ。
「穿て――、ゾディアック・レイ!」
 《鋼鉄の絆》でヴィクウェキオールを装着したレオは、【宮殿用飛行翼】で上空から光条兵器【ゾディアック・レイ】を指弾で発射する。残光を輝かせた硬貨が敵機の肩部を内部から破壊する。
「思ったよりもダメージが低いみたいだね」
 レオはこの戦いにおいて、対イコン戦術を模索していた。そのための実験的攻撃が今の一撃だ。
 遠距離からイコンの機晶エネルギーコーティングと装甲を“切らない対象”にして、光条兵器でダメージを与えられるか。結果としてはダメージが減少した。
「おそらく、コーティングの光輝耐性で半減されたんだね……。ヴィク、今度は近づいて試すよ」

「レオちゃんやるね、めいも頑張らなくちゃ!」
 葦原 めい(あしわら・めい)の言葉に八薙 かりん(やなぎ・かりん)が頷く。
「そうですね、頑張って積荷を守りましょう」
 二人ともパイロットの力量としては皆よりも劣るものの、このミッションを成功させたい気持ちだけは負けてはいない。
 キラーラビットのウサちゃんをトレーラーの近くに配置して、ニンジンミサイルとハンドガンで遠距離攻撃を開始する。
「めい、右舷30°からセンチネルです」
「手加減なんてやってられないよ!」
 弾幕で敵をトレーラーへ寄せ付けさせる気はない。

「行くぞ!」
 久が《龍鱗化》した拳で、真正面から近場のイコンへと突っ込む。相手のイコンは雷火。
 彼に策と言う策はない。タダ、愚直に真正面からの戦いをする。
故に――、
「馬鹿なぁああああッ!?」
 敵のクレイモアの衝撃で吹っ飛ぶ。《百獣の王》と《適者生存》が無ければ、直撃死んでいたかもしれない。
 吹っ飛ぶ久にルルールが《ヒール》をかける。
「ははは、君は実にバカだな」
 吹っ飛ぶ久に豊実は辛辣な言葉をかける。
 久は起き上がると、口の血を拭って、
「まだまだ……!」
 と、また懲りずに雷火へと向かって行った。今度は更に《ヒロイックアサルト》を使うつもりだ。勿論正面から。
「ま、久が納得するまで付き合ってあげるわよ」

 後ろの二人は、とりあえず様子を見て適度に彼を支援することにした。
「陽子ちゃん、芽美ちゃん。イーグリットを狙っていくよ!」
 霧雨 透乃(きりさめ・とうの)緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)月美 芽美(つきみ・めいみ)、は接近戦タイプの敵イーグリットを標的と定めた。
「任せてください」
 陽子が【機晶ロケットランチャー】を構える。【大魔弾『コキュートス』】を敵機に《シャープシュート》する。まずは狙うは足、地面と一緒に氷漬けにして、上空へと逃げられないようにする。その後、装甲へ《朱の飛沫》と魔弾を交互に打ち込んで、熱疲労を起こさせる。
 透乃は敵のサーベルをかわし、超接近戦へと持ち込む。《疾風突き》で、熱疲労箇所の装甲を砕いていく。
「殺るか殺られるか、このスリルがたまらないよね!」
「そうね、あら、逃げようたってそうはいかないわ」
 イーグリットがブースターを炊いて逃げようとするが、それは芽美がさせない。《龍飛翔突》《空中戦闘》にて、後部ブースターを破壊する。
「あはっ、コックピットが壊れたよ!」
 透乃が楽しそうにハッチを殴り壊す。最後は芽美と一緒に《ヒロイックアサルト》で機体も破壊してしまう。
「三人がかりだと楽ですね」
 戦いを愉しむ、二人を見て陽子はうっとりとしていた。