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リアクション
第14章 魔列車の人員募集中!
思うように作業が進まず終わらなかった場合、投資家や資産家、鉄道関連の者たちに投資をやめると言われ、もう1度考え直してもらおうと和泉 猛(いずみ・たける)は根回しをしつつ、交渉していたが・・・。
「さて・・・この状況をどうすればいいのやら・・・」
その途中で環菜たちよりも先に、シャンバラに申請して法的手順を踏み列車の所有権を買い占めた資産家がいるらしいと分かった。
相手が得た所有権をどうにか譲渡してくれないだろうかと、交渉してみたものの、彼女の名前を出したとたん、断られてしまった。
列車を引き上げて修理などの工程が終わったら、すぐに乗れると思っている彼女にも報告した。
「さすがにもう、1人で解決するアイデアもないしな・・・。現場にいる生徒にでも聞いてみるか」
ヴァイシャリー湖付近で魔列車の修理を担当しているエリシア・ボック(えりしあ・ぼっく)に声をかけ、今の状況を話してみると…。
「そんな問題、すぐに解決できますわよ」
「な、何!?本当か・・・?どうすれば権利を取り戻せるんだ!?」
慌てる様子もなくさらりと言うエリシアに、猛は驚いたように声を上げる。
「そもそも、そのような輩が協力しているとは聞いてませんわ。環菜や投資者の魔法学校と百合園の校長と、ラズィーヤの4人が金銭を一切受け取っていないはずですわよ。その輩の存在すら知らないのでは?」
「確かに・・・。4人にそのことについて何も言ってないし、援助者が欲しいと頼まれてたわけでもないからな」
「列車を発見したわけでも、パラミタ内海の土地自体を所有しているわけでもなく。加えて本人の了承無しで行われたことですのよ。そんなもの無効ですわ、逆にこちらが訴えてやりましょう」
牢屋にでも放り込んでやりますわ!と彼女は眉を吊り上げて言う。
「修理の状況はどうでしょう?」
間列車の修理状況が気になり、御神楽 陽太(みかぐら・ようた)は御神楽 環菜(みかぐら・かんな)を連れて、小型飛空挺エンシェントに乗って現場へやってきた。
「エリシア、なんでそんな怖い顔しているんですか?」
彼女と猛の顔を順番に見て、状況を知らない陽太が首を傾げた。
「陽太、間列車の所有権を得たとほざいている輩が現れましたわ」
「権利?それならもう魔法学校の校長と、ラズィーヤさんが所有権を得ているはずですよ」
「ということはやはりその者は、不当に権利を得ようとした犯罪者ということですのね。その輩の特徴を教えなさい!」
「―・・・・・・確か」
猛が外見を説明するとそれは、どこかの悪徳セールスマンのようで、見るからに怪しそうな感じだ。
「分かりましたわ!こやつがわたくしたち皆のものを不当に奪おうとするなら、それ相応の罰を与えてやりますわ!」
そうと分かればやることは1つ・・・と、エリシアは通報しその者を刑務所を送りにした。
他の生徒に知れていたら、その彼は半分ナラカへ逝ったような感じになっただろう。
「困ったわね、ずっと募集してるのに誰も来ないなんて!」
茅野 菫(ちの・すみれ)は鉄道の運営に必要な人員を確保しようとしたが、人材募集をかけても志願者が1人も来ない。
「ラズィーヤさんたちに列車で働いていた運転手とかの子孫がいないか、探してもらったけど見つからないみたいだし・・・」
5000年も前のことだからというのもあって、おそらくその血を受け継ぐ者は絶えてしまったのだろう。
「学生を募集するにしてもあまり気が進まないわ。途中で投げられちゃったら困るものね」
安易に役割を与えて突然来なくなったら困るものね、とため息をつく。
「ともあれ、運転手くらいは他からも募集を続けなきゃいけないわね。運行ストップなんて困るもの」
「誰か応募してきましたの?」
「ラズィーヤさん・・・それが、まだ誰も来ないんですよ・・・」
「環菜さんの夫に頼んでみてはどうですの?」
「えぇ、そうね、とりあえず誰か候補がいないと・・・」
妻の頼みならなんでもこなす彼なら頼めるか?と思い、現場にいる陽太に声をかけにいく。
「ねぇ、列車の運転手をやってみない?答えは今すぐじゃなくていいわ」
「俺が運転するんですか!?もう少し勉強してからお返事しますね」
「事故防止ね。分かったわ、いい返事まってるから」
そう言うと菫はラズィーヤの元へ戻る。
「返事は後ほどらしいわ。それと鉄道会社を設立しようと思うんだけど、どうかしら?」
「今はカゲノ鉄道会社に協力していただいてるので考え中ですわ。設立というよりも、菫さんに利益を上げると面白いイベントを考えてほしいですの」
「それも大事なことよね」
「しばらくは一緒に経費の管理をお願い出来るかしら?」
「えぇ、任せて!」
「後、食堂車の料理担当やそこで働くウェイトレスなども募集をかけて欲しいんですの。対象は今回、魔列車の計画に関わる人でお願いしますわね。エリザベートさんがすでに2名ほど声をかけたみたいですけど」
「アルバイト的なことならいいかもね。それも了解したわ」
募集リストをまとめると菫は頼めそうな者たちを探し始める。
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