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夏最後の一日

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夏最後の一日

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 朝、人気のない砂浜に面したヴァイシャリー湖。

「学園で出された課題はもう済ませていますし、夏休み最後の今日を楽しみましょう」
 泉 小夜子(いずみ・さよこ)は爽やかな顔で湖を見てから隣にいる誘った泉 美緒(いずみ・みお)に話し掛けた。
「はい。今日は楽しんで夏の最後の素敵な思い出にしましょう」
 美緒は伴侶と一緒にお出掛けとあって楽しそう。
 いつまでもただ湖を見つめているばかりではなく
「さぁ、美緒、水着に着替えましょう」
 にこっと隣に振り返った。
「……水着に……そうですわね」
 小夜子は対照的に美緒の表情は戸惑いと恥ずかしさで曇っていた。その理由は肌の露出を好まぬ上に泳げないためである。それなのに来たのは伴侶の小夜子に誘われたからだ。
 ともかく二人はそれぞれ水着に着替えた。

 先に着替え終わったのは
「……美緒はどういう水着を着てくるのかしら。少し楽しみね」
 小夜子だった。大胆な三角ビキニで素晴らしいスタイルを惜しみなく披露している。そんな小夜子が楽しみなのは美緒の水着姿である。
 少しして
「……お待たせしましたわ」
 露出の少ない可愛らしい水着に着替えた美緒が現れた。露出が少ないとは言え肌を出しているためか恥ずかしそうに頬を染めていた。
「あら、可愛い」
 小夜子は食い入るように水着の美緒を見ていた。可愛い水着姿だけでなく恥じらっている様子も堪らない。
「……その、小夜子も素敵ですわ。でも……」
 美緒は自分と正反対の水着をチョイスした小夜子の姿に真っ赤である。
「ふふ、やっぱり、美緒は可愛いですわ。ビーチボールもありますし、早速と行きたいですが……その前に」
 可愛い美緒が愛おしくて堪らない小夜子はすぐに遊びたい所だが、燦々と降り注ぐ陽光対策のための日焼け止めを手にした。
「これから日差しも強くなってくるでしょうし、日焼け止めを塗った方が良いですわ」
 小夜子は美緒に日焼け止めを一本渡した。
「えぇ、そうですわね」
 美緒は日焼け止めを受け取るなり腕など塗りやすい場所から塗っていく。
 隣では小夜子が淡々と日焼け止めを塗っていた。
 一人で塗れる所を塗り終わった所で
「美緒、悪いけど私の背中に塗ってくれるかしら?」
 小夜子は美緒に日焼け止めを差し出した。
「えぇ、分かりましたわ」
 受け取った美緒が日焼け止めを塗る準備をした所で
「!!」
 美緒の顔が赤くなり手が止まった。
 なぜなら
「日焼けの跡が付くと嫌ですから」
 小夜子がビキニの紐を解いて胸も露わな状態になったからだ。
「……で、でも、小夜子、ここは外ですわよ?」
 美緒は落ち着き無く周囲に顔を巡らせる。屋内ならばともかくここは屋外だ。
 しかし
「大丈夫、朝ですから人目はありませんわ(美緒の反応は純粋よね……)」
 小夜子は全くの余裕。むしろ美緒の反応を楽しんでる素振りさえある。
「早くしてくれないといつまでも私このままですわよ?」
 小夜子はからかい成分多めにわざとらしく困ったように言うと
「そ、それは困ります」
 美緒は慌てて日焼け止めを小夜子の背中に塗った。
「……小夜子は意地悪ですわ」
 と頬を膨らませながら可愛らしく不満を口にして。
 塗り終わると
「ありがとう、美緒。でも意地悪なんかじゃありませんわよ。次は美緒の背中を塗ってあげますわ……美緒の肌が日に焼けないように」
 小夜子は美緒の後ろに回って美緒が何か言う前にすかさず日焼け止めを塗り始めた。
「美緒の綺麗な肌に日焼けなんて嫌ですもの。塗り残しがないように塗ってあげますわ」
 そう言うなり小夜子は口元を悪戯な笑みを浮かべるなり上の水着をはだけさせ、塗り残しがないようきっちりと塗るもそれだけでなく、悪戯っぽく美緒の豊満な胸を揉み始めた。
「あ、ちょっ、小夜子!?」
 揉まれる美緒は顔を赤くして色っぽい声を上げながら抵抗をする。
 そんな様子にますます
「……塗り残しがあったのよ? それにしても私もスタイルには自信はあるけど美緒には敵わないわね。羨ましいわ」
 小夜子は楽しそうにする。笑顔も好きだが困った顔も好きだったり。
「……そ、そんな事は……もうやめて下さいまし」
 美緒はあまりの恥ずかしさに目に涙がにじみ始めていた。
 ここで
「冗談ですわ。はい、塗り終わりましたわ」
 小夜子はぱっと手を離し、日焼け止め塗りを終わりにして
「さあ、ビーチボールで遊びましょう」
 ビーチボールを手にして美緒を誘った。
「……えぇ」
 美緒は急いで水着を正してから小夜子を追いかけた。
 この後、砂浜でビーチボールを散々楽しんだり昼食を和気藹々と食べたりと賑やかに寛ぎ過ごした。

 昼。

 昼食後、寛ぎ中。
「昼からは美緒の泳ぎの練習をしましょう」
「……泳ぐ練習ですか」
 小夜子が泳ぎの練習を切り出すと美緒は途端に不安そうな顔になった。
 すぐに美緒の気持ちを察した小夜子は
「私がサポートするから心配しないで。泳げるように全力で手伝いますから」
 力強く美緒の不安を払拭しようと宥め、何とか泳ぎの練習に乗り気になって貰うとする。
「小夜子が手伝ってくれるのなら」
 自分のために一生懸命なのを見て美緒は練習をする事に決めた。

 早速、二人は湖に入り、小夜子が美緒の両手を持ちバタ足の練習をする事になった。
「絶対に手を離さないで下さいまし」
 美緒は足をバタバタさせ盛大に水飛沫を出しながら自分の両手を握り支えてくれている小夜子に必死に念押しをしていた。美緒の水泳レベルは豊満な胸のおかげで浮く事は難なく出来るのだが、バタ足などの基本的な泳ぎが出来ない状態である。
「えぇ、大丈夫よ」
 小夜子はにこっと笑いかけながら美緒の両手を握り、前進しないバタ足をする美緒をゆっくりと導いていた。
 この後、疲れ果て休憩を欲するまで美緒は水泳の練習を小夜子はしっかりとサポートしていた。