蒼空学園

リアクション

　
　Ｅｐｉｓｏｄｅ６．魂のデュエル

　
　ＰＯＣカードゲームの大会後、スコルージガール（物理）の制裁によっても、十文字　宵一（じゅうもんじ・よいいち）のテンションは元に戻っていなかった。
　というか、むしろ一層激しく暴走していた。
　流石、全シリーズ網羅している宵一はネタが豊富だ。
　無理やり荒野に連れ出して、デュエルの体勢。リイム・クローバー（りいむ・くろーばー）の訴えなど、聞く耳も持たない。
　仕方なく、リイムは付き合うことになった。

　という訳で。

※ローカルルール：初期ライフポイント１２０００※



宵一「第１ターン！
　薔薇学校長による２０００ポイントの攻撃！
　リイムよ！　共に美しくあろう！」
リイム「意味不明なのでふ！
【魔法少女アウストラリス】で２０００ポイントの攻撃なのでふ！」
宵一「む、互いに１／４か、やるなリイム、全くの互角！」


「来たまえ。君の美しさ、見せて貰おう」
「パラミタの未来の為に――！」
　ルドルフ・メンデルスゾーン（るどるふ・めんでるすぞーん）とアイリ・ファンブロウ（あいり・ふぁんぶろう）の激突！
　互いに一歩も譲らず！






宵一「第二ターン！　ふむ、回復だな。
【慈母の歌姫】で、回復とライフ基本値を上げるぞ！」
リイム「【小さき英雄】
　あっ、僕なのでふ。でもここでは使えないのでふ」
宵一「ふっ、残念だったな、リイム！」






リイム「第３ターンなのでふ。
　今度は僕が薔薇の校長先生なのでふ」
宵一「俺の背を追っていては、成長はないのだぞ、リイム！
【イコンパイロット】による３０００ポイントの攻撃！　更に追撃の
【十二星華・蛇遣い座】で、３６００ポイントの攻撃を追加する！
　ちなみにリイムの攻撃は闇属性により１６００ポイント、更に半減する！」
リイム「校長先生も、リーダーの攻撃を１／３にするのでふ」


シャムシエル・サビク（しゃむしえる・さびく）と柊　真司（ひいらぎ・しんじ）のタッグ攻撃！
「成る程、正邪一身の、これもまた美しさということか――？」
ルドルフ・メンデルスゾーン（るどるふ・めんでるすぞーん）





リイム「第４ターン、頑張るのでふ
【ぬ〜り〜か〜べ〜〜〜】で、５０００ポイント防御するのでふ」
宵一「守りに出たな、リイム！　ならばとくと味わってくれよ、俺のファンサービス（物理）を！
俺はギミック・パペット・ジャイアント・ティフォン先生を特殊召喚！


　顕現する、嵐を起こすもの　ティフォン（あらしをおこすもの・てぃふぉん）！
　大地と空気を揺るがす吼号が轟く！（しかし行われるのは回復である）






宵一「第５ターン、行くぞリイム！
【彼方からの希望】！　このターンから３ターン、相手の攻撃を５割減にする！」
リイム「ポムクルさんに回復して貰うのでふ」


「勝てばよかろうなのだー」「なのだー」
ドロシー・リデル（どろしー・りでる）の周囲を、ポムクルさん達が駆け抜ける！






宵一「第６ターン、ドロー！
　行け！　【仁義なき外道魔砲少女】！　３０００ポイントの攻撃！
　そしてカードを三枚、使用済として貰おう！」
リイム「【癒し系お嬢様】に、攻撃ポイントを１／３に減らして貰うのでふ。
　まずは属性効果で、魔砲少女さんの攻撃は２４００ポイントになるのでふ。
　残りはぬりかべさんに防いで貰うのでふ。それから、回復もでふ」


「わぁ、大変、えっとえっと、瀬蓮何ができるかなぁ？」
　外道魔砲少女は、純真無垢な高原　瀬蓮（たかはら・せれん）に、攻撃を躊躇う！
「……チッ、弱いものいじめは性に合わねえぜ！」
　威力を弱めた攻撃は、分厚い石の壁に阻まれて完全防御！（防御ポイント残・４２００）







リイム「第７ターンなのでふ。
【帝国の剣】で、５０００ポイントの攻撃をするのでふ」
宵一「甘いな、リイム！
　その攻撃、ドロシーによって半減させる！　そして俺のカードは【十二星華・天秤座】！
　攻撃を更に半減させ、３０００ポイントの攻撃をする！」


アイリス・ブルーエアリアル（あいりす・ぶるーえありある）とティセラ・リーブラ（てぃせら・りーぶら）の、光の激突！
ドロシー・リデル（どろしー・りでる）の祈りがアイリスの手を怯ませる！
しかし、アイリスを振り切り、攻め込むティセラの前に、巨大な石の壁が立ち塞がった！！（防御ポイント残・１２００）





リイム「第８ターンに行くのでふ。
【十二星華・射手座】で３０００ポイントの攻撃なのでふ」
宵一「なかなかやるな、リイム！
　俺は【未来への可能性】で賭けに出る！
　ダイス目は……１・６で７だ！　３０００ポイントの攻撃！！」
リイム「アレナさんに半減して貰うのでふ」

　エリュシオン皇帝、セルウスの一撃！
　しかしそれは、アレナ・ミセファヌス（あれな・みせふぁぬす）とぬりかべによって防がれる！
　しかし、ここでついにぬりかべを撃破した！！




宵一「ムカつくぜ！　俺のファンサービス（物理）を拒否るつもりか！？」



宵一「第９ターン！　受けるがいい、リイム！
【マスターニンジャ】が１０００ポイントの攻撃を仕掛ける！」
リイム「【十二星華・蛇遣い座】なのでふ。攻撃は半分にするのでふ」
宵一「こちらも、蛇遣い座の攻撃を１／４にする！」






宵一「うーむ、決定打に欠けるな……
　第１０ターン、ドロー！　……ふっ、よし、行くぞ！
【ああもう面倒くさいね氏ねば】ぁ？　５０００ポイントの攻撃だ！」
リイム「【慈母の歌姫】で回復するのでふ」


「ウッザ……」
究極面倒くさそうに、ウゲン・カイラス（うげん・かいらす）が歌姫を睨む。
しかし歌姫は、厳しい攻撃に怯まず、癒しの歌を歌う――！





リイム「第１１ターンでふ。
【三身一体】で、１０００ポイントずつ、攻撃と防御と回復をするのでふ」
宵一「【十二星華・牡牛座】で３０００ポイントの攻撃だ！
　リイムの攻撃は、５００ポイントに減らさせて貰うぞ！」


「行くわよ、姉さん、パフューム！」
「きゃーっ、嘘ーっ！」
ディオニウス三姉妹による同時攻撃に、ホイップ・ノーン（ほいっぷ・のーん）は逃げ腰になりつつも、何とか応戦する！





リイム「第１２ターンでふ。
　……えーとえーと、回復なのでふ」
宵一「行け！【謎のビキニアーマー】よ！　そのけしからんおっぱいで２０００ポイントの攻撃ＤＡ！」
リイム「お姉さまが怒りまふよ……」


「す、好きでこんな格好しているわけでは〜」
　最早誰も聞いてくれない言い訳をしながらも、泉　美緒（いずみ・みお）が攻撃する！　そして……

　――そのカードは、エラーカードだった。
　印刷が上にずれてしまい、カードタイトルと、人物の名前がカードから切れてしまっているのだ。
　その状態で大量に印刷されてしまい、何のレアリティもなくそのまま流通しているのだった。
　ついに最後まで、そのカードの更新はされず――

「ひどい、もう名前も公表されているのに……！」
　という訴えも届かず、カードから誰かが召喚された……ような気がして、気がつくと、いつの間にかリイムは５０００ポイント回復していた。






宵一「くっ、なかなかやるな、リイム！
　第１３ターン、ドローだ！
【天馬座のシュテルンリッター】、２０００ポイントの攻撃！」
リイム「【サムライマスター】で１０００ポイントの攻撃なのでふ」
宵一「３３４ポイントに減少させる！」
リイム「リーダーの攻撃は５００ポイントになるのでふ」


フリューネ・ロスヴァイセ（ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ）が、天馬座の闘衣を纏う！　その攻撃が、星の輝きを放つ！
「ロスヴァイセ流星穿！！」
「サムライのＴＨＥ心眼には通用しまセーン！」
ティファニー・ジーン（てぃふぁにー・じーん）は、カッと目を見開く！
「い、いたた、ちょっと受けましたネ」






宵一「第１４ターン、ドロー！！
【十二星華・獅子座】！　ならばぺたんこでどぉだぁぁぁ！」
リイム「リーダー…………！　……骨は拾ってあげまふ……っっ！
【アイドルの歌声】でリーダーの攻撃は無効、両者１０００ポイントの回復でふ」
宵一「何だとお！？」






リイム「第１５ターンでふ。
【彼方からの希望】。こちらにもドロシーさんが出てくれたのでふ。このターンから３ターン、相手の攻撃を半減するのでふ」
宵一「【魔法少女ポラリス】で２０００ポイントの攻撃！
　ドロシー効果で１０００ポイントか、まあいい！」


「はわわ、あの、その、うっ……」
遠藤　寿子（えんどう・ひさこ）は、可憐なドロシー・リデル（どろしー・りでる）に攻撃を躊躇う……







リイム「第１６ターンなのでふ。
【機晶合体クーペリアン】で２０００ポイントの攻撃なのでふ」
宵一「ポムクル先生、お願いします！」


エレーネ・クーペリア（えれーね・くーぺりあ）の攻撃の足元をポムクルさんが駆け巡り、結果、ブラマイゼロの動き無し！






宵一「行くぞ、第１７ターン、ドロー！
【癒し系お嬢様】で２０００ポイントの回復！　受ける攻撃も１／３にするぞ、来るがいい！」
リイム「【十二星華・牡牛座】で、３０００ポイントの攻撃でふ。
　１０００ポイントになりまふね」






宵一「第１８ターン、ドローだ！
　【ぬ〜り〜か〜べ〜〜〜】効果で、ここから５０００ポイント防御する！」
リイム「【仁義なき外道魔砲少女】で崩して行くのでふ。３０００ポイントの攻撃と、カードを三枚、使用済にして貰うのでふ」


「喰らいな！」
「ぬ〜り〜か〜べ〜〜〜」
　外道魔砲少女の仁義なき攻撃を、鉄壁の岩壁が完全防御！（防御ポイント残・２０００）






リイム「第１９ターンなのでふ。
【イコンパイロット】による３０００ポイントの攻撃と、そして、タッグでもう一枚、
　集い氏夢が新たな星を生み出しまふ！　現れてくださいまふ！　スターダスト・プチヴリドラさん！」
宵一「そ、そのカードはッ……！」


　柊　真司（ひいらぎ・しんじ）による渾身の一撃！
　そして、星々の輝く彼方から、偉大なる小さき龍が飛来する！
　流星の如く一直線に、プチブリドラは、敵ではなくリイムの頭上に激突！！（※回復）

（そしてその影でひっそりと、いつの間にか宵一が５０００ポイント回復していた）






リイム「第２０ターンなのでふ。
【謎のビキニアーマー】さんで、２０００ポイントの攻撃なのでふ」
宵一「フッ、その攻撃は無効とさせて貰おうか！
【アイドルの歌声】で、両者１０００ポイントの回復だ！」
リイム「ふ、ふに〜」


「どきなさい、邪魔よっ！」
泉　美緒（いずみ・みお）を押しのけて、ラブ・リトル（らぶ・りとる）が歌う！






宵一「お互いこれが最後の一枚のようだな、リイム！
　行くぞ、ラストターン、ドロー！
　最後の攻撃は、【十二星華・射手座】！　３０００ポイントの攻撃だ！」
リイム「【十二星華・蠍座】なのでふ。同じく、３０００ポイントの攻撃なのでふ」
宵一「互いに半減ずつ……１５００ポイントの攻撃！！」


パッフェル・シャウラ（ぱっふぇる・しゃうら）とアレナ・ミセファヌス（あれな・みせふぁぬす）のファイナルアタック！
互角！！！！



（両者持ち札０につき、バトル終了！）


宵一「なん……だと……！？」
リイム「やた♪でふ！　そして恒例のお仕置きタイムなのでふ！」
宵一「え、ちょ、リイムなにその誰かを彷彿とするアッ」
リイム「お姉さま直伝の治療（物理）アッパーでふ！　リーダー正気に戻ってなのでふ！」

ＷＩＮＮＥＲ　リイム・クローバー

　





宵一「……という夢を見たんだ。疲れてるんだろうかな？」
リイム「……そうでふか」
宵一「ん？　どうしたリイム、手が腫れてるぞ？」