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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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 ツァンダ レティーシア家施設ドック
 
「よく保ってくれたわね。ありがとう……迅竜」
 大破寸前の状態ながら、それでも独力でドックに辿り着いた迅竜。
 それを眺めながら、ルカルカ・ルー(るかるか・るー)は今後のプランをもう一度反芻する。
 
 幸い、金鋭峰のはからいにより、必要なパーツはすべてこのドックに手配されていた。
 後は修理を兼ねた大改修を行うだけだ。
 その点でいえば、すべきことも、その為に必要なこともわかりきっている。
 
 むしろ、どうすべきか頭を悩ませているのは、その後のことだ。
 迅竜の大改修がどれだけ速く終わるかで、今後の展開が大きく変わる。
 
 諜報部の活躍により、エッシェンバッハ派の本拠地は突きとめられた。
 大改修が終わり次第、突撃をかけるのみ。
 その為にも、一刻も早い大改修の完了が望まれるのだ。
 
「ルー艦長」
 呼びかけられて振り返るルカルカ。
 その先にいたのはイーリャ・アカーシ(いーりゃ・あかーし)だ。
「アカーシ博士」
 ルカルカが振り返るなり、イーリャは数枚の書類を留めたバインダーを差し出す。
「迅竜の改修ですが、完了の目途が立ちました」
「ありがとう。思ってたよりも早く済むみたいね」
「ええ。レティーシア家の皆さんだけでなく、金団長の連絡で駆け付けてくださった教導団の方々、そして今までの戦いで少しずつ増えていった迅竜クルーがいますから」
 安堵したように微笑みながら、ルカルカは再び行程表に目を落とす。
 進捗状況としては申し分ない。
 後は、すべてが完了するその時まで、ここを守りきれるかどうかだ。
 当然、敵も迅竜の動向は探っているだろう。
 もしここを嗅ぎつければ、すぐにでも襲撃をかけてくるに違いない。